URIAH HEEP 1979-1981
URIAH HEEP
『CONQUEST』

メンバー・チェンジ後、'80に初めて発表したユーライア・ヒープのニュー・スピリットがここに!

11/11/21 Updated


URIAH HEEP 『CONQUEST』 (LP, Bronze ILPS , UK) 1980/02/15
ユーライア・ヒープ 『征服者』 (LP, Toshiba EMI WBS-81308, Japan) 1980/03/25

SIDE:A
1. ノー・リターン No Return
(Bolder/Box/Hensley) 5:58
静寂の中から聴こえてくる Ken Hensley のシンセと John Sloman のピアノ。今迄にないパターンの曲でビックリされられる。というのも、実は John Sloman & Gref Dechert が在籍していた PULSAR の楽曲である。しかしながら、このクレジットは...?? John Sloman のヴォーカルに戸惑った人は多かったに違いない。しかしながら、
ビブラスラップでカーンと存在感を示す Ken、徐々に疾走感を増すアレンジには好感が持てる。Mick Box のシャープなギター・ソロも爽快でスカッとしている。

2. イマジネーション Imagination (Hensley) 5:48
まるで Gary Numan のようなイントロから Trevor Bolder のバキバキしたベースが唸る。John Sloman の伸びのあるヴォーカルは気持ちいい。幻想的な曲のアレンジは、ついつい身も心も引き込まれそうだ。

3. フィーリングス Feelings (Hensley) 5:22
UH#8 が"Five Miles Sessions"で録音した曲の UH#9による再録。UH#8のヴァージョンは John Lawton のパワーが目立つアレンジであったが、こちらのヴァージョンはズッシリとして重さと安定感のある演奏が聴ける。Mick Box と Ken Hensley のツイン・ギターの鋭さの上に、John Sloman のカエル声が乗り、みなが楽しく口ずさめるようなコーラスはまさにライヴ向け。しかるに曲のイン&アウトにライヴを想定した疑似歓声を挿入した意図は成功しているといえよう。

4. フールズ Fools (Bolder) 5:02
この曲も UH#8 が"Five Miles Sessions"で録音した曲の UH#9による再録。Mick Box の流れるようなギターが終始唸るバラード。佳曲!!

SIDE:B
1. キャリー・オン Carry On
(Hensley) 3:56
UH#9のシングル第一弾になった曲で本作一のライトアップ・チューン。かつての重さがなく、THE SWEETに通ずるようなハード・ポップ・チューンである。Chris Slade の堅実なドラムも良い。琴のようなボツボツした音は OBXか?

2. ウォント・ハフ・トゥ・ウェイト・トゥー・ロング Won't Have To Wait Too Long (Bolder/Box/Hensley) 4:52
ドライヴ感のあるグルーヴィー・チューン。ライトアップされたアレンジは爽快で清々しい。ライヴでも重宝された曲だが、明らかに過去の HEEPとはかけ離れた曲ではある。実はこの曲も John Sloman が持ち込んだ楽曲である (これも
PULSAR?)が、クレジットに Johnは入れてもらえず... 

3. アウト・オン・ザ・ストリート Out On The Street (Hensley) 5:51
この曲は名曲である。DEEP PURPLE の"Child In Time"と同じような曲構成で、John Sloman がしっとり静かに歌い徐々に演奏も盛り上がっていく。中盤のバンド・インプロヴィゼーションでは Mick Box のギターと Ken Hensley のキーボードとのバトルが繰り広げられ、ヴォルテージが高まったところでまた John Slomanが静かに歌い出す。Gerry Bron がティンパーニ(太鼓)で参加。

4. イット・エイント・イージー It Ain't Easy (Bolder) 5:44
John Sloman の甘いヴォーカルを最大限に聴かせるバラード。アルバム表記に Trevor Bolder がリード・ヴォーカルである旨が記載されているが、これは大きな間違えである。

Produced by Uriah Heep and John Gallen
Executive Producer : Gerry Bron
Recorded at the Roundhouse Recording Studios, London 1979

Member are ; Mick Box (guitars), John Sloman (lead vocals, backing vocals, piano, percussion), Chris Slade (stccato drums, percussion), Trevor Bolder (bass guitar), Ken Hensley (obx, vocoder, organ, piano, guitars, backing vocals)

