lastupdate 2016/4/1 授業の履歴に追加
2015/12/09 生徒の感想文・質問と回答(Wordファイル)を追加
since
 2001.11.5 

野宿・貧困問題の授業を行なっています

学校や先生方に授業の実施を呼びかけます

↑2001年9月11日・第1回の授業(大阪市西区の大阪YMCA国際専門学校・国際高等課程・ボランティアクラスにて)

★今までの授業の履歴・生徒の感想文へのリンク★



野宿・貧困問題の授業を全国の学校で行なっています

▼わたしたちは、釜ヶ崎(あいりん地区)を中心に、日雇労働者、野宿者への支援活動を行っています。いま、小・中、高校などで先生との共同作業によって野宿・貧困問題の授業を行っています。

                                        

▼野宿者、いわゆるホームレスの数はこの10年で増化し、大阪だけで約5000人、全国で2万人と言われるようになりました。特に失業率が増大する中、「ネットカフェ難民」や「派遣切り」がそうであるように、全国で多くの人が貧困、そして野宿へ至るようになりました。

                                       

 野宿や貧困の問題が深刻な社会問題だという認識が定着するようになったにもかかわらず、野宿・貧困問題についての啓発活動はあまり行なわれていません。全国の学校、あるいはフリースクールでもそうです。その結果、市民やこどもたちの多くが「あの人たちは仕事が嫌でああして道で寝ているんだ」「その気になれば仕事なんてあるのに、捜そうともしていない」という偏見・差別を変える機会がないままになっています。

                                       

 日常的に野宿者と関わっているわたしたちは、ほとんどの野宿者が失業などの理由で意志に反して野宿に至っていることを知っています。また、アルミ缶やダンボールなどを1日10時間近くかけて集め、それを何百円かのお金にしてなんとか暮らしているという実態を知っています。
 現在の社会は、いったん野宿に至った人が再び住居と仕事を持つ生活に復帰することが困難です。例えば、住所がない人はハローワークがなかなか相手にしてくれません。また、着ていく服もありません。就職できたとして、1ヶ月先の給料までどうやってしのいだらいいのか。これらの困難は、社会的ななんらかの支援によって解決できるはずのものです。しかし、放置状態が長らく続いた結果、多くの野宿者が野宿生活脱出のきっかけのないまま路上や病院で次々と死亡していくという事態が続いています。

                                       

▼もう一つの深刻な問題は、野宿者への(主に若者による)襲撃です。野宿者襲撃は、殺人事件でもない限り新聞にも出ませんが、一般に知られているよりもはるかに頻繁にあり、悪質なものです。エアガン襲撃、花火の打ち込み、投石、消火器を噴霧状態で投げ込む、ガソリンをかけて火を放つ、殴る蹴るの暴行等々、わたしたちが毎週夜回りしている日本橋でんでんタウン周辺だけでも、こうした襲撃が3日に1回の割合で起こっています(詳細については野宿者ネットワークの把握したデータを見てください)。殺人などの襲撃を行った少年たちは、「ホームレスは臭くて汚く社会の役にたたない存在」「無能な人間を駆除する、掃除するって感じ」などと語っています。襲撃する少年たち(襲撃者には大人も少女もいますが)のこうした内面ももちろん問題ですが、まず何よりも一般に浸透している野宿者への偏見・差別を解消しなければ襲撃を阻止することはできません。

                                       

▼現在、野宿・貧困問題は悪化し続けており、解決の兆しはあまりありません。先進国のたどった先例を考えた場合、野宿者の数は10年後、20年後に若年層、中年層も含めて数十万人程度に増えていくことも考えられます(日本が経済的モデルにしているアメリカの場合、1年間にホームレスを経験した人数は350万人、そのうちこどもが135万人とされ、イギリス・フランスでもホームレス数が40万人以上とされています)。事実として「多業種の日雇労働者」であるフリーター・日雇い派遣労働者が激増しているいま、20〜30代の若者の野宿が進行し続けています。

                                       
 
▼学校、フリースクールでの野宿問題の授業は緊急に必要なものであるとわたしたちは思います。
 しかし、学校での野宿・貧困問題の授業はあまれり行なわれていません。そこには、一つには「野宿や貧困は結局は自業自得ではないか」という偏見が大きく影響いているのかもしれません。また、先生方自体、野宿問題について知らないし、知ろうとしても情報が得られないという事情があります。事実、野宿問題に関わっている人間は、問題の規模の大きさにもかかわらずごく少数です。ボランティアも少なく、また情報発信も限られています。したがって、野宿・貧困問題にかかわっている有志と、学校の先生たち有志との共同作業によって授業を持つことできれば、大きな意味を持つはずです

                                       

▼この種の授業は日本各地でたびたび行われてきましたが、問題の規模の大きさ、深刻さに比較してあまりに小規模にとどまっています。
 いま、「無視」「軽蔑」、そして「襲撃」という若者と野宿者との最悪の出会いがあるとすれば、わたしたちが追求したいのは、正しい認識のもとでの若者と野宿者との新しい出会い、新しい関係です。学校教育、社会教育等で野宿・貧困問題に関心を持ち、何らかの教育を必要と考える先生方に、わたしたちのこうした活動へのご協力と共同作業による授業の実施とを呼びかけます。
この授業計画に限らず関心ある方は、下のメール(生田武志宛て)でご連絡ください。

★今までの授業の履歴・生徒の感想文へのリンク


リンク集

「学校で野宿問題の授業を――「極限の貧困」問題と教育の課題」(「世界」2008年4月号)
  極限の貧困をどう伝えるか(2008年3月29日・反貧困フェスタで の講演資料)
  「いす取りゲーム」と「カフカの階段」の比喩について(野宿問題の授業のための)

関連団体
「ホームレス問題の授業づくり全国ネット」 参加へのお願い
「ホームレス問題の授業づくり全国ネット」HP                                                 
野宿者ネットワーク
同志社香里ボランティア連絡所 (釜ヶ崎の「いこい食堂」の炊き出しボランティアを中心に、いくつかの活動を展開しています)

学活の時間における「野宿者人権学習」指導案〔中学校編〕 
  道徳の時間における「野宿者人権学習」指導案〔中学校編〕

メール