ギンガムチェック(水色)

TEA TIME

わっしょいわっしょい
2110.6.16記

「まつり」と聞くと妙に心が騒ぐ。別に御輿をかつごうという意図はないのだが。

私の子どもの頃は、今で言うイベントは近所の神社のお祭かデパートの大安売りくらいなものだから、
兎に角、親から離れて大冒険をするのはお祭の場ということになる。

私の小学校時代は戦後も大分たっていたのだが、日本の国は貧しかった。
外貨準備はいつもショートしていて、日本の国にはお金が無いといつもきかされていた。

その頃の写真を見るとぞっとする。よれよれの開襟シャツとみょうにだぶだぶの半ズボン、
北朝鮮もこれほどではないだろうという少年が私なのだから。

子ども達の遊びもそれなりにお金がかからない屋外中心のものだったし、食べ物だってろくなものを食べていない。
今でこそ鯨は高級品だが肉といえば鯨の肉だった。

そんな中でのお祭だ。10円玉数枚を握り締めて仲間と繰り出す。
50円もあれば大金だ。

神社の前の通りに店が並ぶ。私たちには宝の山だ。

何があったかな。まず、おもちゃ。
ブリキ製のボートがあった。これはすごい。ろうそくを薪がわりにするとポンポンとおとをたてて水を噴射して動き出す。
とても小遣いでは買える値段ではないので口を開けてみているだけ。ブリキ製のものはどれも手がでなかった。

セルロイドの船。
ただのセルロイドの板を5角形に船型に切ったものの尻にナフタリンのかけらを置く。
スイスイと走り出す。後に判ったことだが表面張力の応用らしい。

食べ物はすさまじい。
のしいか、飴、せんべい、ジャムと称するもの。どれもこれも色鮮やか。
食すれば口の中も色鮮やかになる代物だ。
当然、防腐剤もフンダンに入っていたのだろう、おかげでお腹をこわすこともなかったが、
今のお母さんがみたら卒倒すること請け合いだ。

当然、端から端まで見て歩く。そう簡単にはお金は使えない。一発必中の掘り出しモノをさがすのだ。

夜になると、店にランプが灯る。あの臭いが懐かしい。
水にカーバイト(生石灰)を入れるとガス(多分水素ガス)が発生する。それに火を付けたもの。
こんな仕掛けなのだが、シュウシュウと音をたてて結構明るく灯っていた。

おまつりは楽しく、冒険できる。そんな言わば(大げさだが)脅迫観念的な感覚が今も私の中に残っている。
いい年をしておまつりの屋台をきょろきょろし、何かないかとつい探してしまう。
豊かさには格段の差はあり、品物は違ってもきっと子供達にはあの頃の私達の宝探しなのだろうな。

5月、お江戸は夏祭りで盛り上がる。神田まつり、三社祭、根津権現に湯島の天神様、
どれも威勢がよくて元気が出る。日本の景気も元気になれ。わっしょいわっしょい・・・




神田まつり・・・日本三大まつりとも天下まつりとも言われる。神輿200基、人出は200万人。さらっとした江戸前の粋がたまらない。




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