Timpani on 'Out On The Street' : Gerry Bron

John Sloman Chris Slade を迎えた URIAH HEEP #9 による唯一のアルバム。1979年11〜12月にかけてイギリスの Roundhouce Studio にてレコーディングされた。John Lawtonが在籍していた時の "The Five Miles Session"から、John Sloman 加入までの間に本作の70%は既に出来上がっていた為、John Slomanが在籍していた PULSAR の楽曲クレジットなどを HEEP が買収し ("No Return", "Won't Have To Wait Too Long")、Ken Hensley の "Out On The Street" を最終的に追加して完成した。イギリスでは 1980年2月15日に Bronze Records からリリース。日本では前作同様 東芝EMI からリリースされたが、アメリカではリリースされなかった。アメリカ盤は 『WONDERFUL』 というタイトルで Chrysalis よりリリースされる予定であったのだが...

前作までの John Lawton の力強いヴォーカルと違い、誰もが期待した John Sloman のヴォーカルは、線が細く頼りない印象を与えつつも、John Sloman自身は大変気持ち良さそうに歌っている。Robert Plantっぽいとは大それた前評判で、LONE STARの時は何となく判るが、HEEPではあまり合っていないように思う。「この曲が John Lawton だったら」 と思わせる曲も確かにあるものの、しかしながら John Sloman ならではの歌いっぷりは逆に新鮮で、HEEPとのミスマッチ感もある意味聴いてて楽しめる。まぁ、よほど HEEPに理解ないとダメかもしれないが(笑)。

Ken Hensley はいつもどおりいろいろやっているのだが、前作よりもはるかに Mick Box や Trevor Bolder に依存している部分が楽曲の面からも伺える。John Sloman もギターやキーボードの出来る男なので、HEEPとしては曲に巾を持たせることも出来たであろうが、あまりそれは感じない。むしろ Ken が何となく元気ないような気がするが、希望の光とHEEPのロック界への征服を願望したアルバム・ジャケットとは裏腹に、結果的に本作に伴なうツアーを最後に Ken が脱退してしまったのだから何とも悲しい。まぁ、こういう HEEPもあったよ、ということで聴いてくださいな。


『BRONZE ROCKS』 (Video) 1985
『プロンズ・ロック』 (VHS / LD, Laserdisc SM058-0101, Japan) 1985/08/26

Bronze Records に所属あるアーチストたちのプロモ映像を収録したコンピレーション・ビデオ。

8. キャリー・オン Carry On
11. フィーリングス Feelings

目つきが怪しい John Sloman の歌い方、サッカー少年のようないでたちの Ken Hensley、日本語の書かれたハチマキをして叩く Chris Slade と、異質な感じのする演奏シーンだが、これが UH#9 の姿なのであった。なお、ここでの映像はl両曲ともシングルのヴァージョン (つまり曲が短い) にて収録されている。

※このビデオには他に MORTORHEAD, GIRLSCHOOL, Robin George (THE BYRON BAND のギタリストだった男), BRONZ (GTRに参加する前の Max Beaconが在籍)のプロモ映像が収録されており重宝する。また、HEEPももう1曲 "Stay On Top"のプロモ映像が収録されているが、ここでは割愛。

 


URIAH HEEP 『EASY LIVIN' : A HISTORY OF URIAH HEEP』 (Video) 1985
ユーライア・ヒープ 『安息の日々 ヒストリー・オブ・ユーライア・ヒープ』 (VHS, Victor VTM-103 / BETA, Victor VBM-103 / LD, Laserdisc SM068-3070, Japan) 1986

このビデオには下記のプロモーション・ビデオが収録されている。

10. フィーリングス Feelings

上掲 『BRONZE ROCKS』 にも収録されていたプロモ映像と同じ。演奏シーンのプロモ映像であるがゆえにライヴ映像として紹介されているが、プロモビデオである。

なお、『CONQUEST』 からのプロモ映像は、"Carry On", "Feelings" の他にも、"No Return", "It Ain't Easy", "Won't Have To Wait Too Long", "Fools"があり、「CONQUEST LIVE」 としてTV放送されたこともある。いずれ何らかの形で全てのプロモ映像をDVDで発表して欲しいものだ。

※このビデオには David Byron時代のKBFHライヴ、John Lawton時代のプロモ・ビデオ、Peter Goalby時代のライヴも収録されているが、ここでは割愛。

 

 

 


