3月26日 田園将に蕪れなんとす 
  帰去来兮(帰りなんいざ)
  田園将蕪胡不帰(田園将に蕪れなんとす、なんぞ帰らざる)
 陶淵明の『帰去来兮辞』の有名な歌い出しです。この言葉を思わず口ずさみたくなることがありました。私は今回の里帰り中、身の毛もよだつ話を聞いてしまったのです。
 母が乾電池を取り替えていたのです。そして、その乾電池を燃えないゴミの袋に放り込んでいました。まあ、ここまでならよくある話ですが、母いわく、「畑に埋めてる家もある」とのことでした。燃えないゴミとして出すのは大変だから、とてもいい処理方法だと思っていたようです。
 私は今まで、乾電池が埋められて水銀に汚染された畑の作物を、おいしいおいしいと食っていたのです。ショック!
 我が家は畑がないからよかったものの、色んな野菜などは買ったことがありません。全部、近所からの戴き物で事足りていたのです。でも、まさか、その野菜が、乾電池の棄てられた畑で作られているなんて…。これはまいった、と思いました。
 無知が恐ろしい結果を引き起こしているかも、と思うと、とても故郷の町の野菜を口にする気にはなれません。役場にもゴミ処理の件で相談したい、と思ったくらいです。
 田園は今、蕪れようとしているのでしょうか。
3月24日 春の便り 
 2週間ほど実家に帰ってきました。私の実家は和歌山の高野山のふもとでして、山深い里です。それでも日本の中じゃ南のほうだから、春の息吹がここかしこに感じられて結構なものでした。鶯も谷に谺する声で鳴いてましたっけ。
 そのついでに、南紀白浜にも足を伸ばして、温泉につかってきました。『万葉集』にも「牟婁の湯」として出てくる古くからの温泉地でして、さすがにいいお湯でした。硫黄の香りもご愛嬌。
 梅を見ようかと思ったら、ちょっと遅かったようですが、梅干はたくさん食べてきました。近頃は甘く調味した梅干が人気があるようですが、私は昔ながらの酸味と塩気の強い本漬けが好きですね。乾燥すると塩を吹くアレですよ。
 海の表情も春の穏やかさに充ちていて、今年も春が来たなあ、と体いっぱいに感じてきました。春はいいですねえ。もうすぐ桜が咲きますね。
3月1日 F語の氾濫 
 はてF語とはなんじゃいな、と思ったアナタ。ちょいニブね。フフフって笑ったアナタ。鋭すぎ。
 F語とは、Fではじまる4文字言葉のことです。『マグノリア』という映画を見てたのですが、とにかく登場人物どいつもこいつも、F語をガンガンおっしゃる。いやあ、迫力ありますね。とってもお下品な言葉なのですが、やはり感情の昂ぶりを表すのには最高の言葉ではないかと、思ったのです。
 F**k You! F**k You!とそれはもう、口汚くひとりごち、B**l S*t! と罵る。もうここまで来ると、F語は素晴らしいコミュニケーションの一種だろうとまで思っちゃう次第。
 映画自体はそんなに下のほうのお話に支配されてる訳ではないのです。むしろ、人生の悲哀が見事に描かれていて、思わず涙を浮かべてみてしまう、そんな映画です。でも、それにしても登場人物たちの口汚いこと…。
 翻訳家の青山南によれば、『F語辞典』なるものもあちらでは出版されているそうな。それもあり得るな〜と身につまされます。でも、ああいうふうに気持ちよく罵れたら、それはそれでかっこいいんではないかと、思っています。
 F**k You! …へへ、言っちゃった。