長引く 咳

美唄市医師会・花田 太郎

咳の患者さんが増えています。私は20年弱、呼吸器内科を生業としていますが、長引く咳を訴え、実際に 何らかの病気が見つかる患者さんが年々多くなってきています。今回は長引く咳でどのような病気が考え られるか記したいと思います。
@肺がん・肺結核
ご存知のように日本の肺がん患者の数は増加の一途をたどり、現在日本人男性のガン死のトップです。また、 過去の病気と思われている肺結核も1997年頃から患者数が上昇傾向です。いずれの病気も長引く咳が主症状 のことが多く、血痰を伴うこともあります。咳、特に血痰を伴う場合は胸部レントゲン写真、CT、痰の検査 が有効です。
A気管支喘息
子供にアトピー性皮膚炎や喘息が増えているのと同様、成人も喘息患者が増えています。「夜間、床に就いた 後や気温の変化で、ゼイゼイ、ヒューヒューする」というような症状だと診断は容易なのですが、近年喘鳴 (ゼイゼイ)の無い空咳の喘息患者が増えています。咳喘息、アトピー喘息という病気で(厳密には両者は 違う病気ですが)放っておくと3割くらいの患者がゼイゼイする喘息に移行すると言われています。いずれも 呼吸機能の検査(肺活量など)、採血によるアレルギーの検査、痰の中のアレルギー成分を調べることが診断に 有効です。治療は吸入ステロイド剤、気管支拡張剤にて改善する例が多いです。
B肺気腫
長引く咳や痰、息切れが主症状で喘息のような喘鳴を伴います。喫煙によって肺が壊れる疾患で、残念ながら 壊れた肺は元には戻りません。ヘビースモーカーでこのような症状が出たら要注意です。初期の肺気腫はレントゲン 写真には写らず、CT検査が不可欠です。根本的な治療はありませんが、気管支拡張剤、吸入剤で症状の改善が 期待出来ます。以上のように「長引く咳」は大きな病気のサインであることも多く、注意が必要です。あまり躊躇せず に病院を受診してください。
(筆者紹介/花田病院医師)