URIAH HEEP 『CONQUEST』 (CD, Castle ESCMCD570, UK) 1997

1997年夏に Castle Communications より再発された Remastered CD。1997年6月に Mike Brown と Robert M.Corich の手によって Remasteredされた。以下のボートラ5曲が追加収録されている。

Bonus Tracks
9. Been Hurt (originally B-side of "Carry On")
(Hensley) 3:56
UH#8 が"Five Miles Sessions"で録音した曲の UH#9による再録。曲そのものがファニーな曲であるからして、John Sloman のヴォーカルもファニーだ。

10. Love Stealer (originally single A-side) (Wainman/Bolder) 3:28
1976年に HELLO がヒットさせた曲のカヴァー。Ian Lloydもカヴァーしていた。『CONQUEST』ツアーに伴なうちょっとした余暇にレコーディングされ、シングルのA面としてリリースされたが、当時の HEEPは孫の手も借りたい状況だったのか? 他者の曲にも頼りたい思いは、1980年代の2枚のスタジオ・アルパムにも引き継がれていこうとは...

11. Think It Over (originally single A-side) (Sloman/Bolder) 3:33
Ken Hensley が脱退して Greg Dechert が参加した UH#11による曲で、1981年2月にリリース予定だったアルバムからの先行シングルとして発表された。Greg はホンキートンクなピアノを弾き、Mick Box と John Sloman がギターを弾いている。中盤のギター・ソロはなんと John Sloman によるものだ! なお、この曲は 後に Pete Goalbyを迎えた UH#11 により 『ABOMINOG』 の中で再録された。

12. My Joanna Needs Tuning (Inside Out) (originally B-side of "Think It Over") (Sloman/Bolder/Box/Dechert/Slade) 3:02
シングル"Think It Over"のB面に収録された曲。オリジナルはJohn Sloman & Gref Dechertがいた PULSAR の曲。ホンキートンクな Greg Dechert のピアノが引っ掛かり、もはや重いハモンドは聴けないのか? と思ってしまう。しかしながら、軽快なサウンドの中で聴ける Mick Box のギターや 独特のコーラスはやはり HEEP流である。

13. Lying (previously unreleased out-take) (Hensley/Sloman/Bolder/Slade) 4:23
グレードの高い未発表曲。John Sloman節が活かされており、Trtevor Bolder のブリブリ・ベースが心地よい。一応 UH#9による演奏。


URIAH HEEP 『THE BEST OF... PART 2』 (CD, Castle ESCMCD594, UK) 1997

アナログ時代の有名な公式ベスト 『THE BEST OF... 』 の続編として 1997年末の冬にリリースされたCDベスト盤。

9. Carry On (single edit) (Hensley) 2:59
これはシングル・ヴァージョンではなく、アウトロでフェイドアウトするエディット・ヴァージョン。ただそれだけで、なんかつまんない。

10. Feelings (single edit) (Hensley) 3:33
これもシングル・エティット。アウトロでフェイドアウトしているだけだが、オリジナルが 5:22 だったので、まだ上掲の"Carry On"よりはエディットらしいか。しかしまぁ、どうしてシングル・ヴァージョンをそのまま収録してくれないのだろう。

11. Easy Livin' (live '80) (Hensley) 3:25
まさかベスト盤で John Sloman時代のライヴを聴けるとは思わなかった。期待と不安の入り混じる気持ちで聴いてみると、やはり...John Sloman のヴォーカルはヨレヨレだわ、メロディはハチャメチャだわ (笑) こうした音源が聴けるのはマニア的には嬉しいが、ベスト盤でありながらベストなヴォーカルとは言えず、これが HEEPだと思われても困るのがちょっとザンネン。

12. Suicidal Man (live '80) (Box/Byron/Kerslake/Thain) 3:56
これまたJohn Sloman時代のライヴから。ゲロ吐きそうに歌う John Sloman。こちらも聴いているだけで辛い。まさか HEEPの曲を HEEPのヴォーカリストが"冒涜"しようとは... 曲が終わって "See you soon!"と言っているが、もう UH#9 は戻って来れなかった。

※ちなみにこのCDの周辺アイテムとして、PART 1 と一緒になった 『THE BEST OF ... PART 1 & 2』 (2CD, Castle 74321682362) や、DVD-Audio (Silverline 228057-9) もあるが、割愛させていただく。


Single variation from "Conquest" sessions
- UNDER CONSTRUCTION -
更に深みに(笑) → (工事中)


URIAH HEEP 1979-1981

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