格付け | 天国と地獄 | 143min | |
AA |
’63東宝 | ||
製作:田中友幸、菊島隆三 監督:黒澤明 原作:エド・マクペイン
『キングの身代金』 |
|||
あらすじ» 高台に豪邸を構えている製靴会社のオーナー権藤の子供と間違えられて、お抱え運転手の子供が誘拐される。権藤は悩みに悩んだ末、全財産を投げ出して3千万の身代金を払い、子供を救い出す。警察の捜査が始まり、ひとりの非凡な知能犯である青年が浮かんでくる。その動機とは・・・・・ |
|||
巨匠:黒澤明の大傑作サスペンス映画。前半は犯人から振り回され身代金を渡すまでの攻防、後半は警察が犯人に迫っていくさまを描いており、長時間にもかかわらず全編息つかせぬ展開となっている。特に鉄橋を利用した現金受渡しシーンは有名で、これを模倣した誘拐事件が実際に発生した。また白黒映画にも関わらず、映画のもっともポイントとなるシーンで一箇所着色を施すなど黒澤監督の意気込みが感じられる。このシーンは「踊る大捜査線THE MOVIE」がパロったのは有名だが、「シンドラーのリスト」でも黒澤を敬愛するスピルバーグが少女のコートで引用している。犯人の青年役を演じるのは、当時無名ながら抜擢された山崎努。この映画のラストは三船の後姿の予定だったが、その演技の良さに黒澤がご褒美に山崎のシーンにしたとのこと。巨匠が認めたとおり、その後山崎努は日本を代表する俳優へとなっていく。 |