12月1日(月) 新しいPCを買う(デスクトップ篇)

土曜の夜、PCを使っていたらいきなり電源が落ちた。
プツッと。モニターが真っ暗になる。
どうしたのだろう?と思う。
保存しないまま打ち込んでいた文書がパーになってがっくしする。
というか途中までしか保存されてなくてもいいから、
このファイル、ハードディスクから取り出したい。

一昨年の悪夢がよみがえる。
一昨年は「alert! Chipset heat sink not detected. System halted!」と表示されて、
そこから先、ブートできなかった。Windows立ち上がらず。

とりあえず起動してみる。
「Alert! Previous shutdown due to thermal evnet.
 Alert! Previous fan failure.
 Strike the F1 Key to continue, F2 to run the setup utility」

ファンがいかれたか・・・
今回は先に進めるだけマシ。前回は F1 も F2 も押せなかったように思う。
とりあえず F2 を押してみるが、コンピューターに詳しいわけではないので
「setup utility」の画面を表示させたところで何ができるわけでもなく。
カーソルを上下して Enter を押してあちこち設定を開いてみても何も出てこない。

前の画面に戻って F1 を押してみる。先に進む。Windowsを立ち上げようとする。
「おっ。やったね」と喜んだのも束の間、また、プツッとモニターが真っ暗になった。
何回か繰り返して、状態は変わらず。
ファンに負荷がかかるとその時点でブレーカーのように遮断されるんだろうな。

コード類を外して本体を開けてみる。
そもそものカバーが埃だらけで、ファンの吹き出し口は灰色の埃がびっしりと・・・
確かにこりゃ壊れるよな。触ってみたら火傷しそうなぐらい熱くなっていた。
そういえば途切れる2・3時間前、ファンか何かが異様な音をして回転してて、
それがヒューンと止まっていったんだよな。
で、いつも何かしら音を立てている PC がシーンと静まり返って。
その時はなんか悪い予感がしたんだけど、
そのまま普通に使えてたし、すぐにも忘れてしまった。

埃を掻き出して掃除機で吸引してきれいにする。
カバーを閉じて電源を押したら、Windowsが立ち上がった。
「よし!」とガッツポーズ。一時的なものだったようだ。
Yahoo ! のあれこれとかウイルス対策系のとかソフトが起動していく。
ま、なんともないだろ、とブラウザを開いたら、そこでまたプツッ。
がっかりする。
もうだめだと寝ることにする。
結局、必要なファイルは取得し損ねた。

朝起きて立ち上げてみたら、ファンが冷めていたのか順調にWindowsが立ち上がる。
今度こそ、とファイルを USB メモリへ。
恐る恐るブラウザを立ち上げてみたら動いた。
おっ使える?とネットサーフィンしていたら、そのうちにやはり落ちた。

諦めることにする。買い換えよう。
DELLに修理出したら、前回の経験からして恐らく2万から3万。
しかも修理に引き取りに来るまで、
牛歩のような見積もりのやりとりが続いて2〜3週間かかる。
それぐらいなら新しいの、買った方がいい。
同じ性能のなら、10万もしないだろ。

で、日曜の朝、ヨドバシに行く。
ビデオの編集がしたいとか Office は不要で本体はできる限り小さくとか要望を伝えて
店員とあれこれ話してるうちに、
スペック的と値段から判断する限りでは Acer のミニタワー型がいいということになる。
「今一番売れてますよ」と言われる。
でも、Acer って、ねえ?どうなの?
確か台湾の会社だっけ。
(ああ、僕の中にはいまだ日本以外のアジアに対する偏見がある・・・)
今、Wikipediaで調べてみたら昨年、ゲートウェイを買収して、
世界第3位のコンピューターメーカーとのこと。
実はすごいのか。日本ではブランドがまだ浸透していないだけ?
デザインがいけてないけど、まあ家で1人で使うんだしとこの Acer にする。
小さいので配送不要。持って帰る。
あー日曜がこれのセットアップで終わってしまう・・・

家にPCを置いたのち、またヨドバシカメラに引き返して今度はノートPCを買う。
こちらはもともと予定通りの買い物。
続く。

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追記。元々のPCに Norton の「アンチ・ウイルス」の2006年版を入れていて、
これを年々ネット経由でアップデートさせてきた。

手元にはこの2006年版のメディアのみ。
これってなんらか新しいPCの方に移せないのだろうか?
よく分からず。

5000円ちょっとなので新しく買うかと
最新版の「インターネット・セキュリティ」の方にする。

こういうときって、みな、どうしているのだろう?

12月2日(火) 新しいPCを買う(ノート篇)

日曜はノートPCも買った。
東芝の「NB100」という機種。
http://dynabook.com/pc/catalog/nb/080929nb1/index_j.htm

とにかく小さい。持ち運びに便利かなと。
今回の年末は4年ぶりに青森に帰るつもりで、
だけど編集学校のやりとりとかあれこれ頻繁にネットを使いそうで、
今まで使ってきた非力な10年前のノートでは不便だろうと。
Windows2000で、AirH が 56kbps だったか。化石のようなシロモノ。
先日、ヨドバシに行ったらこの「NB100」が
本体の定価が \59,200 で、イーモバイルに2年契約で入ったらなんと \14,380に値下げ。
破格の安さ。これだったら1台買ってもいいよね。
即決。品切れだったので次回入荷を予約して、連絡があったのが土曜の夜。
さっそく日曜に買いに行く。

まずは昨日書いたデスクトップの購入を済ませて、ノートの方へ。
イーモバイルの契約を行う。
月額基本料が \2,980で、7.2M と昔のADSL並みの速さ。
使わずほったらかしになっていた 56kbps の Willcom はもっと高かった。
時代は進歩するものなんだなあ。
IT業界で働いている僕が言うのもかなりなんだけど。

携帯みたいに開通を待っている間、1度家まで戻る。
デスクトップを部屋の中に押し込んで引き返す。
ヨドバシのカウンターで受け取って、支払いを済ませる。
で、家に帰ってきたんだけど日曜はデスクトップの方にかかりきりで
せっかくのノートPCが全然触れず。次の土日かな。
日曜は出張で大阪行くんだけど、嬉しくて意味もなく持っていきそう。
そんでホテルのベッドに寝そべってニヤニヤ笑いながら使ってそう。

スペックはメモリが1Gでハードディスクが120G
普段メインで使うわけではないので、これで十分。
それにしてもこんな小さなノートのメモリが1Gとは。
10年前なんて大きなデスクトップで128Mですごかったのに。
ハードディスクも3Gとか4Gで大容量だった。
まばたきしている間に10年が経過したような、そんな気分だ。

いわゆるネットブックと呼ばれるタイプ。
世の中の気の利いた人はどっちかだったらスマートフォンを買うんだろうけどね。
でも僕としてはガチャガチャ文章を入力するにはスマートフォンは小さ過ぎるし。

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話変わって。
これまで使ってたデスクトップPCのデータを新しいのに移し変えたいんだけど、
普通、みなさん、どうやってますか?
なんかそういうソフトがあるのかな。

僕は家のPCは全然「いじらない」人なので、
ドキュメントは全て My Documents の中かデスクトップにしか置かないし、
後は個別にインストールしたソフトウェア(これ、ほとんどない)をいくつかと
Outlook Express のメールぐらいか。
(そう、Becky! だとか Thunderbird だとか、メーラーのソフトすら入れてない。
 買ったままの状態からほとんど変えない。壁紙すら変えない)
まとまっているので、どうとでも移せる。

これを、ちまちま外付けハードディスクを経由してやろうとしてんだけど、
世の中的にはもっと気の利いたやり方がありそうな。

あと、不要になったPCの廃棄ってみなどうしてるのだろう?
引き取りとか買い取りの業者に頼む??
ネットで探して電話したら、来てくれるのだろうか?

