最近思う事 第三部(三)



信用創造を利用した「羊毛刈り」―借金・破綻で担保を奪え!

中央銀行は「銀行の銀行」という役割も持ち、中央銀行の発行する銀行券を市中銀行が借り受け、融資を通して世の中に流通させます。

 話を現代に進めて、信用創造の仕組みを解説しましょう。民間銀行は貯金残高に応じて、一定割合以上の準備貯金を中央銀行に預けるように義務付けられています。準備貯金の率は、預金の種類や量によって異なりますが、ここでは仮に1%としておきましょう。Aさんが銀行に100万円を預けたとします。その銀行は中央銀行の口座に準備預金として1万円を預ける事になり、銀行に残った99万円は貸し出すことが出来ます。

銀行はBさんにその99万円を融資し、Bさんは借りた99万円を商売相手のCさんへ商品の代金として振り込みます。そうするとCさんの口座に99万円が入り、その銀行は中央銀行に準備預金として1%の9900円を預ける。銀行は残りの98100円を、また別の人に貸し出せます。

このように預金準備預金貸出預金準備預金→貸出・・・・と連鎖的に繰り返していくと、銀行全体で100万円の預金から9900万円のお金を生み出すことが出来ます。つまり、銀行は融資によって“無から”お金を創り出すことが出来るのです。この融資によってつくり出されたお金は全て債務を証券化した通貨で、誰かのお金は誰かの借金でもあるわけです。本質的に借金であるお金は、借り手の返済能力を超えて発行すれば、必ず債務不履行となって破綻します。

この原理を悪用すれば、返済できないほどの多額の借金を貸し付け、わざと破綻させて、担保にとった土地や建物、あるいは株券などを安価で手に入れることも可能です。この手法は金融業者の隠語で「羊毛狩り}と呼ばれているそうです。

さて、民間銀行が口座で右から左にお金を動かすだけで生まれるお金を「預金通貨」と言います。日銀のデータによれば、200910月現在の現金通貨は72.4兆円、預金通貨は406.5兆円となっており、預金通貨は現金通貨の5.6倍以上もあります。さらにマネーサプライ全体で見れば1436兆円もあり、現金通貨は20分の1しかありません。つまり、銀行決済のほとんどは、ただの電子信号的な数字である。“会計上のおカネ”で行われているのです。

例としてAさんが銀行から100万円の融資を受けて、利子込みで110万円返済するケースを考えてみましょう。Aさんは融資を受けた100万円を事業に投資します。原材料の仕入れ、人件費、燃料費などの減価償却費として使用します。そのコストに返済する利子費や利益を上乗せして110万円を売り上げれば、銀行に110万円を返済する事が出来ます。仮に120万円を売り上げれば、始めてAさんの手元に10万円の資産が残ります。逆に、もし110万円を返済できない場合は、何かしら担保に入れた相当分の実物資産を没収される事になります。それに対して銀行が行う作業といえば、ただのキーボードを叩いて口座に数字を入力するだけです。銀行の保有する何かしらの実物資産を貸し出しているわけではありませんから、もし返済されなくても銀行のバランスシートにマイナスはつきますが、本当の意味で損をすることはありません。

ちなみに、Aさんが返済する利子費は、何もAさん自身が負担しているわけではありません。利子費はAさんが売る商品の価格に転化され、消費者みんなが負担しているのです。これは広い意味で民間業者である銀行が国民に課す消費税みたいなものです。


金融危機を防ぐ名目で、FRBは設立されたが・・・・

 1913年、米国で連邦準備制度(FRB)が設立されます。FRB1907年に起きた金融危機を教訓として誕生しました。金融危機の再発を防ぐため、ポール・ウォーバーグが銀行改革の必要性について、連日のようにマスコミを通じて主張しました。そして、1910年、JP・モルガンが所有するジョージア州のジキル島でFRBを設立する為の秘密会議が開かれます。この秘密会議の出席者は次のようなメンバーでした。

