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樋口明雄

「狼は瞑らない」
角川春樹事務所刊
ISBN4-89456905-1
四六判ハードカバー 全448頁
\2,100
2000/11/24発売初版

INFORMATION
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「狼は瞑らない」の
制作話・裏話
作者へのインタビューを
中心としたサイトです。

樋口明雄
1960年山口出身。87年デビュー。
97年「頭弾」、翌年「狼叫」、99年「酔いどれ犬」
01年「狼は瞑(ねむ)らない」(角川春樹事務所)「墓標の森」(双葉社)
02年「俺たちの疾走」「武装酒場」
03年「光の山脈」、「狼は瞑らない」の文庫化
06年「クライム」角川春樹事務所
07年「天使が堕ちた街」
08年「男たちの十字架」(クライム文庫化)


(UPDATE 08.04/21)

 

2008年 増刷

 

 

2003

「狼は瞑(ねむ)らない」

ハルキ文庫版

角川春樹事務所刊 1115日発売 定価¥920円+税
966円

ISBN4-7584-3078-0

 

 佐伯鷹志は、かつて警視庁警備部警備課に在籍し、SPとして、政治家の警護をしていたエリート警察官だった。今は一線を退き、北アルプスと立山連峰に挟まれた広大な山岳地帯で遭難者を救助する、山岳警備部隊の隊員である。その佐伯を狙う謎の暗殺集団。彼らは、警察と政界の闇を知りすぎた佐伯を消すために送り込まれた"掃除屋"だった。――「雪山で繰り広げられる男たちの死闘は、興奮、興奮、また興奮!」と、文芸評論家の細谷正充氏も絶賛した、山岳冒険小説の金字塔!(解説・細谷正充)
 

 

http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=2148

 

 

 

 

 

 

 

 

 角川春樹事務所刊 0231日発売
定価¥1、143 全384P

 

 

 

祝!

第19回日本冒険小説協会賞の第3位獲得作!

http://www.jade.dti.ne.jp/~gaby/jafa/

 

山が哭いていた。
ヤマ   ヤマ        タイトロープ         
危機また危機、絶望と希望の綱渡り! 読み進むのがつらく

                    トキメキ オノノキ
せつなく、それでも読まずにいられぬ、その興奮と感動!
          ・ ・ ・ ・
   これぞ、陳メ絶叫の“読まさずに死ねるか!”
        ・・
見逃し一生不覚の満涙ホームラン極上小説でありますぞ。

                  ――内藤陳氏絶賛!

 

 狼は瞑らない

 

 佐伯鷹志は、かつて警視庁警備部警護課に在籍し、SP(セキュリティー・ポリス)として、政治家の警護をしていたエリート警察官だった。いまは一線を退き、北アルプスと立山連峰に挟まれた、広大な山岳地帯で遭難者を救助する、山岳警備隊の隊員となって久しい。その佐伯を狙う謎の暗殺集団。彼らは、警察と政界の闇の部分を知りすぎた佐伯を消すために送り込まれた、“掃除屋”と呼ばれる男たちだった。そして、幾重にも張りめぐらされた非常の罠。風速四十五メートルの大型台風に襲われ、下界と完全に弧絶した、標高二千メートルを超える険峻な山岳地帯を舞台に、過去を背負った男たちの、決死のサバイバルが始まる!


ISBN4-89456905-1
四六判ハードカバー 全448頁
\2,100
2000/11/24発売

できれば、大型書店にて、お買い求め戴くか、もしくは、お近くの書店やインターネットのブックウェブ等でご注文してください。
または、下記の角川春樹事務所サイトにて。

http://www.kadokawaharuki.co.jp/index.html

 

 

 

☆作者にきく

 Q)この小説を書くことになったきっかけは?

「朝日ソノラマNEXT文庫の〈爆風警察〉という小説を書いているとき、主人公のひとりに、落ちぶれた元SPの警官という人物がいまして、彼のような存在を、もう少し大きくふくらまして書こうと思ったんです。それに、山岳冒険小説を書きたくて、両者をドッキングさせたのが、このストーリーです」

 

 Q)山岳小説といえば、夢枕獏さんや谷甲州さんといった方々がおられますが、意識しましたか?