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さらに話し変わって。

新しいデスクトップを買ったのはいいんだけど、
前のを立ち上げて使ってたら調子よくて全然壊れる気配なし。落ちない。
どういうことなのか。PCってやはり生き物なのか。

12月3日(水) 「終わりの街の終わり」

先週、ケヴィン・ブロックマイヤーというアメリカの若手の作家の
長編小説「終わりの街の終わり」を読んだ。
http://www.amazon.co.jp/dp/4270003286/

テーマは「世界の終わり」
本当に、この世界が終わってしまう。

「世界の終わり」と言うと SF っぽくて
SF界最高の賞の1つ、「ネヴュラ賞」の最終候補にもなってるんだけど、
「普段、SF読まないし」ってんで敬遠されたらもったいない。
(ちなみに、ハヤカワではなくて、講談社ランダムハウスから出ている)

2つの物語が並行して語られる。
「まばたき」と呼ばれる伝染病により、一瞬にして死滅した世界が舞台。

・世界を牛耳る大企業コカコーラの
 広報活動の一環として南極調査隊に送られたローラ・バードは
 アクシデントにより、1人はぐれてしまう。
 物語が始まったばかりの頃の彼女は伝染病を知らない。
 どこかに誰かいないか探すために彼女は1人きり南極大陸を横断する。
 無人の観測基地に辿りついて真相を知ると、
 彼女はたった1つまだ使えるはずの無線機を求めて旅立つ。
 クレバスにはまり、装備を失い、それでも吹雪の中を歩き続ける彼女は・・・

・人間は3種類に分かれる。
 まだ生きている人と、死んだばかりの人々と、完全に死んだ人。
 死んだばかりの人々が集まって暮らしている街がこの世のどこかにある。
 誰か1人でも生きている人たちの記憶に残り続ける限り、
 彼ら・彼女たちはそこで暮らしていける。
 ある日、街から人がどんどん消えていって、一定の人数で減少が止まった。
 どうやら、共通の誰かを介してこれらの人々はそこにとどまっているようだ。

つながりが分かりますよね。
物語がどういう展開を迎えるかも。
1人きり南極大陸に閉じ込められたローラは記憶の中の人たちを数え上げる。
その一方で地上で生きていたときの関係性から離れて、街で新しい生活を始める人たちがいて。
街が消えうせてしまう日が来ることを予感している。
しかし、地上と街に離れて、残された人々にできることは何もない。
街の日々は淡々と続いていく。
それぞれの人の、それぞれのエピソードが静かに語られる。
地上では、世界の果てへと向かうローラの過酷で孤独な旅が続く。

僕の身の回りの人なら知ってるかもしれませんが、
僕は「世界の果て」「世界の終わり」というテーマが大好きで、
直接的にであれ間接的にであれ、それらが描かれたものに出会ってしまったならば、
どうしても読んでしまう。
自分でも書きたくなる。

この世界はどんなふうにして終わっていくのか?
世界の終わりを目の前にして、取り残された人々はいったい何を思うのか?
どういう行動を取るのか?

一番面白かったのは
SF だとグレッグ・ベアの「ブラッド・ミュージック」
純文学だと村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」
漫画だと「ワールド・イズ・マイン」(もしかしたら「AKIRA」もそうなのかも)、
手塚治虫や藤子・F・不二雄の諸作ってことになるんだろうけど、
「終わりの街の終わり」も並ぶね。
そうか、こういう「世界の終わり」があるのか、
こういう描き方が、こういう終わり方があるのかと。

(「世界の終わり」に限った話ではない。
 どんなテーマであれ、人々が生き続けている限り、その歴史が続く限り、
 新しい発見があって、新しい感覚があって、
 掘り尽くされることはありえないのだということ)

恐らく、作家一人一人につき
心の中に思い描く「世界の果て」「世界の終わり」って異なるんだろうな。
終わりは終わりだから共有されることはなくて、それぞれにその世界が終わってしまう。
その、1つ1つが真に迫っている。
なぜって、そこに人は自らの死を投影するからだ。たぶんね。
あるいは、その作家の世界観とその限界を表すもの。

読んでて、
小説を書きたい気持ちになった。

12月4日(木) 無くした靴下の片方

時々、道端で靴下の片方が落ちているのを見かける。
何をどうしたらこういうことになるのだろう?いつも不思議に思う。
この季節、手袋も時々片方だけ落ちている。手袋なら、分かる。
脱いでコートのポケットに入れようとして落としてしまうとか。
靴下の場合は?
道端で脱ぐのだろうか?
外に干した洗濯物が風に煽られて飛ばされたのだろうか?

手袋とかさ、子供用のかわいらしいのが地面に落ちて
泥だらけになっているのを見ると少しばかり胸がキュンと切なくなるよ。
お気に入りの手袋をなくしてしまって、
泣きそうになってる子供のことを、僕は思い浮かべてしまう。

そして、小さな頃に無くしてしまったあれこれのことを思い出す。
図書館から借りてきた本を持ち運ぶ、手提げの袋。
白地に黒でカニの絵が描かれていた。
あるいは、アニメのキャラクターがプリントされた、子供用の財布。
これら大事にしていたものはどこに行ってしまったのだろう?
どうして無くしてしまったのだろう?
やはり、道端にて1人きり、
雨の日も風の日も持ち主の僕が現れるのを待っていたのだろうか。

人が死んだ後、持って行けるのが思い出だけとなるならば、
そこでは、こういった物たちに包まれるのだと思う。
それまでに出会った懐かしい物たちが、
うたかたのように浮かんでは、消えていって。
再会して、また別れる。

そういう物たちの思い出の無い人生って、寂しいと思う。

12月5日(金) ドラクエ

先週、昼に話しててドラクエの話になった。
ドラクエYってどういうのだったっけ?という。
僕が大学に入ってから発売されたはずで、だとしたらやってない。

どっからプレスレになったんだっけ?Zから?
というか最新は?\?まだ出てない?
ドラクエXはビアンカとフローラでしょ?男だったら選ぶのは断然ビアンカでしょ?
WとXとYって3部作なんでしょ?天空のなんとかとかってサブタイトルで。
だったら、IとUとVも3部作でしょ?VがTにつながるっていう。
そういう話。
あードラクエがやりたくなった。

クリス君から借りたドラクエ[がその後、クリアできてない。
3年ぐらいほったらかし。かなり終盤まで来たのに。
せっかくだから終えようと思う。
時間があればなあ。Zもやりたい。
死ぬまでにもう1度、UやVをやりたい。

そりゃ探せば時間はいくらでもある。
でも、ゲームって時間の浪費って思っちゃうんですよね・・・
幸か不幸か。テレビもそう。
その時間があったら1冊でも多く本を読むべし、DVDで映画を見るべし。
なんか追い立てられるようにして、そんなふうに過ごす人生って損なように思う。
かといってゲームやテレビにはまりすぎるとそれはそれでダラダラしてしまうし。
バランスって難しい。

一番好きなのはVだなあ。職業を選ぶってのは斬新で面白かった。
でも完成度というか、芸術性??で考えるとUですよね。断然。
Tよりも格段に世界が広がって、冒険しているという感じ。物語を感じられた。
主人公が3人になってチームプレーで戦うってのも画期的だったなあ。
僕はファミコンを持ってなかったので、UもVもファミコンごと借りてやった。
Wも確かそうだし、Xはスーパーファミコンごと借りた。高校の夏休みに。
TはMSXに移植されたソフトを借りて。

今、ゲームを全くやらない人が言うのもなんだけど、
僕が小学校ぐらいのときのゲームが一番面白かったように思う。
スーパーマリオ、グラディウス、ドラクエ・・・
もっともっと初期の頃のファミコンのゲームも単純な割りに味わい深かった記憶がある。
アイスクライマーとかさ。懐かしいなあ。

