URIAH HEEP 1986-1994
URIAH HEEP
『DIFFERENT WORLD』

'91年、結成21周年を迎えた王者、ユーライア・ヒープ。その"新たなる世界"が今始まる!

04/04/09 Updated


URIAH HEEP 『DIFFERENT WORLD』 (LP, Legacy LLP137 , UK) 1991/02
ユーライア・ヒープ 『ディファレント・ワールド』 (CD, Teichiku TECP-25815, Japan) 1991/05/21

1. 勇者の血 Blood On Stone (Bolder) 4:38
アルバム冒頭を飾るに相応しい正統派ファスト・ハード・ロック。"He's just a runaway〜"でメンバーがハモる部分は'70年代のHEEPにはなかったハモり方だ。後半に Mick Box のいぶし銀のギターが炸裂する様は見事というしかない。ちなみに、この曲は元々は "Power An Addiction" というタイトルの曲だった。

2. ザ・ウィンド・プロウ Which Way To The Wild Blow (Bolder) 4:49
AEROSMITH の "Walk This Way"調リフに思わず失笑してしまう。ロックというより踊れるリズム。GRAND PRIX の曲に "Which Way Did The Wind Blow" という Phil Lanzon作の曲があるが、その曲に対する Trevor Bolderからの回答か!?

3. オール・ゴッス・チルドレン All Gods Children (Box/Lanzon) 4:18
けだるく歌う Bernie Shaw。Mick Boxもギターをチャラチャラ弾いている。ゲストで後半のコーラス部を歌う Queen Elizabeth Grant Maintetained Grammer School の子供たちの歌声が印象的である以外は、曲がタンタンと続いているだけのような気がする。

4. オール・フォー・ワン All For One (Bolder) 4:25
こういう曲は好きだ。ある意味ロック・アンセム的な曲で、歌詞にも楽曲にも若々しく青春的なパワーがみなぎる佳曲だ。この曲のタイトルを見るたびに TV 「スクール・ウォーズ」 でラグビーの先生が生徒によく言って聞かせていたセリフを思い出すのは自分だけ?(笑)

5. ディファレント・ワールド Different World (Box/Lanzon) 4:09
新世界への広がりを感じさせるアルバムのテーマ曲。ドラマティックというよりロマンティックな雰囲気。
アコギの音色も聴こえる。

6. ステップ・バイ・ステップ
Step By Step
(Bolder) 4:06
LPではここからがB面。"Blood On Stone"に次いでアップテンポな曲。'90年代流 HEEPのロックン・ロールといったところか。

7. セヴン・デイズ Seven Days (Box/Lanzon) 3:22
Mick Box のギターのリフが "Words In The Distance"のリフになることを感じさせる。ゲストの
Benny Marshall のハーモニカが印象的。

8. ファースト・タッチ First Touch (Lanzon) 3:51
本作の最初の(本当の?)アルバム・テーマ曲。ライヴで Mick Boxが己の胸を叩きながら弾いていた。曲はサッパリ系であるが、勇気や勇敢といったことを感じる曲だ。

9. ワン・オン・ワン One On One (Box/Lanzon) 4:02
曲調的にはごくごく普通のロックであるが、中間部の Mick Box の流れるようなギター・ソロはうっとりしてしまうほどに感動的ですらある!

10. クロス・ザット・ライン Cross That Line (Box/Lanzon) 5:28
"Different World"と対をなすドラマティック・チューン。Bernie Shaw が感情を込めて歌い、メンバーのコーラス・ワークも味わい深い。また、どこか物悲しい曲調がとにかく素晴らしく、Mick Box のワウ・ギターがアウトロで素晴らしいソロを弾いている。このソロは間違いなく Mickのベスト・ソロの1つだ!!

