7月17日(火)

 朝は B の周辺を散策。海岸線が本当にきれいである。
 アイルランドといえば緑の大地と断崖のイメージが強いかもしれないけど、この周囲の海岸線はそれらに優るとも劣らずきれいである。

 今夜、DL という街で S 達のライブがある。そのために移動。

 DLから北へ移動したところに G という街がある。ドニゴールに来る度に世話になっている方がその街に住んでおり、昼間訪問。
 相変わらずであった。ここにくるとほっとする。
 もっと英語が話せたらもっとほっとできるはずなのに。英語力のなさが悲しい。いくら「言葉なんて」といっても、現実はそうはいかない。「言葉」なしでやっていける人は本当に強い人だと思う。

 ディナーまでも御馳走になってしまい、彼の家をあとにする。

 再び DL へ。

 8時過ぎ。外はまだ明るい。ライブが始まる。一昨日のセッションの3人がステージに立っていた。
 ライブで  S のフィドルを聴くのは初めてだった。不思議な感じがした。相変わらずの時差ぼけでまともな判断が不能に近かった。
 次に登場したのがスコットランドの若い双児の姉妹のグループ。フィドルとギターの組み合わせ。新鮮な感じはあったが何かも足りない。しゃべりがやたら長かったのが印象的。ギターがジャズっぽいコード進行だった。ジャズっぽいのはよー分からんので、あーゆーのを弾かれると悔しいやらむかつくやら。いやあーゆーのは絶対なんかパターンがあるねん。びびらんでもええ。ワシはワンノートで十分や。とかいろいろ。まあどうひっくり返っても負け惜しみしかならんからこの辺でおしまい。

 終演後、近くのパブでセッション。それなりに盛り上がる。前出の大御所、F 氏も顔を見せていた。

 F 氏がフィドルを手にした。目の前には孫の K 君。F氏がフィドルを弾く。それに続けて K 君がフィドルを弾く。
 確実に何かが伝承された瞬間。彼らの間ではあたりまえのことなはず。しかし、何か心をうつものがあり。

 僕が受け継いだものはいったいなんなんだろう。

 だんだんセッションがばらけてくる。例のスコットランドの姉妹が、今日のライブのイベンターっぽい人に連れられて帰ってゆく。その姿が何か悲しかった。中途半端な音楽業界の渦に中途半端に巻き込まれていく彼女達の姿が見えたようなきがした。
 


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