12月6日(土) 11/29 - 12/5

11/29(土)

7時起きで出社。
毎週土曜出てくるのも今日で最後にする。
12月はあれこれ忙しいし。
疲れきっていて、体力の限界。
他にもやりたかったことはあるけど、昼には仕事を終える。

昼は田町駅前の味源で味噌チャーシュー麺に味玉バターコーンをトッピング。
味源は店によって味にばらつきがあるみたいだけど、ここのはおいしい。

数寄屋橋のHMVで週末に見るDVDを買う。
「ニューヨーク1997」「ダーティーハリー」「愛と追憶の日々」「フィッシャー・キング」
あと、先週買ったら割れてた「スケアクロウ」の買い直し。

帰ってきてさっそく見る。
「ダーティーハリー」と「愛と追憶の日々」
どちらも面白かった。

予約していた東芝のネットブックが入荷したとヨドバシから連絡が来る。

夜、突然デスクトップPCの電源が切れる。
何回か立ち上げてみるが、うまくいかず。OSが立ち上がらない。
どうもファンがいかれてるようだ。
修理するか新しく買うか悩みながら、眠る。

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11/30(日)

デスクトップPCは相変わらず不調。
カバーを開けて中の埃を掃除したらOSが立ち上がるようになったものの、
ファンに負荷がかかったら突然プツンと電源が落ちてしまう。
ヨドバシにPCを買いに行く。
合わせて、ネットブックも購入。イーモバイルの契約もする。
イーモバイルの開通待ちの間、家にデスクトップPCを運ぶ。2往復する。
戻ってきてセットアップする前に
試しに壊れたはずのPCの電源を入れたら順調に立ち上がった。
その後何の支障もなく使えた。
セットアップしないでそのまま使い続けた。
次の週末かな。

今回の買い物でヨドバシのポイントがかなりたまったのでCDに交換する。
ずっと探していた「John Mayall with Eric Clapton」のデラックス・エディションを見つける。
あとは Leyona とか。

昼、いつもの肉野菜炒めラーメン。
夜、西友で買った2割引の寿司とサラダ。

6月に行ったニューヨークのマイルの引き換え期限間際だということに気づいて、
手続き用に搭乗券やe-ticketのプリントアウトを探す。

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12/1(月)

東新宿直行。
昼、インド料理屋でカレーのランチ。
ビーフカレーと、鳥挽肉と卵のカレー。

夜、日曜からの大阪出張に向けてホテルの手配を行なう。
安めのビジネスホテル。
顧客のオフィスに近いホテルで大浴場つきのがあったのでそこにする。
日曜の夜と月曜の夜、泊まる。

夜、雨が降り出す。
家に帰ってこの日の夜もまた肉野菜炒めラーメン。

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12/2(火)

神保町直行。
昼は時々行く焼き鳥屋のランチで親子丼。
トッピングでチーズ。おいしかった。

20時に仕事を終えて、帰宅。
これまで使っていたノートPC の MyDocument 内のデータを消す。
ユーザーそのものも消す。
こういうのってハードディスクの中身ごと消すといいんだろうけど、
たいして使ってなかったので漏れて困るデータもない。
明日、ヨドバシに下取りに出す予定。5000円の金券に交換してくれる。
デスクトップのPCも引き取ってくれたら嬉しいのだが。
法律的に無理っぽい。

日曜に買ったノートPCのセットアップ。
XPのユーザーの設定をして、イーモバで接続。
ウイルスバスターをインストール。
僕の部屋はつながりにくいみたいで、途中で接続が切れたりして苦労した。

編集学校の師範代が薦めてたチェリスト、パブロ・カザルスのCDを
仕事の合間に神保町のDiskUnionで探す。
「鳥の歌 ホワイトハウス・コンサート」というのを見つけて、買う。
家に帰ってさっそく聴く。
素晴らしい音楽だった。これからも末永く聴き続けていきそう。

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12/3(水)

編集学校の自己紹介、開校時に教室向けに一度書いて公開したけど、
今度は学校全体向け。
全教室200名、師範代、師範、もっと上の人も見ることになる。
土日にテンプレートが展開されて、
ちょこちょこ書いたり消したりしていたら
とてつもなく長いものとなった。
半分近くが音楽関係のこと。
あれを見た、これが好き、といったこと。
今日から投降開始となり、朝、客先でこっそり送信する。
フライングで全200名のうち一番乗りとなった。
こういうのって、勇気が要る。というか恥ずかしい・・・

僕は11人の教室のうち回答がいつも最初なので、
教室内の「イチロー」という称号を得ていた。
これで遂に、学校全体で「イチロー」か・・・

神保町直行。
午前中打ち合わせとかあれこれあって、昼は14時。
久々に「まんてん」でカツ+コロッケカレー。
その後芝浦へ。
社内で打ち合わせしてさらに東新宿へ。

一度新宿に出て、ヨドバシで
ノートPC(これまで10年近く使ってきた Libretto)を下取りに出す。
5000円の金券になる。
その足でヨドバシのCDコーナーで
Aretha Franklin, Donny Hathaway, Jeff Beck のCDに変える。

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12/4(木)
昨日、H・G・ウェルズの「タイムマシン」を読み終えて、
今日からアーシュラ・K・ルグィンの「幻影の都市」を読み始める。

午前中は東新宿。昼前に移動。先週同様、水道橋で下りて昼を食べる。
「新潟カツ丼 タレカツ」ってのを見つける。
http://www.tarekatsu.jp/
卵で絡めたカツ丼ではなく、たれにつけたカツを乗せたドンブリ。
割とうまかった。

夜は同じく水道橋で最近、気になって仕方が無かった
「醤油ラーメンなら藤崎奈々子」へ。
http://www.nanako-wa-tonkotsu.com/shop06.html
超こってりしてたけど、これまた割りとうまかった。

夜、新規事業の検討で芝浦に戻る。そろそろ大詰め。
来期もこの新規事業のワークショップをやるかどうかという話が出ている。

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12/5(金)

東新宿へ。
午前、テストの打ち合わせ。
午後、神保町へ。
週明け8日の大阪出張に向けて資料の修正・印刷・コピーを行なう。
それだけで午後が終わってしまう。

昼、東新宿の蕎麦屋で今年初の鍋焼きうどん。
夜、PJの忘年会?ってことで月島のあんこう鍋「ほていさん」へ。

帰ってきて、夜更かし。
結局今週は毎晩、パブロ・カザルスを聴いていた。

12月7日(日) 月島「ほていさん」

金曜の夜、PJの忘年会ってことで
月島にあるあんこう鍋の店「ほていさん」に行って来た。
http://www.unisys.co.jp/club/shop/hoteisan.html

前々から話には聞いていて、ずっと気になっていた。とにかくうまいと。
昨年、一昨年と予約にトライして失敗。今年ようやく予約が取れた。
小さい店は入ってみたら超満員だった。
月島の路地裏の分かりにくい場所にあって、
知らなかったら、近くに住んでいても一生入ることはないだろうな。

あんこう鍋のシーズンは5500円のコースのみ。
刺身(マグロ、ハマチ、ホタテ、ウニ、シャコ・・・)とゴマ豆腐。
あと、あんこう鍋と雑炊。
これだけ。なのに腹いっぱいになった。
追加メニューもあったみたいだけど、結局見ることはなかった。

あんこう鍋はフタを開けたら山盛りの、ぼってりとしたあん肝。
具材の全てを覆っていた。これがまず、圧巻。
火をつけて、店員の方が少しずつほぐしていって、鍋を作る。
出来上がった鍋は・・・、うまいね。さすがに。
あん肝ならではなの苦味と甘味が程よくブレンドされて。
白菜、豆腐、白滝と鍋の脇役たちも輝いていた。
鍋そのものもさることながら、残ったスープで作る雑炊だね。
(こんなうまい雑炊、一橋学園の一松の白菜鍋以来だなあ)

