よっぱらい親父の独り言 2002年11月  つまらなかったら 直前へ  topへ
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11/27 「おとうさん、車のゴミかご、こんなじゃ、どう?」
    古女房のタヌキが笑ってかごを見せる。
    タヌキは親父のことを「おとうさん」と呼ぶ。
    もう子どもも独立して家にいないのだから、「○○さん」なんて名前を呼んでもいいのだが・・・。
    もっとも、親父はタヌキのことを「おばさん」と呼んでいるから、人のことは言えない。

    どうして笑ってかごを渡すのかと問うと「座りのいいかごがほしいと言っていたから」と言う。
    確かに、車が曲がった時に倒れないように、座りのいいものを頼んでおいたのだった。
    「背が小さくて重心が低い−−−おとうさんを見るようで可笑しいんですよ。」
    あんただけには言われたくなかった。

    「ところで、おとうさん、明日から伊香保に出張でしたよね。」
    「そうだよ。」と言う。
    「おとうさん、子ども3人だけなんでしょう?」
    「なんだい、藪から棒に・・・」
    「伊香保に、おとうさんの子がいるのかと思って・・・」
    ひゃあ〜、そ、そんなことを思っていたのか。

    あわてて鞄の中から仕事であることを証明する書類を出そうとしたが、見あたらい!
    「ホ、ホントに仕事なんだよ〜〜(汗)」

11/26 朝、親父が仕事に行こうとしていた時、病気をして以来、無職となったタヌキがぼそっと言った。
    「今日は濡れ落ち葉、掃除しなくちゃ〜。なかなかはがれないから、大変だけど・・・。」
    そういうことは、黙って実行するものなのだ。
    親父に、濡れ落ち葉は禁句。しかも、明るい気持ちで出かける時に言うべきではないのだ。
    「どうして黙っているの?わたし、気になることを言った?」
    わざとらしくて、かわいくない!

11/24 今秋3度目の信州
    ♪花も嵐も踏み越えて 行くが男の生きる道♪
    別所温泉と前回行けなかった塩田平の前山寺に行く。
    この辺りは、信州の鎌倉と言われる所。気持ちも穏やかに参拝する。
    ただし安いリンゴに心が騒ぐ。1個50円。当然getした。
別所温泉愛染かつら 別所北向観音 上田前山寺大ケヤキ 上田前山寺三重の塔

11/19 先日、信州のお土産屋でトイレを借りた。
    観光地といってもそんな有名な所ではなく、お客さんも多くない。

    そして、そこはまだ水洗式ではなかった。
    便器にまたがって前を見る。落書きがあった。「右を見ろ!」
    右の壁を見ると「左を見ろ!」
    左の扉に書いてあった。「きょろきょろするな 、落ち着いて力を入れろ!」
    親切なのかバカにしているのか。しかし、親父は笑ってしまった。

    あるドライブインの男子用トイレに、「一歩前に」と張り紙がしてあった。
    店の親父が掃除のたびに困っている姿が見えるようだ。
    こういう場合、素直にしたがうことにしている。

11/17 今年も、しし座流星群が見えるという。
    19日がピークだそうだ。新聞によると1時間に50個も見えるとある。

    10年ほど前、子どもたちが我が家から学校に通っていた頃のことだ。
    「流星を見に行くぞ」と子どもたちを起こして車に押し込めた。
    深夜であるが、市街地からの視界は悪い。車で10分ほどの所にある野原に行った。
    「消えるまでに願い事をするんだぞ」
    しかし、思ったよりも流れ星は見えず、寒さに震える寝起きの子どもたちからひんしゅくを買った。
    おまけに、帰り道に大石に車をぶつけてしまった。

    数年前、深夜に酔っ払って帰宅した親父は、ベランダに布団を敷いて空を見ていたと言う。
    アルコール性の意識障害の中で、その日が流星の見える最良の日であることを忘れなかったらしい。
    タヌキは、あきれて物が言えなかったと、翌朝言っていた。

    昨年は茶の間のこたつをできるだけ南側に寄せ、障子を開け放して寝ころんで見た。
    まだ家にいた上の息子も一緒だった。

    今年は、どう見物しようかと考え中。
    願い事も考え中。<家内安全、娘の良縁、くじの当選、タヌキの機嫌・・・>

11/16 「K市の△△ですが、○○君ですか?」
    女性の弾んだ声が受話器の向こうから飛び出してきた。
    K市とは、ここから30キロほど離れたところにある織物の町だ。