「そりゃもう、メチャメチャ意識しました。おふたりは、僕なんかとちがって、ヒマラヤ遠征に行かれたりした、本格的なアルピニストだったわけだし、作品にしても、どれも力作ぞろいですから。とくに、〈神々の山嶺〉を読んだときは、衝撃を受けました。同じことをやっても、絶対にかなわないと思いましたね。だから、僕は僕なりの山の話を書くしかない、と。ただし、一度、山の話は失敗しているんです。書き下ろしで、昔、書いた一冊があるんですが、我ながらひどいデキでした。“趣味の領域を越えていない”なんて、書評に叩かれたりもしたし、それに対する反省もあって、今回は張り切ったわけです」

 

 Q)黒石連峰や奥出水山塊は、架空の山域ですが? どうして、実在する山を舞台にしなかったのですか?

「日本の山は、どこも開拓し尽くされた感がありますね。とくに、山岳警備隊などが出動するような、登山コースの充実した山は。そんな場所で、アクションをやっても、現実にその場所をご存じの人からすれば、あまりリアリティがないと思ったんです。真保裕一さんの〈ホワイトアウト〉にしたって、同じ理由で舞台を架空のダムにしたのではないかと思います」

 

 Q)主人公・佐伯のモデルはいるのですか?

「とくにはいませんが、佐伯というのは、黒部や立山では、よく聞く名です。平ノ小屋の主人などは有名ですね。小説に出した貞観寺ガイドというのも、黒部付近で山を案内していた、芦峅寺という土地のガイドさんたちがモデルです。山岳警備隊も、とくに○○県警とは書きませんでしたが、詳しい人ならおわかりでしょうが、あれは富山県警山岳警備隊です。一度、取材の電話を入れたのですが、“(自分たちのことを)あれこれ、あまり書かんでください”といわれてしまいました。僕の小説の前に、同じ山岳警備隊を登場させた人気漫画があって、ひょっとすると、それで有名になっちゃったのかもしれませんね(笑)。ですから、山岳救助に関する取材は、他の方面でしました」

 

 Q)ユニークな登場人物が多いようですが?

「山が舞台とはいえ、山岳警備隊というグループの集団劇のような要素があったものですから、とくに、彼らには、強烈な個性を与えようと考えました。とくに隊長の秋永は、最初、パッとしなかったのですが、あるとき、新聞に俳優の麿赤児さんの顔写真が載っていまして、あのスキンヘッドと、子供が泣き出しそうな顔(失礼)を見て、これだと思いました(笑)。隊員には、飲兵衛ばかりがそろっているような印象がありますが、実際、山の救助をやる人には、酒豪が多いですね」

 

 Q)風速四十五メートルという台風に襲われた山の臨場感は、どうやって?

「実際、台風のさなかに登山しました。――というのは、嘘です(笑)。僕の家は、南アルプスの麓にあって、正面には、八ヶ岳の峰のひとつである、権現岳があります。先日、そこに登ってきましたが、こういう高山が、超大型の台風に襲われたらどうなるだろうかと、あれこれ考えながら歩いてました。雨量がはげしいときの登山道は、増水した沢と変わらないんだろうとか、横殴りの強風の中では、日頃つらいザックの重さが、むしろありがたく思えるだろうな、とか」

 

 Q)コメディアンにして、日本冒険小説協会会長の内藤陳さんが、〈狼叫〉にひきつづき、帯の推薦文を書いていますね。たとえば、田部井淳子さんとか、名だたる登山家のかたなどに依頼したりはしなかったのですか?

