2月28日 加納光於の画集 
 結局、↓の加納光於画集、買っちゃいました。カードは便利やねえ。リボで払い終わるのいつかしら。考えると怖い。
 自分にご褒美上げて、頑張りましょう。ということなのですが、どうも近頃、自分へのご褒美がやたらと多い(笑)。私は節操と言う言葉の意味を見失いつつあります。なーに、自分が一番かわいくない人なんていないでしょうよ。
 でもね、小沢書店の倉庫に1セットだけ残ってたんです、と本屋のひとに言われたらアナタ、もう買うしかないでしょ。これを逃したら一生手に入らんぞってね。こうやって人間はどんどん堕ちて行くものなのよ…。ふっ…。
2月14日 小沢書店のためのレクイエム 
 私の好きな出版社の一つ、小沢書店の廃業から半年、今、池袋のジュンク堂書店で小沢書店の本が特価で売られています。1冊でも多く救ってあげたい気分で私は毎日のようにジュンク堂に通い、読み残していた本を漁っています。高かった本が安くなって手に入るのは嬉しいには嬉しいのですが(なんせ2000円とかの本が800円とかにダンピングされている)、ここで買い逃すともう会えないのか、と思うと涙が溢れてきます。ああ、加納光於の画集が全3冊で20000円。これが買えたらもう何も思い残すことはないです。でもジュンク堂にある加納画集は実は外箱が欠けていて、あんまり欲しくない…。きっとあと十年もすれば古書でとんでもない値段になっちゃうんだろうね。
 加納さんはこのサイトでご存知、服部まゆみ氏の師匠です。インタリオ、という銅版画の1種が特に美しい版画家で、スペクトル分析のような知的な美を湛えた抽象版画が素晴らしいです。私はこの方の画集を手にするのが夢でした。小沢書店の本ってすぐに品切れにならないので(うまくすると20年前のものが在庫があったりしていた)、いつか自分で買えるようになったなら、絶対買おうと思っていたのでした。が、このようなことになってしまいました。
 去年は私のひいきの出版社の廃業が相次ぎました。ペヨトル工房も、ミルキイ・イソベの独特の金属質な色合いの装丁が美しく、異端の文学ばかりを出版していたゴキゲンな出版社だったのですが、業務停止となりました。こういっちゃなんなのですが、下らない本(どういうものかは敢えて言いません!)をどかどか出版して知性も良心も感じられない大手出版社がおめおめと生き残っている一方で、このような素晴らしい得難い書物を提供してくれていた小出版社が次々と消えて行くのは、出版不況の昨今とはいえ、なにか間違っているような気がします。誰かの責任にする訳にもいかないのですが、やっぱり大衆に迎え入れられないマイナー・ポエットの文学は、文化として守っていかねば消えてしまうのでしょう。国書刊行会とか奢覇都館(うーん、覇の正しい字が表示できない…)とか大丈夫かな。
 でももうお金も尽きました。小沢書店に肩入れしてカード破産するのもいやだし、せめてもの救いが、小川国夫全集をリアルタイムで買い揃えていたことでしょうか。今、まとめて買うほどの財政力はないのよね。よかった…。
2月7日 パーティーの終わり 
 書評を書くためにポール・ラドニックの『あそぶが勝ちよ』(白水社)を読んでいて、むしょうに映画の『フィフティー・フォー』が見たくなりました。NYにあった伝説のディスコ、“54”を舞台にした青春映画です。
 ライアン・フィリップ演じるニュージャージー(NYの隣町だけど田舎扱い)の少年が、ひょんなことから“54”のウェイターとして雇われて、有名人と知り合いになって有頂天になるけれど…という話。
 なんで栄枯盛衰という言葉があるんでしょうかね。私は華やかなものは華やかなままに、愉快なものは愉快なままに永遠に続けばいいと思うほうです。まだネバーランドの存在を信じているかのように。
 小説『あそぶが勝ちよ』もとても面白くって、くすくす笑いながら読んでしまうのですが、ラストの苦さには、なんか望んでもいないのに現実に引き戻される印象です。『フィフティー・フォー』はもっと苦い! 宴の終わりを鮮やかに描き過ぎている! 泣きたくなるよ。
 “54”は最初、カポーティ関連の本を読んでいて知りました。私が愛してやまない作家の一人、トルーマン・カポーティ。彼が夜な夜な通いつめたディスコってどんなんだろうってね。ここまでいかがわしいとは知りませんでしたが…。
 ラドニックの小説はクラブ遊びに明け暮れる人々の姿をコミカルに描いたものですが、私は時には終わらないパーティーがあってもいいのでは、と感じました。私がそんな小説を書けばいいのでしょうが、生憎、生来の出不精であんまりクラブのディスコのを知りません。行ったことはあるけれど、はまりはしませんでしたね。でも嫌いじゃないです。ただ疲れるだけ。
 だから、そういうところで遊び惚ける人たちの気持ちは痛いほど判るのです。この世に一つくらい、終わらぬパーティーがあっても、と夢想するのです。終わりなき宴はいずこに???
 それにしても、“54”のオーナー、スティーヴ・ルベル役のマイク・マイヤーズの怪演が心に残りますねえ。『オースティン・パワーズ』や『ウェインズ・ワールド』が代表作、うーん、こういう怪優、好きだなあ。
2月2日 『兵士の物語』 
 ストラヴィンスキーの音楽劇として有名な『兵士の物語』を、渋谷のPARCO劇場に見に行ってきました。出演はいっこく堂と篠井英介です。なかなかエスプリの効いた演出で、面白かったです。もともとの劇もCDがあるのですが、正直いってそんなに独創的な作品でもないし、クラシック・マニアならいざ知らず、普通の観客には辛いんではと思っていたのですが、杞憂でした。
 原作から離れた篠井さんの語りが要所要所で笑いを取って、「うまいな」と思わされました。あと、腹話術の人形を持たないいっこく堂というのも、なかなかレアで、見物でしたね。一箇所だけ辛抱堪らず人形にご登場願って笑いを取る個所もありますけど。
 ストラヴィンスキーがなぜこういう破天荒な形式の劇を作ったのか、ということも、幕間に手短に説明をしてくれて(これはコンサート・マスターのお仕事)、ユニークだったです。
 久しぶりの観劇で、なんか得をしたような気分です。
2月1日 太巻き食う? 
 今、大阪の友達から電話がありまして、節分の行事の話になりました。で、「節分にはどこかの方角を向いて太巻きを食べるんやったよな。どこの方角だっけ?」、と言われて、ぽかんとなりました。そんな行事あったっけ??? 性格の悪い人なので(見てる? ふふふっ)、私をからかって遊んでいるのかもしれませんが、生まれてこの方そんな話、聴いたことあれへん。少なくとも私の田舎の和歌山県K郡ではしない…。
 もしかして私が知らないだけで、すごく恥ずかしいことなのでしょうか。皆さん、教えてください。