    親父は高校時代、新聞部に籍を置いていた。
    社会派を標榜し、世の中の諸悪を暴こうと意気込んでいた頃のことだ。
    県内の高校とは交流があり、K市の△△さんとはそういう繋がりなのだ。

    「あの頃の人たちで、今のことや昔のことを語り合うんだけど、来ない?」
    弾んだ声から、彼女が今、生き甲斐を持って仕事をしていることがわかった。
    40年近く前の、あの大きくて丸い、つやつやした顔が思い浮かんでくる。

    「ああ、△△さんですか。元気そうですね。」
    熱く議論をした日もあった。
    1級年上の彼女、もうおばさんになっているだろう。

11/13 今朝暗いうちに起きて、出張先の長野県丸子町に行く。
    雪が降っているかと心配だったが、晴天でよかった。
    ただし、標高が高いせいか思った通り寒い。下着の重ね着は正解だった。

    早々に仕事を済ませて、初冬の散策をする。
    塩田平に下りていく山道から見た風景は、日本画にしたい絶景だった。
    中禅寺は、山を下りたところにある鎌倉時代の古刹。一面の落ち葉が印象的だ。
    小諸に足を伸ばす。千曲川畔の古城の紅葉はまだ深紅の葉を落とさずにあった。

    日帰りの旅は忙しい。おまけに温泉にも入らず、酒も飲めないのだ。

塩田平への山中 中禅寺の落ち葉 小諸城趾の紅葉

11/12 もう20代の半ばも過ぎ、四捨五入すると30歳の娘が帰ってきた。

    中学校時代の友人の結婚式に出るのだという。
    また来月にも友人の結婚式があり、出席するという。
    近所の同級生は既に結婚していて、近く二人目の子どもが生まれるという。
    我が約30歳の娘は結婚は余り考えていないらしい。
    金一封を包んでは、結婚式に出てばかり。「今月も来月も寿貧乏だ〜。」と言っている。

    結婚しようがどうしようが、娘任せ。
    しかし、結婚するのも心配、しないのも心配。
    孫はかわいいと言うが、そういう日は来るだろうか。

11/9 あるスナックのママに「いつもキレイだね」と言うと、「そんなことありませんよ」と謙遜する。
    しかし、親父の観察によると相当の美人なのだ。
    別の店のママに「いつもキレイだね」と言った。「そんなことありません」と首を振った。
    ここのママは正直だ。

    家の帰って、タヌキに「いつもキレイだね」と言ってみた。
    「バカ!よっぱらい親父、早く寝ろ!」

11/7 旅に出て、名匠の作というこけし人形や陶器を見かける。
    それはそれなりに味があり、手に入れたくもなる。
    しかし、雑然として置き場のない私邸内のことを考えると二の足を踏む。
    それに何しろ財布の塩梅が問題だ。

    親父は、最近、植物に目を奪われることが多くなった。
    おびただしい種類の植物は、それぞれに個性と美しさを持っている。
    その辺の原っぱに咲く小さな花を接写レンズで覗く。
    おそらく数万年かけて出来上がった無駄のない固有の姿が見える。
    そんな小さなものでなくても、庭の木の葉、花、・・・。
    その完成された繊細な形や微妙な色をどの名匠が再現できるというのか。

    友人に戴いたり買い求めたりして、猫額の我が家の庭も植物園となってきた。
    朝の出勤の時、庭で少し立ち止まり季節の花を眺めることが好きだ。
    何しろ安上がりなのがいい。

11/4 文化の日から今日にかけて、紅葉の水上温泉に行ってきた。
    今回はプライベートの小旅行なのだが、残念なことに古女房のタヌキと一緒。
    「今頃、紅葉はどの辺がいいでしょうね。」催促する時のタヌキは、声のトーンが高い。
    しかも、「ネットで遊んでいる暇があるなら、調べなさいよ。」と、うるさく迫る。
    ちょうど病後の回復と退院祝いを兼ねて、タヌキをどこかへ連れて行こうと思っていたところだったのだ。

    水上温泉は、我が町から高速で2時間の距離にある。
    しかし、夕方までに着けばよいので一般道路を走る。

    途中、宮城村のフラワーパークと赤城村の産直の店に寄る。
    フラワーパークは、シーズンオフとは言え秋の花でいっぱいだった。
    一面のパンジーは見事。サザンカもいろいろあったが、赤の野生種の凛とした花の姿がいい。
    産直の野菜は安くて安全。タヌキの足ほどのダイコンが80円。その他、買い込む。