「山岳小説という、限定された枠の中に、この小説をはめ込みたくなかったんです。たとえば、山の専門用語など、文中には散見しますが、注釈なしに山をやらない読者の人々にもわかるように、というか、どういうものかという想像ぐらいはつくように、気をつけて、うまく書いたつもりです。山岳用語集みたいなものをつけると、それだけで“山の話”という印象が強くなって、敬遠する人もいると思ったものですから。だから、これは、たまたま山が舞台になった、冒険小説として読んでください。そういった意味で、内藤陳さんは適役だと思いました。それに、小説を書いているとき、なんとなく、陳さんが読んだら、きっと気に入ってくれるだろうなという思いが頭に浮かんだりもしたんです」

 

 Q)山岳遭難救助について、特に念入りに取材されたようですが、印象に残ったことは?

「あまりにすさまじくて、小説にも書けなかったものもありますが、ご飯が喉を通らなくなるのでやめておきましょう(笑)。ともかく、山で死ぬというのは、凄絶なものだと、いやというほど知りました。また、救助する側の人たちの苦労も、並大抵のものではありませんね。いまは、ヘリによる救助活動が主体になってきていますが、それでも天候が悪いとヘリは出ませんし、そんなときは、徒歩で現場まで行き、捜索をし、場合によっては遺体を運んでもどらなければならない。それも、見も知らない人の、無惨な遺体をです。そういったことを仕事になさっている人々の行動力と誇りに敬意を払います」

 

 Q)ヘリのメインローターで、邪魔な木の枝を刈り払って降下するというシーンは、読者をおどろかせるでしょうが、あまりにも常軌を逸してますね?

「信じられないでしょうが、本当のことです。そういう、無茶な操縦をするヘリに乗ったという人の話を聞いたので、これはいけると、早速、ネタにしました(笑)」

 

 Q)『小説推理』に連載していた「スプルースの昏い森(2001年4月、単行本発売予定)」も、八ヶ岳の南麓が舞台で、クライマックスには雪山踏破シーンがありますが、これからは、山の話に力を入れるのですか?

「というか、山を含めた自然すべてをテーマにした小説が増えていくと思います。〈酔いどれ犬〉のような、都会を舞台にしたものも書きますが、豊かな自然に恵まれた土地が、これから僕の小説の舞台の主流になっていくでしょう。たとえば、スティーヴン・キングはメイン州に居をかまえて、そこを舞台にした作品を多く発表していますが、ああいった感じです。日本の作家でいうと、獏さんや甲州さんじゃなく、稲見一良さんに近いものになるかもしれません」

 

 では、そういうナチュラリズムの魅力に満ちた次回作にも期待しています。ありがとうございました。

 

読者からの感想


どうもここのところ……本にしても映像にしても、
冷めたところからつまらない視点で観てしまいがちでした。
フィクションに限らずノンフィクションであっても、
作りものとしてのあら捜しばかりしてしまっていたきらいがあります。
現実社会の変化があまりにめまぐるしく、
かつドラマチックなことの影響もあるのかもしれません。
ところが、夜、ふっと読み始めたら、途中で眠ることも許されず、
結局、一気に読み進まされてしまいました。

朝方、読み終わったときには、
活字だけでこうした世界を構築してしまう著者に
嫉妬のようなものを感じたほどです。

 

わたなべあきひこ(半自給自営業者)

 

               *

 

 日本に数多く存在する樋口明雄マニアとして、今まで某ルパン以外はすべて
読ませていただいておりますが、少なくとも今回の『狼は瞑らない』は樋口明雄氏
の代表作に間違いありません。山の風景や、息詰まる攻防はもちろんのこと、
登場人物達の持つ優しさが全編に漂っている。
……それは幻となった某学園ガンアクション小説や爆風警察のシリーズにも
現れている樋口明雄氏の作品らしさと言えるのではないでしょうか。

 ですが、『狼は瞑らない』はその樋口節は健在ながらも、どこか今までとは違った
意味でのリアリティーが色濃く出ていますよね! やはり日頃から山を眺め、
機会がある度に山行を繰り返す生活が物を言っているのでしょうね。
少なくとも本作は、山岳アクションという分野でも、文句無しの代表作と
なることでしょう。