Bonus Track on CD:
11. スタンド・バック Stand Back
(Box/Lanzon) 3:54
コーラスの "Ahh Ahh〜"はまだ HEEPっぽいが、どうも "Stand Back!!"という掛け声の部分がそのへんにわんさか転がっているポップ・ロックと何ら変わらない曲に引き下げてしまっている。残念ながらボートラ以外の何物で゜もない...

Produced by Trevor Bolder
Recorded in London at Fairview Studios, Chapel Studios etc, London (May - Nov 1990)

Member are ; Mick Box (guitars, vocals), Lee Kerslake (drums, vocals), Trevor Bolder (bass, vocals), Phil Lanzon (keyboards, vocals), Bernie Shaw (lead vocals)

Guest musician ; Brett Morgan (Drums), Danny Wood (Accordion), and Benny Marshall (Harmonica)
The 'All God's Children" choir - Queen Elizabeth Grant Maintained Grammer School, Alford, Lincolnshiree
Conductor - Andrew Willoughby
Keyboard Programming on 'One On One', 'Stand Back', 'Seven Days' and 'Closs That Line' - Steve Piggot
Computer Programming - Roy 'twat those toms' Neave

URIAH HEEP #14 の第2弾スタジオ盤。プロデューサーは Trevor Bolder。本当は前作 『RAGING SILENCE』 をプロデュースした Richard Dodd に頼んだが、Richardの予定が付かなかったためメンバーの Trevorがプロデュースも担当することになった。レコーディングは 1990年5月〜11月にかけて ロンドンの Fairview StudiosChapel Studios で少しずつレコーディングされた。

具体的には 1990年5月23日の後 (ドイツ・ツアー後)にスタジオに入りはじめ、ちょっと間をおいて7月12日〜25日に再び レコーディング。7月22日には Queen Elizabeth Grant Maintetained Grammer School の子供たちをスタジオに招いて "All God's Children" のコーラス録りが行なわれた。夏はお馴染みのフェスティバル出演の合間を縫ってレコーディング。1990年7月30日〜31日はギターとヴォーカル録り、8月2日には "All God's Children", "Diiferent World", "All For One"のラフ・ミックスが完成。8月7日〜10日にはギターとキーボード録り。8月15日〜16日はギター録り。ライヴに注力したのは8月28日〜11月15日で、9月15日〜23日には "One On One", "Stand Back", "Seven Days", "Cross That Line" のラフ・ミックスが完成。9月28日には "First Touch" のラフ完成。10月1日〜7日には "Step By Step", "Powers Of Addiction" の歌詞を変更 ("Powers Of Addiction"は曲名も"Blood On Stone"になった)。11月9日には "Which Way Will The Wind Blow" のラフ完成。11月19日から年内一杯にかけてミキシングやアルバム・ジャケットの制作などを行ない、本作は完成された。イギリスでは 1991年2月に Legacy Records からリリース。日本では 1991年5月21日に テイチク からリリースされた。

本作の当初のアルバム・タイトルは 『FIRST TOUCH』 であった。アルバム・ジャケットも 『RETURN TO FANTASY』 や 『FALLEN ANGEL』 のようなお馴染みのエロ路線を彷彿とさせるものである。左手から伸びてくる手が右のパイオツを掴もうとしている、その最初の瞬間 (つまりファースト・タッチ)は、ダイヤモンドのような輝きの如く心トキめくもので、これから起こりゆく未知の世界 (つまりディファレント・ワールド)に超期待〜♪、みたいな感じだろうか (おいおい)

サウンドのほうは、前作 『RAGING SILENCE』 の分厚い産業ロック路線から比べると、いくぶんロックのエッジが薄れているような感じもするが、ガツンと飛ばす "Blood On Stone" から ドラマティックな "Cross That Line" までサウンドの作りようによっては名盤になりうる要素もあったアルバムだ。概して"名盤"と言えないのは、やはり少しカラッとした音処理に問題があると思う。Trevor Bolderのことを悪くはいいたくないが、やはり Trevorはベースに徹していたほうが良い。本作が Richard Dodd によるプロデュース作品だったら、もっと別の感覚を味わえたことだろう。

