11月3日
 中島みゆき(様)のアルバムが、なぜか一ヶ月延びになりました。なんでかなあ、と思っていたら、実はジャケットのデザインがっ!!
 最初、ジャケットのデザインはこのようなものでした。ご存知、岩波文庫の表紙をまねたもので、言葉の魔術師・中島みゆき(様)らしい、こだわりのジャケットなのですね。おりしもデビュー25周年。こいつはめでたい、素晴らしい。笑える(実は「岩波文庫」、と記されるべき個所が、彼女の所属レコード会社にちなんで「山波文庫」となっている(^_^;;))ジャケットなのですが…。岩波さん、クレームつけたのねきっと。
 国文科出身のアーチストなんてそうそういやしないんだし、これくらいの遊び心はあってもいいと思うんだけど、歴史ある岩波文庫の看板にキズがつくとでも思ったのかね。でもこのデザインの案が通った時点で多分、岩波書店にも連絡が行ってる筈だし、途中まではOKだったんでしょうね。でも横槍が入ったか。
 凝ったユーモラスなデザインで、もったいないので、著作権違反ですが、ここに載せてみました。文句あったら直接言ってこい、コノヤロー! それに書影の再録も、これからはばしばし行っていこうかと思います。要は絶版にして手に入らなくするほうが悪いのです。絶版にした本の書影を使用したからと言ってクレームをつけてくるのは、お門違いもはなはだしい。こちらは悪意で載せているのではないのですから。名の通った雑誌とかには自分のほうで書影を提供するくせに、名もないサイトにはクレームつけるような権威ぶった輩は、愛書家の敵ですね。本を提供する側の出版業界が、実は書物の正当な流通の妨げになっているというオハナシ。

11月11日
 ちかごろ本が読めなくて禁断症状を起こしています。たまに人を見ると狂暴になったり、たまに皮膚の下を虫が這いずり廻ったり、たまに夜の交差点でお経を唱えたくなったり、たまに手が震えて字が書けなくなったりしますが、すべてこれ、禁断症状です。憐れんでやってください。
 それにしても読書の秋真っ盛り。読みたい本が次から次へと出るわ出るわ。自制心を保つのに必死ですね。その中でもイチオシなのが、
『つまらぬ男と結婚するより一流の男の妾におなり』
というごっついタイトルの本です。草思社という出版社から出ています。著者はフリーの女優、樋田慶子。うーん、あんまり聞いた事のない名前だぞ。でも内容はバカ受け。伊藤博文の愛人だった祖母から、つまらぬ男と結婚するより一流の男の妾におなり、と教育を受けた彼女もまた、色んな一流の男に見初められて浮名を流すというものらしいです(まだ読んでないからホントかしら)。
 そうね。やはり自信のない男ってつまんないものよ。一流の男のほうが何にしろ立派なもの(卑猥な意味ではないのよ〜)。という訳で、オンナを挙げるための必読書でしょう。アタシはもういいのよ、枯れたから…。
 なぜかバーバラになったところで、おあとがよろしいようで…。

11月16日
 ひと月待たされて、みゆき様のアルバムが出ました。ああ、涙、涙…。
 今回はなんだかソフトなサウンドで、マイナー・メロの多いみゆき様にしては、メジャー・コードの曲ばかり。なんだかエンヤみたいな癒し系かしら、と最初は戸惑っていたのですが、聞くにつれいつもの感動が沸沸とこみ上げてきて…。ゆうべ、嗚咽しちゃった。あは。
 今度のアルバムは先月の日記にも書いた通り、
『短篇集』というタイトルで、小説みたいなリアリティ溢れる詞をかってに想像していたのですが(あるいはさだまさし風)、見事にハズされました。むしろ、素材に凝ったといいますか、いつものみゆき節とはちょっと毛色の変わった詞があって、これはこれでとてもいいかなと…。
 特にこのアルバムの中で注目すべきが8曲目の
「結婚」。小さな男の子が、より小さな男の子に「結婚するぞ」と言ってるという詞に、ショタでないけど私もどっきり。で、「決闘」を「結婚」と言い間違えていたのだと若い母親が理解して、子供に質すのですね。その話を職場で披露していると、若くない社員が「結婚と決闘は同じ時もある」とぽつり。母親、黙っちゃう。そういう歌です。面白い〜。こんなこと書いちゃって、みゆきサン嫁に行くのを諦めたか、とも思いましたが、これもまた人生の真実よ。
 あと4曲目の
「後悔」と、5曲目の「MERRY−GO−ROUND」が、いつものみゆきらしい屈折系の歌で、心に響きます。2曲目の「帰省」はなんだか昔のアルバム『寒水魚』の「時刻表」を思わせるしみじみした社会派ソング。そして「夜会」の作風を思い出させる天上の歌「天使の階段」のイノセンスな響きは、他の誰にも真似できない味わい。10曲目の「Tell,Me Sister」のパーフェクト姐さんの心に潜んでいた孤独を謳い上げる筆致は、もう独壇場。いいアルバムですね。最近特徴的な、くどい歌い方はあまり採用されていないので、みゆきはあんまり聞いたこともない人にも勧められますね。とは言え、みゆきは暗いから聞きたくないなんて思う人に無理に聞かせてやる必要など、さらさらないのですが。そういう人とは、ま、縁なき衆生ってことで…。

11月25日
 今日は筋金いりのゲロゲロ本を読んでしまいました。『愛犬家連続殺人』(角川文庫)というノンフィクション。す、すごすぎる…。去年『共犯者』のタイトルで新潮社から出たばかりでもう文庫化。さてはと思って買ってみたら、やはりすごかった!
 愛犬家連続殺人事件って皆さん覚えてます? 5年前、埼玉の熊谷で起こった事件で、その頃ワイドショウなんかでも連日取り上げられてましたよね。あの事件で死体損壊・遺棄で逮捕された共犯の男が書いたものなのです。当事者しか目にすることのできないゲロゲロな描写が、すごすぎます。私、久しぶりに食欲なくしましたもん。
 主犯の男はホンモノの鬼畜なのですが、それを淡々と描写するほうも、たいしたタマだと思いました。どこかのゴーストさんが書かされた本に違いないのですが、それにしてもすごい…。殺人、人間解体、死姦、うおおお、私は読んでいる間じゅう、さぶいぼが引かなかったぞ。
 さいきん活字の本を読んでないなあ、と思って買ったのですが、まあ、よりによって、すさまじい本ですこと。「マーダーケースブック」とか愛読の向きにお勧め。てゆうかそんじょそこらのホラアより怖かった。
 あと、今日は三島由紀夫の割腹・斬首30周年ですね。いちど、三島の生首が転がった写真を見てみたいものです。たしか、朝日新聞に掲載されたんですよね。来週、図書館で調べてみよーっと。
 三島由紀夫の死は様々な影響を各方面に与えましたが、死に方がどうあれ、優れた作家であることには違いありません。今、没後二度目の全集が刊行され始めたところです。私も買っています。皆さんも如何ですか? 文庫が絶版の作品とか入ってて、断簡零墨まで漏れなく収録した、久々の個人全集らしい全集です。全42巻と気の遠くなりそなヴォリュームですが、買ってソンはないでしょう。新潮社も気合入ってます。井上靖や遠藤周作のときは純文作品だけ収録、と腰抜けだったのにね。