    赤城山は秋色に染まってきてはいるが未完成。
    水上に近づくに連れ、山々が段通の模様になってきた。

    夕方、水上の温泉街を歩く。
    不景気のせいか泊まり客は多くなさそうだ。どの土産屋も閑散としている。
    お客のいない土産屋は入りにくいが、思い切って入る。
    すると、不思議に後から数組のお客が入ってくる。
    そんなことが数件続いた。我々は店にとっては福の神。

    昔ながらの遊技場があり、射的に興じる親子も楽しそうだ。
    我々はスマートボールをした。1回200円なり。
    親父の台は直ぐに終わったが、タヌキの方は面白いように出る。
    女学生のように喜ぶタヌキだが、やはりよく見るとおばさんだ。
    賞品をゲットして旅館へ戻った。

    ここの泉質は硫酸塩泉。透明無臭で、先週行った赤倉温泉と同じ。
    病後の回復によいという。しかも美人の湯ときているからタヌキも長湯をしているはずだ。
    親父は風邪引き解消と日々のアルコールを抜くため、少々ゆっくりしてしまった。
    鍵を持っている親父が、部屋のある階でエレベーターを降りるとタヌキがいた。
    「遅いぞ、親父!」
    今まで機嫌のよかったタヌキが、仁王になって立っていた。

    水上温泉で旅館の仲居さんが言う。
    「今がちょうど紅葉の見所ですよ、湯桧曽辺りは最高です。」
    そこで、二日目は谷川岳の方に行くことにする。

    左右の山々が標高ごとに燃えていく。大穴で駐車場を見つけたので、ここで写真を撮る。
    公衆トイレに入ると、女性が読んではならない哲学書が置いてあった。
    持ち帰ろうと思ったが、タヌキが一緒なのであきらめた。

    湯桧曽温泉の辺りに来ると、空からみぞれが降りてきた。寒い。
    2、3枚の写真を撮るのがやっと。降る雪がうまく写っているかどうかは不明。
    谷川岳ロープウェイの駅から一の倉沢付近まで行く。
    雪が降っている。紅葉と雪の白のコントラストがキレイだった。

    帰途はまた赤城を通り、そばの名店で行列に加わって遅い昼食を食べた。
    運転を代わってほしいが、そういう時、タヌキは直ぐ寝たふりをする。
    「寝ているのか?」と訊くと「はい」と言うが、絶対にタヌキ寝入りなのだ。

匂い桜 山茶花 紅葉の諏訪狭
湯桧曽付近 紅葉と雪1 紅葉と雪2

11/2 また風邪を引いてしまった。急な寒さに身体が順応しなくなってきているようだ。
    咳とクシャミが頻繁で、腹筋の運動になる。
    これがダイエットにつながるのなら好都合だが、疲れて痛い。
    昨夜は宴会だった。風邪のアルコール療法を試みた。
    結果は、二日酔いと風邪の症状が重なって、今日一日寝床と仲良くしていた。

    酔って帰った昨夜は、寝言とイビキと歯ぎしりで、古女房のタヌキを困らせたらしい。
    「せつ子、せつ子って呼んでたが、誰なの?どういう関係?」
    今朝になって、親父を責める。

    実は、一昨年、仲間と温泉に行った時、ある人が言ったことを思い出した。
    「昨夜は親父の寝言で、眠れなかったぞ。せつ子って名前を言っていたが誰なんだ。」
    寝言の記憶もなく、せつ子という名前にも覚えがない。
    「違う人の寝言じゃないの。」と言っておいた。
    因みに、この同室のY氏のイビキはものすごい。ガマガエル・・・。

    ともあれ、せつ子とは誰だろうか。
    初恋の人から順番に名前を思い出してみるが、そういう名前は見当たらない。
    飲み屋の女性の名前にも該当者がいない。
    寝言で「きれいな人には『キレイだ』と言った方がいいよ。」とお説教をしていたと言う。
    ますます謎だ。

11/1 つい最近まで暑い日が続いていたと思っていた。
    でも、もう11月。朝晩が寒いし日暮れも早い。
    ぼやぼやしていると、こんな調子で無駄に時間を使ってしまう。
    どう考えても既に人生の半分は終わってしまった。
    残りの半生を楽しく生きるため時間をどう使うか、それが問題だ。