あんこうの白身の肉もふわっとホクホクしてうまいけど、
皮と肉の間のゼラチン質のプルプルした部分もまたあんこうならではの味わいで。
コラーゲンたっぷりなんだろうなー。

雑炊と一緒に出てきた、ぬか漬けの大根とキュウリもうまかった。
実は一番の絶品は、これかも。

夏は海鮮炭火焼みたいで、これもいつか食べてみたい。

ぐるなびには載ってないけど、口コミでいつも満員。
こういう店が世の中になんと多いことか。

12月8日(月) 神保町界隈のラーメン屋

お客さんのオフィスが神保町にあって、最近はほぼ常駐。3年ぶり。
神保町と言えば、カレーの街。
3年前に名のある店をほぼ食べつくし、今はまってるのはラーメン屋の開拓。

先週木曜に水道橋の方まで足を伸ばして、前から気になっていた
「醤油ラーメンなら藤崎奈々子」で食べてみた。
http://www.nanako-wa-tonkotsu.com/shop06.html

普段テレビ全く見ないのでアイドル?女性タレント?
のことはよく分からないですが、藤崎奈々子って
なんかそういう類の人らしいです。
関西では何店舗もとんこつラーメンの店を出していて、
まんをじして東京で醤油ラーメンで開店。

醤油ラーメンしかなくて、こってりかあっさりか選ぶ。
こってりを選んだら透き通った油が 1cm ぐらい浮いていて、
その下にびっしりと真っ白な背脂。
これはギトギトしてそうだなあと戦々恐々だったのですが、
食べてみたら臭みがなくて案外あっさりしてた。
意外とうまい部類のラーメンかも。

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神保町で今話題のラーメン屋をもう1つ。「覆麺」
面じゃなく、麺。
レスラー系の覆面をかぶった店員が2人でやってる店。
1人は外国人で「コンガ」という国から来て、日本語が話せないらしい。
2人とも片言の日本語で応対して、
ありがとうもいらっしゃいませもみな「アンガ〜ラ!」と謎の言葉で。

レスラー系の店なので背脂こってり系かと思いきや
意外と透き通った醤油スープ。
最近、新しくできる店はことごとく背脂とんこつばかりじゃないですか。
食傷気味なところへこの直球勝負は嬉しいですね。

店が暇な時間に行くと、レスラーのどっちかが店の外の丸椅子に座って
煙草を吸いながらたそがれてる。もちろん覆面で。ちょっとかわいい。

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神保町だと相変わらず「味噌や」がダントツのうまさ。

その並びの「背脂醤油 のあ」もおいしい。
ここも最近知ったんだけど、「背脂」を名乗るだけあって重厚な背脂感。
なのに、ジューシーであっさり。これならいくらでも食べられるね。
油ソバがうまかったんだけど、夜食べたらビールにすごく合いそう。
でも残念ながら昼、仕事の合間にしか食べに行ったことがない。
日によって開いてたり開いてなかったりするのが難点かな。

靖国通りを御茶ノ水方面に行くと「大勝軒」がある。
池袋の本店には結局行かずじまい。
こっちの店ではつけ麺を何度か食べた。そこそこうまい。
他の人が言うように「たいしたことない」ってほどでもない。
もっとたいしたことない店は世の中に星の数ほどある。

「麺者 服部」を先日3年ぶりに訪問。
研究してる味なんだけど、今1つ。

神保町のラーメン二郎はいつ見ても大勢並んでて、入れた試しがない。
そもそも僕、二郎ってまだ食べたことないんですね。
はまってる人はものすごくはまってますが。
荻窪にもあるんで行ってみようかな。

12月9日(火) パブロ・カザルス

編集学校のとある師範代の方が自己紹介の中で
スペイン出身のチェロ奏者、パブロ・カザルスのことについて語っていた。
クラシックに疎い僕はその名を知らなかったんだけど、とても有名な人のようだ。
Wikipediaを参照したら、「20世紀最高のチェロ奏者」とあった。
「指揮者フルトヴェングラーはチェロ奏者としてのカザルスへ次のような賛辞を残している。
『パブロ・カザルスの音楽を聴いたことのない人は、弦楽器をどうやって鳴らすかを知らない人である』」
晩年のコンサートは必ず、故郷カタロニア地方の民謡「鳥の歌」を演奏したという。

なんか気になるものがあった僕はその日のうちに DiskUnion で CD を探してみた。
そしたら中古で、「鳥の歌 ホワイトハウス・コンサート」というのを見つけた。
1961年の録音で、ジャケットにケネディ大統領の姿が見える。
メンデルスゾーン、クープラン、シューマンの曲を演奏して、最後に「鳥の歌」という曲順。
家に帰っきて、さっそく聞いてみた。
「あ、いいかも」と思った。
下手なロックを聴くよりもよっぽど背中がゾクゾクきた。
これからの人生において、末永く聴き続けそうな気がする。
とりあえず、買ってから毎晩必ず聴いている。
心の中に刻み付けている。

ミエチスラフ・ホルショウスキーのピアノとアレクサンダー・シュナイダーのヴァイオリン。
そして、パブロ・カザルスのチェロ。
3人だけによる演奏。なのに、一言で言うならば音楽の「豊穣」
ベタな言い方だけど、クラシックという括りを超えた音楽という芸術の最高峰の1つかもしれない。
鳴らしているのは優しくて穏やかなメロディなのに、音の鳴りと張りが違う。
ピンと張り詰めていて、その緊張感がたまらない。
King Crimson が志向していた「緊張と弛緩」ってこういうことだったのかも。

風景、というか光景が見えるような気がする。
僕はそこに純潔な、真っ白な世界を感じる。
苦悩する人々、悲しみに沈む人々。日々の何気ない出来事に安らぎを見出す人々。
世界中の人々の今を生きる姿が走馬灯のように思い浮かぶ。
そこにはパブロ・カザルスが求め続けた、平和への祈りが込められている。
絶え間なく繰り返されてきた戦争であるとか、
人類の悲惨な歴史の積み重ねのうちに、僕らの生活は成り立っている。

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どこを切り口としてクラシックに入っていこう?
作曲者なのだろうか、指揮者なのだろうか。
ずっと迷い続けていた。

ようやく出会えたように思う。
同じくチェロ奏者だったジャクリーヌ・デュ・プレと、このパブロ・カザルス。
ミーハーな僕は映画になっているからという理由だけで
ジャクリーヌ・デュ・プレを聴き始めたものの、それっきり。
パブロ・カザルスは全然タイプの違う演奏家だけど、
重なり合う部分と重ならない部分とが出てくることで、
次はどこに興味を持てばいいのだろうかと地図が描けるようになった。

とりあえずは、他のパブロ・カザルスの演奏を聴いてみようと思う。
もちろん、次はバッハの「無伴奏チェロ組曲」

12月10日(水) 「型」について考える

引き続き、パブロ・カザルスについて。
その芸術的高みをどう捉えるべきか?

