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TEA TIME

神の国
2,000.6.01記

驚いた。未だにあんな"たわ言"をいっているなんて。
私は別に思想的な男ではないが、あれには愕然とした。
一体、日本の歴史を真面目(中学校程度の知識で充分なのだが)に勉強したのだろうか。
歴史にそこそこ感心のある方はお分かりだろうと思う。
天皇を神だと称したのは、長い日本の歴史の中で、軍事政権が国民を指導した昭和の一時期にすぎないのだ。

この国を「神の国」というのならこんなにその言葉が似合う国もないだろう
「神の国」ならぬ「神だらけの国」なのだから。

この土地に住む人々は感覚が非常に繊細に出来ていたようだ。
自然のあらゆるところに神を見出した。
ある意味でのシャーマニズムが長い間息づいていたのかもしれない。
大木や大岩にしめ縄をはり、山や海の生き物を神の使いにし、朝日に向かって手を合わせた。
侘び寂びの世界では路傍の石まで心を持っている。
人が死ねばみんな神になる。ちょっと権力を持っていれば大明神や大権現になれる。
ここでは神とはそんなに近い存在なのだ。

奈良や平安の時代、妖怪や霊が夜な夜な都大路を闊歩していたらしい。
恐ろしいから自分のところに来ないように祈る。
その神主の大親分が天皇だと思えば良い。
乱暴な言い方だが、「神の国」だと言うのとレベルは同じぐらいだろう。
いや、こちらの方が少々中身は濃いと思う。

戦国の頃になると公方と天皇がどちらが偉いかも良く分からない大名もいたようだ。
信長さえ、足利義昭を庇護して京に上り
そこで、天皇を担ぎ出した方が良かったと気づき後悔している。
その頃の天皇は今日の食べ物に困り、出産費用もなかったと伝えられている。
神だとしたらよくよく貧乏な神様だ。

神は奇跡を現すものだ。神話は別として歴代天皇のだれが奇跡を現したか。
神仏に祈ってばかりいる神はないだろう。

この国の国体が長続きしているのは祈ってばかりいる天皇が
早々と政治を投げ出したからではないか。
だから貴重な存在になった。
もともと温和な国民性だから不用になったからといって殺したりはしない。
害がないならそのまま貴重なものにしておこう。
象徴天皇は何も敗戦の後の結果ではないのだ。

歴史は事実の積み上げである。その結果を反芻し、未来への指針とすべきものだ。
過去より現在未来とつづかねばならない。
振り返ることは必要だが時代を錯誤してはならない。
歴史を愛する方々には充分ご承知のことだろうが、
良い機会だ、この辺でちょっと反省してみよう。

「神だらけの国」は今日もどこかでお祭りをしているだろう。
平和と繁栄を願って。

富士はこの国の守り神。私はこの山が大好きだ。'00.5.6.十里木にて



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