新型コロナウイルスの
正しい理解のために【続編】
(大切なお知らせです。最後までご覧ください。)

当ホームページに「新型コロナウイルス感染症」に関する初めの記事を掲載して数週間になります。この間、緊急事態宣言が全国に発令される事態となりました。
本稿では、その後新たにわかってきた新型コロナウイルスに関する知見や、更新された対処法や対策についての情報をお伝えしようと思います。
(1)わかってきたこと、そして新たな対策
本症の感染者数が世界一多い米国では、ニューヨーク州でこのウイルスに対する抗体を持っている人がどのくらいかという調査の結果が報告されました。
調査した人の約14%にこのウイルスに対する抗体がありました。抗体があるとこの病気にはもう罹らないかどうかは未確認ですが、少なくともこのウイルスに罹患した経験がある、ということが示されると思います。
この14%という数字は、実際の新型コロナウイルス感染症の患者さんの割合の10倍以上に当たります。以前、感染経路が不明な患者さんが多く見つかったことから、北海道でも、症状のない感染者が実際に確認された患者さんの10倍くらいはいるのでは、と推測する方もおられました。
では、美唄市において無症候性の(症状が出ない)感染者がいる可能性は高いのでしょうか? 美唄市では4月以降の患者発生報告はありません。新型コロナウイルス感染症では、高齢者を中心に約20%の感染者が重症化するとされています。
本感染症が重症化した肺炎が見逃されている可能性は低いと思われ、高齢化率が40%を超える美唄市において発症報告がないということは、無症候性の感染者が潜伏しているのではないかと必要以上に怯(おび)える必要はないのではないでしょうか。 東京都や札幌市のような都市部と美唄市のような地方とでは、事情が明らかに異なっているものと思われます。
しかしながら、もしそうだとしても決して気を緩めることはできません。私たちが新型コロナウイルス感染症に罹患しない、または感染を広めないために、しばらく継続して心がけるべきこととして、

1)マスクの着用、咳エチケットの励行、石鹸を使い丁寧に手洗いを継続して行うこと
2)これまで通り3つの密を避けること
3)鈴木北海道知事が5月6日の臨時記者会見で述べた通り、突出して感染者が多い札幌市へは行かないこと
4)もし止むを得ず札幌市に行った場合には、自分が症状が出ない感染者となったかもしれないと考えて、2週間は家族を含めた「人」との密接な接触を極力避けること
5)札幌市に出入りした人と接触するときは、2m以上の距離を置くこと
(もちろん差別はあってはなりません)
6)せき、発熱などの風邪症状がある、だるさや息苦しさがある、においや味覚に異常を感じるなどの症状がでた場合には、保健所などの相談窓口か、かかりつけ医に電話で相談をすること

などの対策が挙げられます。
これまでは、患者さんから他の人への感染は、症状が出現した後と思われていましたが、海外からの報告で、実際は症状が出現する2〜3日前から感染していることもわかってきました。 症状が出る、0.7日前に最も感染力が高いと考えられています。
これまでは、患者さんとの「濃厚接触者」は、症状が出た後に接触した人々でしたが、現在は症状出現の2日前以降として検査されるようになりました。
無症状や、軽症の患者さんが多数いらっしゃる一方、重症化する患者さんでは、発症から7〜10日経過して、急激に症状が悪化する傾向があることも知られてきました。
こうした重症化する患者さんを早期に見つけて、治療することが重要になっています。
一方、新たに対策として変更があったこととしては、これまで感染が確認された人は「指定医療機関」への入院が定められていましたが、無症状や軽症の方は原則宿泊施設での観察に改められました。 このことで、「指定医療機関」の病院で、患者さんの入院ベッドが不足する事態の改善には一歩前進がありました。
(2)あらためて、PCR検査について
軽症や、無症状の患者さんを宿泊施設に収容することが出来るようになり、前回書いたPCR検査の困難さの一つは解消に向えそうです。
患者さんを早期に発見して、感染を抑制し、重症化する患者さんをしっかり治療する体制を作っていくために、PCR検査は広く実施する必要があります。
ただ、PCR検査を一般病院やクリニックで実施することは、その施設のスタッフへの感染の危険や、他の一般患者さんへの感染のリスクがどうしても避けらず、 現時点では困難です。やはり、東京や大阪などで試みが始まったように、PCR検査センターやドライブスルー方式の検査所の設置が急がれると思います。 自分が感染しているかどうか確かめたい、安心したい、と思う方がいらっしゃるのも自然なことと思います。
しかしながら、これから検査体制が拡充したとしても、無症状の多くの方の検査を引き受けられる状況にはまだなりません。 疑わしい症状のある方や、患者さんとの濃厚接触者の方を優先して検査を行うことが医療資源を守るためにも必要です。
(3)新型コロナウイルス感染の中での生活、心の問題
学校の休校期間が長くなり、また在宅勤務なども進んで、家族の日常生活も大きく変ってきました。 外出の自粛で、ストレスも多くなります。気持ちが沈んだり、また他の人への不寛容などが現れてきてしまいます。
私たち医療従事者も、自ら思い当たることがないわけではありません。実際、国の内外で、家庭内暴力や、子供への虐待などの事例が多くなっていると報道されています。
今、家族が一緒にいる時間が増えています。家族のコミュニケーションをどう作ってゆくか、家族の絆をどう強めてゆくか、話し合うよい機会でもあります。
「日本小児科学会」から、「がんばっているみんなへ 大切なおねがい」と「お子様と暮らしている皆様へ」という二つの文書が出ています。 この中に、こうした日々のイライラや不安等への対処が記されています。親子だけでなく、人間関係全般にも参考になると思います。 ここに全文を転載しますので、ご覧ください。
@子どものみなさんへ
Aお子様と暮らしている皆様へ
(4)おわりに
新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、いわれのない中傷や差別といった嫌なニュースも見聞きします。 その一方で、最前線で頑張っている指定医療機関の病院スタッフへの励ましや支援の動きなど、人々が助け合い励ましあう姿も多く伝わってきます。 人は、自分の行動が他の人の役に立っている、ということを知ることに喜びを感じるものだと思います。 東日本大震災や胆振東部地震のときにも、私たちはそうした人々の善意を見てきました。私たちは、これからもともに助け合い、励ましあってこの難局を乗り越えていきたいと思います。
私たち美唄市医師会も、市民の皆さまとともに、この感染症に立ち向って参ります。 また、このホームページ上で、皆さまに引き続き情報を発信させて頂きます。

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