編集学校であれこれ学んでいるせいか、「型」について考えた。
クラシックという文脈の中でチェロ演奏の「型」を習得する。
果てしなく練習して行く中でその「型」を自分のものにする。極める。
その次の段階はその「型」を崩していくようになる。
今の自分はそれまでの「型」に収まらなくなってきた。
自由に作り変えたくなった。
形がなくなるまで粉々にする。時として否定もする。
しかしそこには「型」がやはり色濃く残っていて、その残像が常に照射している。
模索していくうちに徐々に新しい「型」が生まれる。形作られていく。
表現は次の段階へと到達している。
このサイクルを一通り経験して初めて、世に出せるだけの芸術になっている。
そしてまた、その型を超え出ようとする。

型の内側へと向かう力、外側へと向かう力。
その繰り返し。
どんな芸術だってそうなのだと思う。

例えば、ストーンズについて考える。
Blues, R&B の模倣から始まって、まずはそれを自分らなりに演奏できるようになる。
最初の何枚かのアルバムにその過程が見える。
「Aftermath」の頃に型は完成し、既にしてそれを崩していく過程が見え始めていく。
「There Satanic Majesties」の頃が迷いの時期であれこれいろんなものに手を出して、
それは「Beggars Banquet」で出口を見出し、
ここでようやく唯一無二な存在としてのストーンズが完成したわけだ。
そして「Let It Bleed」「Sticky Fingers」「Exile on Main St.」という高みへと連なり、
「山羊の頭のスープ」「IT's Only Rock'n'Roll」で型をまた変え始め、
「Black and Blue」を経て、
「Some Girls」にて今のストーンズへとつながるスタイルが確立される。
その後は「型」を守り続け、拡大させていくことで
ビッグ・ビジネスとさせる道をストーンズは選んだ。
それを人は円熟と呼ぶ。

生きるという行為にも「型」はあるはずだ。
勉強の仕方だってそうだし、料理や車の運転にもそれは見出せる。
続けていく中でうまくなって、アレンジを加えて、悩んで、「これだ!」というものを見出して。
そしてそれを長い年月続けて、誰かにそれを教えて。
(その変遷の行為の関係付け・意味づけを、僕の通う学校では「編集」と呼ぶ)

その人の生きるという行為そのものに「型」がなくなってしまったならば、
「どう生きるのか?」という問いかけを自らに対して課すことが無くなったならば、
その人にとって人生というものは倦み疲れた日々の残骸に過ぎない。
ただ誰かによって、何かによって生かされているだけの人生。
そうあってはならない。
決して、そうあってはならない。

12月11日(木) 大阪探訪 その1(新世界)

日曜から火曜にかけて、大阪出張。
月曜の朝イチから打ち合わせだったので、お客さん側で負担して日曜日前泊となる。
ラッキー。でなきゃ自腹で泊まるつもりだった。この機会に大阪を見て回ろうと。

これまで大阪は出張で何度か来ているけど
慌しく日帰りだったり、余裕があったら京都行ったりで全然大阪を見ていない。
1度道頓堀に行って「神座(かむくら)」でラーメンを食べたぐらいか。
今回ようやく、大阪観光。

高校の同級生が大阪に住んでいるので連絡を取ると、
日曜日は1日空いていて付き合ってくれるという。
9時の新幹線に乗って、12時に落ち合うことにした。

前の日のうちに持ってくものは用意してある。
と言っても着替えとシェーバーぐらい。あと、ノートPC。
打ち合わせの資料は金曜のうちに大阪に宅配便で送っている。月曜の朝必着で。
いつも通り7時に起きて、荻窪駅の緑の窓口で切符を買って、丸の内線で東京駅へ。
観光気分なので本屋でるるぶマップの大阪版を買う。
駅弁は無しで、崎陽軒のシウマイのみ。
つまみにゆでピーナッツを追加して、そんで500のビール2本。
アーシュラ・K・ルグィンの「幻影の都市」を読む。
この人の文章にはハズレがあった試しがなく、
ビールを飲みながら素晴らしい小説を読んで、いつのまにかうたたね。
最高のひと時。

快晴。空は雲ひとつ無くて、雪が降って真っ白な富士山がくっきりと見えた。
先月の出張のときもそうだったけど、富士山が目の前に広がるポイントがあって、
そこに差し掛かると多くの人がデジカメや携帯で写真を撮っていた。

新大阪到着、大阪へ。同級生に連絡を取る。
待っている間コインロッカーを探す。どこも空いてない。あちこち探し回る。
JRの各改札付近はどこも空いてなくて、地下鉄御堂筋線の方まで歩いていってようやく見つける。

同級生と再会。1年半ぶり。
昼時だったのでさっそくお好み焼きを食べに行く。梅田のアーケード街で店を探す。
牛筋のお好み焼きとシーフードミックスのお好み焼き、
とんとろのあぶり焼き、えびとアボガドのサラダ。
同級生の最近の仕事の話をあれこれと聞く。

店を出て、じゃあこれからどうしようかってことになって
ベタに通天閣と新世界を見に行くことにする。
僕としては1度見てみたかったんですよね。
御堂筋線に乗って「動物園前」で下りる。
フェスティバルゲートという遊園地が目の前にあって、
ここは去年閉園して競売にかけられていると同級生は言う。
ビルの上の階にジェットコースターがあるという派手なつくり。
なのに動いてなくてひっそりとしている。

ジャンジャン横丁に入る。
露天が並ぶ。ばったもんっぽいCDやDVDが売られていたいたり、安っぽいアクセサリーだとか。
えげつない系のアダルトな商品も普通に並んでいたように思う。とにかく猥雑。
なんだかアジアっぽい。
戦後の闇市から綿々と続いて今に至っているのかもしれない。

新世界へ。
とにかく串カツ屋ばかり。大きいチェーン店から小さいカウンターだけの店まで。
日曜の昼ってこともあってどこも人が大勢入っていた。
名前は忘れたけど、ものすごく行列ができているとこがあったなあ。
あと、通りのあちこちに金色のビリケン像。
サンタクロースの格好をしていたり、チョコレート色だったり、とにかくでかかったり、
ビリケンだらけ。
この界隈の人にとっての招き猫みたいなものだから、飾ってて当たり前なんだろうな。

将棋クラブを2軒かな、見かけた。
まるで昭和の時代のよう。お年寄りたちがギュウギュウ詰めになって将棋を指していた。
阪田三吉名人の生涯を描いた映画「王将」はこの界隈が舞台。
映画のスチール写真を見ると通天閣が写っていた。

曲がり角を曲がると、その通天閣が見えた。
ほー、こんなんか。聳え立ってるなあ。
賑やかな商店街のど真ん中。こういうの、なんかいいね。
絵になる。個人的にとても好きになった。
思いっきり日立プラズマテレビの宣伝が鉄骨にあって、東京人の僕からするとシュール。
みもふたも無い。さすが大阪人。
(詳細は忘れたけど、後にエレベーターの中で聞いた解説では
 2000何年だかに広告主が日立となって、
 エレベーターも日立製に全面的に入れ替えたとのこと)

スマートボールの店があったので、入ってみた。
タバコの煙が立ち込める店内に空いている席を見つけ、座って100円を入れる。
見よう見まねでやってみる。
和製ピンボール。というか、パチンコのルーツ。
台が斜めに傾いていて、5点10点15点と書かれた穴が開いている。
ここにボールを入れるといいようだ。その周りに釘が固まって刺さっている。
100円を入れると白い大きな玉が上の穴から転がり落ちてきて、下の溝にたまる。
右下のバネをはじいて、ボールを勢いよく飛ばす。
釘の間をすり抜けていって、得点の穴に引っかからないまま次々に消えていく。
1度だけフィーバーした。ラッキーチャンスの1つの穴に落ちた。
それまで閉じられていた15点の枠が開いて、そこにボールが入ると
ドサーッと新しいボールが補充された。
そんな感じで玉を弾いてって、玉切れで終了。
隣に座っていたおばさんは筋金入りのスマートボーラーみたいで、
タバコをふかしながら次々にフィーバーさせていく。
パチンコでもなくパチスロでもなく、あくまでスマートボール。
まさかこれで食ってるのだろうか??
どういう人生なのか、とても気になった。
パチンコのように、景品有り。お菓子とかだったかな。よく憶えていない。
Rebeccaの「When A Woman Loves A Man」の歌詞の一説に
「スマートボールで知り合ったパパ それ以外は何人キスしたの」
ってあったけど、こんなだったのか・・・
不良の遊びには違いないけど、レトロすぎ。
僕はボーリングかビリヤードみたいにもっとおしゃれなものを想像していた。
「パチンコ屋で知り合ったパパ」ってことじゃん。

12月12日(金) 大阪探訪 その2(通天閣)

通天閣に入る。30分待ち。
展望台が5階とあって、えー!?と驚く。たった5階。
なんとせこい。というか、それって低すぎない?
もしかしてタワーっぽい上の方には入れてくれなくて、下の台のところの最上階で終わり?