    ネルソン・オルドリッチ・・・・共和党上院議員で院内幹事。全国通貨委員会委員長。JP・モルガンの投資パートナー。ジョン・D・ロックフェラー・Jr.の義父。

    エイブラハム・アンドリュー・・・・連邦財務次官補。通貨委員会特別補佐官。

    フランク・ヴァンダーリップ・・・・ナショナル・シティ・バンク・オブ・ニューヨーク頭取。ロックフエラーとクーン・ローブ商会を代表。

    ヘンリー・ディヴィソン・・・・JP・モルガン商会の共同経営者。

    チャールズ・ノートン・・・・JP・モルガンのファースト・ナショナル・バンク・オブ・ニューヨークの頭取。

    ベンジャミン・ストロング・・・・JPモルガンのバンカーズ・トラスト・カンパニーの社長。のちにニューヨーク連邦準備銀行の初代総裁。

    ポール・ウォーバーグ・・・・ロスチャイルド商会代理人。クーン・ローブ商会の共同経営者。

 米国では中央銀行に批判的な意見が多かったので、ポール・ウォオーバーグが中央銀行という名称を避けるように提言し、連邦準備制度という名称に決定しました。連邦準備制度をつくる法案は、共和党のネルソン・オルドリッチが機会に提出しましたが、オルドリッチ法案は民主党から激しい反対を受けます。議論を続けている間に、共和党が野党に転落してしまいました。そこで、民主党の大統領候補者ウッドロー・ウィルソンに白羽の矢が立ちます。1912年の大統領選挙では、現職で人気者のウィリアム・タフト(共和党)が再選確実とされていました。そこへ人気者の元大統領セオドア・ルーズベルトが、共和党を離れ、革新党を結成して立候補します。その結果、共和党内で票が割れて、ウィルソンが地滑り的勝利を収めます。

 この時ウッドロー・ウィルソンを支援していたのが、ポール・ウォオーバーグとジェイコブ・シフ。ウィリアム・タフトを支援していたのがウォオーバーグの従兄弟フェリックス・ウォオーバーグ。そして、セオドア・ルーズベルトを支援していたのがオットー・カーン。

ポール・ウォオーバーグ、ジェイコブ・シフ、フェリックス・ウォオーバーグ、オットー・カーン、この4人は全員がロスチャイルド一族であり、またロスチャイルドが大株主であるクーン・ローブ商会の共同経営者です。つまり、大統領選でもリスクヘッジ(危険回避)が行われていたわけです。

 ウッドロー・ウィルソンは、就任式の直後に特別会期を召集して、クリスマス休暇でほとんどの議員たちが帰省中に、民主党が提出したオーウェン・グラス法という連邦準備法を可決させました。そのオーウェン・グラス法案は、以前、民主党が反対していた共和党のオルドリッチ法案と名前以外はほとんど同じという法案でした。しかも、このオーウェン・グラス法案に対し共和党のオルドリッチと・ヴァンダーリップが激しい非難の声を上げるという茶番劇付でした。


ウィルソン大統領はFRB設立を大後悔していた

 FRBは米国政府が一株も保有していない民間銀行のカルテルです。この民間銀行が所有する中央銀行が、どのようなことを行っているか?1964年に開かれた下院銀行通貨委員会の公聴会でのライト・バットマン議員の証言を見てみましょう。

1ドルは連邦準備制度に対する1ドルの負債を表している。連邦準備銀行は無から通貨を創造し、合衆国財務省から政府債券を購入する。利子の付いた流通資金を合衆国財務省に貸し出し、合衆国財務省に対する小切手貸付と帳簿に記帳するのである。財務省は10億ドルの利付債の記帳を行う。連邦準備銀行は財務省に対して債権の代価の10億ドルの信用を与える。こうして10億ドルの債務を無から創造するのだが、それに対して米国民は利息を支払う義務を負うことになるのである。>

1981年にレーガン政権が調査した結果では、連邦の個人所得の税収760億ドルが、全額FRBへの利子の支払いに充(あ)てられていたという事です。現在では、平均労働収入の約35%が連邦所得税として徴収されています。

尚、米国には連邦所得税を納付しなければならないという法律は存在していません。法的根拠もないのに所得税を取られ、それが連邦準備銀行へ流れるという仕組みになっているのです。

ウッドロー・ウイルソンは晩年になって、連邦準備制度設立に加担した事を後悔して、次のように言い残しています。

<私はうっかりして自分の国を滅亡させてしまいました。大きな産業国家は、その国自身のクレジットシステムによって管理されています。私たちのクレジットシステムは一点に終結しました。したがって、国家の成長と私たちの全ての活動は、ほんの僅かな人たちの手の中にあります。私たちは文明化した世界に於ての支配された政府、ほとんど完全に管理された最悪の統治の国に陥ったのです。もはや自由な意見による政府、信念による政府、大多数の投票による政府はありません。小さなグループの支配者によって約束される政府と化しました。>






UP
      戻る      次へ