 なーんてべた褒めしてますが、本当に面白かったんですよ。ただ……また樋口さんの
背中が遠くなってしまったなぁと、一抹の寂しさも感じております。もっとも、
不肖の弟子を自称している自分としては、偉大なる師匠がより偉大になって行くのは
喜ぶべき事。ですから、今日も会う人に言うのでしょう。

『腰が抜けるようなすごい作品があるんですよ!』

 

 梅田賢太郎(作家)

 

            

                *
 
冒頭から読者を牽引する力がある。伏線の張り方も上首尾だ。
これぞ、男の魂の激突。主人公の父に対する思慕は熱く、思いは哀しく切ない。
内容まで語る必要はないだろう。すわ一読あるのみ。
一言で言うなら、この小説は、これまでの山岳小説に一本のハーケンを打ち込んだ!
稲葉稔絶賛の必読の書でありますぞ。
稲葉稔(小説家)
 
                *
 
読後感は爽快の一言です。
自分の欲求の為に簡単に他人を傷つけたり殺したりする人間が増えている今、
命の重さに差など無い事を強く呼び掛ける作品でもあると思います。
園川恭代(会社員) 

                *




本を読むに当たって、最初に紹介されている地図の位置関係を
幾度となく確認しました。臨場感をもたせるためです。
もちろん帝国書院の中学校で使ったようなアバウトなものから
かなり細かな記述がある本格的な地図帳まで調べたものです。
黒石連峰はどの辺、九頭竜尾根はどう繋がっているのか、
はたまた烏帽子峠はどうしたら行けるのか等々興味津々、自分が
当事者、主人公になったつもりで何度も地図帳に当たったものです。
もちろんいずれの場所も探し出すことは出来ませんでした。
読み進むにつれて、場所はどことの疑念は深まって参りました。
さすが、アウトドア作家、細かな部分までこだわっている、一般の
あまり山に関わらない者にとって知る由もない場所を選び出し、
そのディテールに及ぶ舞台設定は大したもの、また、そんな場所にまで
足を運んで調べ上げた作家根性は見上げたものと感心した次第です。
作者から、あれは架空の場所ですよ、と教えられるまでは。

その時、少し拍子抜けしましたが、一方でバーチャルな空間を
作り上げてしまう、その構想力には正直、舌を巻きました。

ただ、やはり舞台が架空であったことは少し残念。もし、実際のアルプス
を舞台にしていたら更に迫力を増したのではないかと思うからです。
過酷な自然とハードボイルドな筋立てで、どうしょうにも他に手だてが
なかったかもしれませんが、実際の場所を使った方が読者のイメージ
も膨らんだと思えてなりません。

それに、「掃除屋」についても若干違和感あり。殺人行動が乱暴過ぎます。

あれでは暗殺とはいえません。それに、いくら、時の最高権力者が焦って
いても足がつくような命令を下すでしょうか。
正体が最後まで分からなく進行した方がさらに不気味さを増したでしょう。

しかし、寡黙で国家権力の裏側を知り尽くしている主人公、佐伯鷹志は魅力
的なキャラクターです。宗光との決着はついていませんし、失脚あるいは事
件も明るみになっておりません。続編を期待しております。

 

                            望月秀敬(編集者)

 
 
 

 

山岳警備隊のヘリ
このアグスタK2は、
専門のウエブサイトもあるぐらい、
すごい救助ヘリなのです。
かっこいい!

Tsurugisawa Photo Gallery
写真提供は、落合夏水さんより。THANKS!
Copyright Natsumi Ochiai
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/ochiai/

 

 

ISBN4-89456905-1
四六判ハードカバー 全448頁
\2,100
2000/11/24発売

できれば、大型書店にて、お買い求め戴くか、もしくは、お近くの書店やインターネットのブックウェブ等でご注文してください。
または、下記の角川春樹事務所サイトにて。

http://www.kadokawaharuki.co.jp/index.html


 

 

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