2階に上がって展望台の入場券を買って、エレベーターの列に並ぶ。
趣味の陶芸の会の作品が展示かつ販売されていて、その隣は日本野鳥の会の写真展だった。
ビリケン・コーナーもあった。
縁結びの神様のように黄色いリボンがびっしりと結び付けられている。
昔の新聞広告に登場するビリケンの紹介(福神漬けではなく、ビリケン漬け)。
覗き穴があったり、テーブルクロスをめくったり、壁に設えた窓を開けたり。
凹凸を強調して背が伸びたり縮んだりして見える鏡だとか。
仕掛けの一つ一つがレトロ。
ビリケンの歴史を記載したと思われる本が本棚に1冊あったはずなんだけど、
チェーンがはずされててぶらりと垂れ下がっていて、誰かが盗んでそれっきりなんだろうな。
壁に本棚と本が描かれていて、その盗まれた1冊分のスペースと
もう1冊固定されて取り出せない本と。
こういうのに象徴されるように、どことなくなんとなくこの通天閣って切ない。
東京タワーの下の階もこんな感じだよなあ・・・

ビリケンの生い立ちって前にもどこかで見聞きしたことあったけど、忘れてた。
興味深いので入り口でもらったパンフレットから引用します。
「幸運の神様として、通天閣を支えてきた守り神「ビリケンさん」。
 そのビリケン像は1908年、アメリカの女流作家が、
 夢で見たユニークな神様をモデルに製作したものと伝えられています。
 当時世界的に大流行した幸運のマスコットが、遠く新世界にまで伝わり、
 今も庶民的神様として親しまれているのです」
この女流作家・芸術家の名前はフローレンス・プリッツ。
当時の大統領ウィリアム・タフトの愛称からビリーが取られている。
遠く日本にまで流れ着いて、他では廃れたのに日本のこの地域のみ生き残っている。たぶん。
そういうのって不思議ですよね。
作った本人からしてみれば全然思わぬところで神様として慕われ続けている。
いや、もしかしたら、探せば全世界のビリケンに出会えるのかも。

待つこと30分。ようやくエレベーターの順番が回ってくる。
エレベーターがグングンと上昇する。
あれ?5階じゃないじゃん。エレベーターガールならぬエレベーターボーイが解説する。
高さは91mあると。1階3mと見たとき、30階分はあるよね。それなりに高い。
最上階を5階と呼んでいるだけであって、物理的な階層とマッチしてなかっただけか。

展望台の眺め。大阪もまたでかいねえ。でも、東京ほどじゃないか・・・
六甲山が向こうに見えた。
喉が渇いて、自販機でサンガリアの「みっくちゅじゅーちゅ」を買って飲んだ。
噂には聞いていたけど、実物を見るのは初めて。おいしい。
オレンジ、りんご、バナナ、パイナップル、桃のミックスジュース。
「東京にはないよ」って言ったら同級生は「え?なかったっけ?」と驚いた。
関西だけですよね?ミックスジュースが必ずどこの喫茶店にもあるのって。
お土産屋を見て回る。ビリケンの貯金箱にビリケンの携帯ストラップにビリケンの宝くじ入れ。
ありとあらゆるビリケンがあった。
この5階にはビリケンの像が奉られていて、これが本物??
まあ偽物も本物もないんだろうけど。
願い事をするときは足の裏を掻くといいってことで足の裏が磨り減って、えぐられていた。

帰りのエレベーターは1つ下の4階。
幼稚園児か小学生の描いた、黒、赤、緑、何十もの通天閣の版画が壁に飾られていた。
同じ建物を描いたはずなのにそれぞれ違う。
ビルのような通天閣もあれば、のしいかのような通天閣もあり。
興味深かった。

2階のお土産屋へ。
リロ&スティッチのスティッチがたこ焼きをかぶっているミニタオルや、
頭に(鶴橋を意識したのか)焼肉の鉄板を乗せたキティちゃんのキーホルダーがあった。
僕は第2次大戦で消失した初代の通天閣と、
戦後再建された2代目の通天閣(広告は「ライオンはみがき」)、2枚の絵葉書を買う。

外に出て、新世界をもう少し探索。
入り口でもらったパンフレットに新世界界隈の地図があって
(ちなみにこのパンフレット、厚めの紙でできていて通天閣のペーパークラフトにもなる)
この中にあった、「レコード店ナニワ」と
「新世界国際劇場 ちょっとお目にかかれないレアな洋画を上映中」が気になった。
「レアな洋画ってなんだよ?これって絶対ピンク映画専門で『エマニエル婦人』だろ」と僕は言う。
行ってみたら、日本のポルノ映画(まだ普通に作られてるんですね)と
普通の洋画を合わせて上映しているような映画館だった。
今やってたのは「デイ・オブ・ザ・デッド」と「ゾンビ・ストリッパーズ」の2本立て。
気になるのは「ゾンビ・ストリッパーズ」
http://www.zombiestrippers.jp/
「飛び散る感部!波打つ巨乳!血しぶきのステージに男の欲望が渦巻く!」
「エルム街の悪夢」に出ていた名脇役ロバート・イングランドと
アダルト界の女王ジェナ・ジェイムソンが主役だって。
いいなあこういうおバカ映画。見たくなってきた・・・
もしかしたらC級映画の大傑作かもしれない。
近日公開はヒューマンドラマの「大いなる陰謀」とコメディの「僕らのミライへ逆回転」だった。
いったいどういう基準で上映作品が選ばれているのだろう。

「レコード店ナニワ」は浅草にあるような、演歌しか置いてなくて
主力商品がカセットテープという店かなあと思ったら正にそうだった。
こういう店の洋楽とか邦楽コーナーって意外な初回版が売れ残ってたりしないかと
僕は必ず入ってみるようにしてるんだけど、今回のところは掘り出し物、なし。
客のおばさんがカセットテープ振り回しながら、「これって歌入ってるの!?」と聞いていた。
今、浅草って書いたけど、東京で例えるならばここはやはり浅草ですね。
モツ煮の店が串カツに変わってるだけ、かも。

12月13日(土) 大阪探訪 その3(澤野工房)

次に向かうは同じく、通天閣のパンフレットで見かけた
「澤野工房 履物屋さんがなぜ? 知る人ぞ知るハンドメイドJAZZの店」
え!?と驚く。「澤野工房」ってこんなところにあるの?
これはぜひとも行かなくては。
澤野さんって方が個人で行っているレーベル。
ヨーロッパのピアノ・トリオの秀作を
日本で紹介するために自家製でアルバムを作って、通信販売で売っている。
昔は知る人ぞ知るだったけど、今ではHMVでもコーナーがあったりする。
静かな美を称えた音楽は、「澤野工房」系としか呼びようが無い。
(僕のCD棚の中でも、他のJAZZのCDと一緒にせず、澤野系で一括りにしている)
http://www.jazz-sawano.com/

行ってみたらゴク普通の履物屋で驚いた。ものすごく小さな店。
「ほんとにこれ?」といぶかしい気持ちで眺める僕。
よく見たら店の奥にCDを収めたケースが並んでいる。入ってみた。
澤野さん本人が店番をしていた!しかも履物屋の方で!!
とても気さくで腰の低い方で、東京から来たと言うととても喜んでくれた。
「一番お勧めのCDってどれですか?記念に買って帰ります」と言うと、
「どれも一番お勧めだからねえ」と
今年最も売れた作品、去年、一昨年と並べて、それぞれ視聴させてくれた。
ジャケットが気になったのがあって「これ聞かせてください」と頼むと
嬉しそうにプレーヤーにCDをセットする。
この演奏はこうでああでと詳しく解説もしてくれる。
結局、昨年最も売れたという「Robert lakatos Trio / Never Let Me Go」と
タイトルが気になって視聴させてもらった
「Vladimir Shafranov Trio / New York Revisited」の2枚を買った。
価格は2500円なんだけど、そのうちの送料500円を引いて1枚2000円にしてくれた。
しかも、サンプラーのCDもおまけでもらった。
いい人だなあ。
澤野工房のアルバムをもっと集めたくなった!