ゲストには再び Brett Morgan が参加。前作『RAGING SILENCE』 同様、Brett が最初に本作の為に叩き、Lee Kerslake はアルバム完成真近になってから自身のドラム・サウンドを補強録音した。Danny Wood はアコーディオンで参加。DannyについてはHPがあるので参考までに→http://www.dannywood.com/ 驚くべきは Benny Marshal の参加だ!! なんと、Mick Ronson が RONNO や David Bowie & SPIDERS FROM MARS に参加する以前に在籍していたバンド RATS のヴォーカリストだった人物で、 たぶん Trevor Bolder が Benny を呼んだと思われる。Benny は "Seven Days"で印象的なハーモニカを吹いている。 Steve Piggot はキーボード・プログラミングを得意とする男で(John Sinclairみたいな奴だ)、BROTHER BEYOND の 『TRUST』 (John Slomanも参加)や、MIKE & THE MECHANICS, THE LAW, 10CC, Gary Moore, Cliff Richard, Bonnie Tyler, Sheena Easton, Celine Dion, ESCAPE CLUB, Joe Cockerなどのアルバム参加で知られる人物。Roy Neave は TOKYO BLADE, TOY DOLLS, SISTERS OF MERCY, GOOD LITTLE MONKEYS, CHROME MOLLYなどのアルバムでエンジニアやプロデューサーを務めている人物だ。

本作の発表に伴ない2度目の来日公演が実現したわけで、Ken Hensley脱退以降もファンであり続けてくれた長年のHEEPファンにとっては思い出深いアルバムとなったことだろう。


URIAH HEEP 『DIFFERENT WORLD』 (CD, Castle ESCMCD614, UK) 1998

1998年春に Castle Communications より再発された Remastered CD。1997年12月に Mike Brown と Robert M.Corich の手によって Remasteredされた。以下のボートラ4曲が追加収録されているが、『DIFFERENT WORLD』のセッションからの曲は "Stand Back"のみ。

Bonus Tracks:
11. Stand Back
上掲のCDボートラと同じ。

12. Blood Red Roses (1990 re-mix) (Goalby) 3:52
『STILL 'EAVY, STILL PROUD』 の1990年のオリジナル盤に収録されたものと同じ。つまり、1990年2月に新たにリミックスされたヴァージョン。

13. Hold Your Head Up (edited version) (Argent/White) 4:21
7"シングルのヴァージョン。アルバム・ヴァージョンより12秒短い。この曲は歌メロがしつこいのでこのぐらいのランタイムでいい。

14. Rockarama (live alternate version from Moscow concerts)(Goalby/Sinclair/Bolder/Kerslake/Box) 10:03
『LIVE IN MOSCOW』 の Remastered CDにボートラ収録されたテイクとは明らかに違う1987年のモスクワ・ライヴ。イントロの長いドラムの所で Bernie Shaw中心でオーディエンスを盛り上げている。


◇まだある未発表曲

こういう↓曲もあるのに何故1998年の Remastered盤にボートラ収録しなかったのだろう...(オフィシャル・リリースされていないので簡単に紹介)。

1. Wind of Change (Bolder) 4:15
静かにしっとり始まる産業ロック。ちょっと地味目な曲調のためかボツになったのも判る。

2. Power's An Addiction (Bolder) 4;09
"Blood On Stone" の初期ヴァージョン。楽曲の演奏自体は全く同じであるが、ヴォーカルの歌詞や歌メロの載せ方が全く違う。タイトルは"Powers Of Addiction"という説もあり。

他にも "Blaze Of Glory" なる曲もレコーディングされている。


Single variation from "Different World" sessions
- UNDER CONSTRUCTION -
更に深みに(笑) → (工事中)


URIAH HEEP 1986-1994

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