CDを入れ替えたり解説してもらってる間に、
同じく店番中だった澤野さんの奥さんが「あの草履どこだっけ?」と聞いてきたり。
奥さんは全くJAZZに興味なさそう。
僕らがCDを買うと、奥さんが「ちょっと、ちょうどいい袋が確かあったわよ」と
澤野さんに「階段の、そう、そこ」と指示をする。
微笑ましかったなあ。
澤野工房そのままのゆったりした時間が流れてた。

澤野工房よ、永遠なれ。
素晴らしいJAZZをもっと、僕らに。

店を出て、なんば方面へと歩いていく。
途中、日本橋を通り抜ける。東京はニホンバシだけど、こっちはニッポンバシ。
秋葉原のような電気街。
でも純然たる電気街であって、秋葉原のようなメイドな人たちは見かけなかった。
格安量販店と、アダルトビデオの店ばっかり。
中古CD屋もけっこうあったので、そのうちのいくつかに入った。

どこかのビルの屋上で、鉄骨で作られた骨組みだけの、巨大なハチの模型が飾られていた。
そういえば梅田には思いっきり斜めになったプロミスの看板を見かけた。

なんばを歩く。
こっちだっけ?あっちだっけ?と迷いながらアメリカ村を目指す。

カレー屋を見かけたとき、インド帰りの同級生は懐かしくなって2軒、
最近流行の有名なところに行ったのだそうな。
しかしどれも全然だめ。そもそも2軒ともカレーにネギが乗っかっていたという。
「本場インドカレーって言っててなんでネギが乗るわけ!?」
ネギ焼きで知られる大阪のカレーにはネギが普通だったりするのか・・・

この頃から、夕暮れ。暗くなってアメリカ村に到着。
古着屋のいくつかに入る。
ちょっとばかしガラの悪そうな若者たちばかり。でも店員は皆気さくそう。
三角公園ってとこでたこ焼きを買って食べる。
「甲賀流」という名前だったかな。ネギソースたこ焼き。
目の前には巨大なモニターがあって、大阪で今はやっているヒップホップの曲が何度も流れた。
鶴橋の焼肉屋とか、大阪ならではの場所を背景に撮られたクリップ。
曲名は「インパクト」を漢字の当て字4文字にしたものだったと思う。

古着屋ばかりのこの辺りは下北沢っぽい。
和物テイストの店を見つけ、スカジャンを買う。3万弱。結構な値段の買い物。
でも前々からいつか買うつもりだったので衝動買いではない、と自分に言い聞かせる。
遊女を描いたものとゼロ戦を描いたものとで迷って、末永く着られる方ってことでゼロ戦にした。

日が暮れてきたので古着屋巡りは早々に切り上げる。
また今度来る機会があったら、半日かけてじっくり回ってみたい。
「KingKong」というレコード屋がとても居心地よさそうだった。

道頓堀まで歩いて、同級生が前から気になっていた「南翔饅頭店」という店に入る。
六本木ヒルズにも店があるみたい。
http://www.nansyou.co.jp/
小籠包がウリの店で、熱々のを食べたら口の中で汁がはじけとんでやけどした。
おいしかった。季節の野菜の蒸篭蒸しってメニューがあって、これがなかなかよかった。

その後用事ありの同級生と別れて、19時にはホテルにチェックイン。
大浴場があったので入りに行く。
買ったばかりの澤野工房のCDを聞きたくもCDプレーヤーはなし。
持ってきたノートPCもCD-ROMがついていない。残念。
もらってきたカタログを眺めて音を想像しながら、ビールを飲む。
大阪のビジネスホテルで過ごす夜。
テレビを見て、眠る。

12月14日(日) 12/6 - 12/12

12/6(土)

昼まで寝てる。
明日は大阪出張なので、洗濯やクリーニング、風呂掃除を済ませておく。
先週買ったAcerのミニタワー、
セットアップしようとしたらワイヤレスのキーボードとマウスが認識されず、
最初の画面から先に進めず。何これ。腹が立ってクレームのメールを送った。
前のPCのUSBマウスを接続したら使えたけど、
USBキーボードがないのでそれ以上先に進めず。

昼、いつもの肉野菜炒めラーメン。今回は塩。
夜、西友で買ったサラダと竜田揚げ。

駅前のLUMINEの新星堂にパブロ・カザルスのCDを買いに行く。
バッハの「無伴奏チェロ組曲2枚組」
上手くはいえないが、すごい。
カザルスのチェロとバッハの楽譜が向き合っているだけ。
なのにそれだけで2時間聞いてしまう。

他に聞いたのはクリスティーナ・アギレラのベストとか。

---
12/7(日)

大阪出張の為、朝から新幹線で移動。
夜、ホテルにチェックインして、
大浴場で温泉に浸かって、サウナもあり。

風呂の後、ビール飲みながらテレビを見る。
ドキュメンタリー番組があった。
「素敵な宇宙船地球号 サイモンさんの移動映画館」
「愛と悲しみの果て」などの撮影を手がけたカメラマンが
アフリカのケニアの村を回って、
映画を見たことの無い子供たちに生まれて初めての映画を見せる。
娯楽映画ではなくて、ケニアの環境破壊や象の密漁についての実情を伝えるもの。

その後、NHKの「地球エコ2008 アース・ウォッチャー」というのを見る。
こういうネイチャーな番組、はやっているのだろうか。
白人男性のミュージシャンがピアノで弾き語り。
そこに月の映像など。
本腰入れて見ようとしたらすぐに終わってしまった。

その後NHKのBSでクラシックの番組を見つけ、BGM代わりにする。
これもすぐ終わって、
同じくNHK BSの「世界一周!地球に触れる エコ大紀行」に切り替える。
ガラパゴス諸島がテーマ。

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12/8(月)

8時に起きて、ビジネスホテルの大浴場へ。
朝風呂はいいねえ。
BSで世界のニュースを見る。
アイルランドの鶏肉からダイオキシンを検出。

午前、午後と顧客の大阪本社にて大人数参加の説明会。
このところずっとこの準備に追われていて、いろいろと気にかかることもあり、
無事終わってホッとした。肩の荷が1つ下りた。

他のメンバーは東京に戻って、僕だけがもう1泊。
夜、お客さんたちと飲みに行く。
気がついたら終電の時間まで飲んでいた。

大浴場に入りに行って、寝る。

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12/9(火)

7時半起き。朝風呂。
昨日と同じようにBSで世界のニュースを見る。
ビッグ3への経済支援。
ギリシアで大規模な学生のデモ。
夜、東京に戻るのでチェックアウトする。

午前打ち合わせ。
昼、お客さんとイタリアンの店に行く。

午後も打ち合わせ。東京とテレビ会議。
いつもと立場が逆になる。

19時の新幹線に乗って帰る。
母にお土産として梅干を買って送る。
551の焼売と海老焼売と餃子、ビール2本。
さすがに食いすぎた。

アーシュラ・K・ルグィンの「幻影の都市」を読み終えて
カート・ヴォネガットの短編集「バゴンボの嗅ぎタバコ入れ」を読み始める。

東京は雨。駅でビニール傘を買う。

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12/10(水)

快晴。しかも暖かい。昼はコートだと厚かった。

午前中は芝浦で新規事業ワークショップの成果発表会。
僕自身はプレゼンせず、リーダーに全てを託す。

終わって、移動する。
ボーナス支給日。新橋で下りて銀行から下ろして、
さっそく数寄屋橋のHMVでCDを買う。
3枚で25%OFFかつ、ポイント3倍。お得だった。
「はしご」で「ぱいこーだんだんめん」を食べる。

午後、神保町。
夜、新宿のヨドバシに寄ってUSBキーボードと
浄水器の交換用カセットを買う。
夜は何も食べず。焼酎お湯割を飲んで寝る。

---
12/11(木)

神保町。
昼、オフィスの近くの居酒屋で
牛タンの煮込みの定食。

夜、お客さんと忘年会。神田。
大酒のみキャラとなっているので、
飲み放題をいいことにビールに焼酎お湯割と交互に飲んでいたら泥酔。
大食いキャラでもあるのでその後連れ立ってラーメン屋へ。
何時になってたのか分からないけど、
店を出てから道に迷ってタクシーに乗って帰った。
この出費は痛い・・・
ラーメン屋に行ったという記憶しかなくて、誰がいて何を食べたのか全く記憶なし。

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12/12(金)

東新宿。
昼、時間がなくて松屋。
新メニューの牛味噌豆腐定食だったか、そういう名前のを食べる。
あまりたいしたことはなかった。

昨晩飲みすぎて、二日酔いではないが眠くてたまらない。
午前中は何もする気になれず、
来週の打ち合わせで使う業務運用の手順書、
200個近くあるのをプリントアウトして穴を開けて綴じるってことをしていたら終わった。

定時で帰る。
この日はほんとは会社のクリスマス・パーティーで
一応僕もチケットを申し込んでいたんだけど、
なんかそういう気分にもなれず、派遣の女の子にチケットをあげてしまう。

その代わりに中野に行って、
中野ブロードウェイ3階の recomint で中古CDを買う。
行くたびに大量に買ってしまうのでボーナス支給後だけのお楽しみ。
今回は「これだ!」というものは特になかったけど、
探してたのがいくつか見つかった。John Frusciante のソロとか。
J-POPのコーナーで、前から気になっていた te とストレイテナーを買う。
あれこれふるいにかけて減らしたにもかかわらず、1万円分買っていた。
その後、2階の住友でかき揚げ定食の上を頼む。
エビスを瓶で頼んで、ゲソ煮を肴に飲む。
ゲソ煮は100円と安い。
住友の天ぷらはとてもうまいのでもっと頻繁に食べに来たいんだけど、
そうすると recomints に入ってしまう。
なのでやはりボーナスの時期にしか来れない。

母から留守電有り。
リンゴを送ると。

12月15日(月) 「ブラインドネス」

この前の土曜はほんとならばボサノヴァの神様、
ジョアン・ジルベルトの来日公演を見に行くはずだった。
本来11月頭の3連休だったのが健康上の理由により12月に延期、
そして今回遂にキャンセル。
腰痛の治療が思わしくなく、長距離の渡航が不可とのこと。
年齢のことを考えるともしかしたらもう2度と機会はないかもしれないな・・・

予定が空いてしまったので、映画を見に行く。
「ブラインドネス」「トロピック・サンダー」の2本。
調べたら丸の内ピカデリーで
午前2回が「ブラインドネス」で午後3回が「トロピック・サンダー」という
変則的なプログラムになっていて、ちょうど切れ目の前後の回を見る。
どちらも客の入りは全然だったな・・・

「ブラインドネス」なんて悲惨なことになっていた。
いい映画なのにな。でも、大きなシアターで見るような作品ではない。
短観上映系が間違って紛れ込んだかのよう。
主演のジュリアン・ムーアでそんなに客が呼べるとは思えないし、
パニック映画・サスペンス映画はそこそこ客が入るだろうと判断されたということか。
ある日突然、視界がホワイトアウトして失明するという感染症が広まって・・・、という内容。
でも、原作がノーベル文学賞を受賞したジョゼ・サラマーゴの寓話的な小説、
監督が「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレスでという組み合わせで、
何とも格調高い。
ジョゼ・サラマーゴは自分の作品を安っぽいゾンビ映画にしたくないと映画化を拒んできたそうだけど、
この作品におけるホワイトアウトに包まれた世界の描き方の美しさを見たら、きっと納得するでしょう。

寓話。
感染して、精神病院に収容所される患者たち。
食料が届けられるだけの隔離された生活。
盲いた人たちが押し込まれた空間なので様々な残骸が打ち捨てられたままとなり、
すぐにもそこは荒れ果てる。ベッドの数も足りなく、それでもどんどん人々が押し込まれていく。
劣悪な環境の中で人々は次第に堕落していく。疲れ切った生き物となtる。
王と名乗る男が食料を独占し、最初は金品で、後に女性たちの体と引き換えに配給を行う。
収容所を取り囲む警備兵によって射殺されるものたち、収容者たちの争いで命を落とすものたち。
最初に感染症に接した医師が集団のリーダー役となり、
その妻のジュリアン・ムーアがなぜか感染することなく一人だけ目が見える。
物語はこのジュリアン・ムーアを中心に展開していく。
彼女は王の圧政に耐えかねた末にある決断を下し、
そして外の世界、終わりを迎えた世界へと出て行くのであるが・・・

フェルナンド・メイレレスの力量は文句なし。
安っぽいスリラーになりそうな題材が芸術にも偏らず、エンターテイメントにも偏らず、
唯一無二の作品「ブラインドネス」として生を受けた。
荒廃した世界のリアリティーは素晴らしい出来だと思う。

でも、残念なことに日本から出演した準主役級の2人、
伊勢谷友介と木村佳乃の大根っぷりはひどすぎたと思う。
出てきて日本語のセリフを言う度に耳を覆いたくなった。
なんであんなふうにセリフが棒読みになるんだろう。
前にもこんなことがあった。「硫黄島からの手紙」とかさ。
「感情を抑制させた話し方」を求めているのではないか、
そのとき、海外の監督にとって素直に聞こえる日本語って棒読みとなってしまうのではないか。

その一方でわがままな「王」を演じた、
「アモーレス・ペロス」や「モータサイクル・ダイヤリーズ」「バベル」の
ガエル・ガルシア・ベルナルの素晴らしさ。うまいね、ほんと。
メキシコ出身。今この世界で最も優れた役者の1人だと思う。
映画に映る一挙手一投足、目が離せない。息遣いがいいんですよね。
スティーヴィー・ワンダーの「人類愛」豊かな
「I Just Called To Say I Love You」を歌う場面が狂った世界の描き方として秀逸。

見えること、見えないこと、見えているということ、見えていないということ。
この区別についてもうちょっと哲学的な考察の入ったストーリー展開だったら、
名作となったと思う。踏み込もうとしつつ、寸止めにしたようで、もどかしかった。
そこもまた、残念なところ。
突然視覚が奪われることによって、人はどんなふうに変わるものなのか?変わらないものなのか。
集団として寄り集まって暮らしていくうちに、人はモラルが低下していくだけではあるまい。
例えその日その日を生きていくのがやっとだとしても。
だからこそ生まれてくる希望や考察がありえるのではないか。
その中でたった1人「見えて」いるならば、彼女にも何かしらの思いが生まれてくるのではないか。
盲人たちの世話に明け暮れて疲れきる以外に。

ジョゼ・サラマーゴの原作は実はそこまできちんと踏まえているのではないかと、気になった。
読んでみたい。

パンフレットを買ったらとても分厚かった。
映画の場面を切り取った写真が多く、白と黒を基調にしたデザインがとても美しかった。
主要な役者へのインタビューなど、情報量も多い。
近年まれに見る、パンフレットの傑作。


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