8月30日 そばやうらめしや 
 例年、夏の暑さには負けたことのない夏男の私ですが、ことしは猛暑と暑い最中の引越で、ついに夏バテと相成りました。水気以外が咽喉を通らぬこともしばしばで、心なしか顔もほっそりとしたような…。
 引越のあとの作業がたけなわで、なかなかゴハンを食べに出る時間が取れなくっていらいらすることが多いのですが、昨日も晩飯時に、さっぱりとしたものを求めて街にさ迷い出ました。そしたら、昨日は水曜日で、どこもかしこも定休日。ことにたのみの綱の蕎麦屋が全部閉まってて、あらら、あて外れ。
 新居(と言っても旧居のすぐ傍ですが)の周辺はあまりいい食事どころがなくって、ラーメンとかハンバーガーとかばっか。若い核家族や学生の多い街なので仕方ないとはいえ、昨日の昼もラーメン食ってもどしそうになりましたしね(ああ、夏バテ深刻…)。
 しょーがねーや、焼肉屋で肉ちょっととビールと冷麺(日本蕎麦とコレは私の好物)でも食うか、と思って、通りを渡りかけた、その時!
 目の前を走り抜けていった一匹の猫が、ワゴン車に!!! 
………ふぎゃあああっっっっ!!!!
 あーあ、もう
焼肉とかハンバーガーとかはダメだな……。
 コンビニで蕎麦を買って帰って、お部屋で食べたら、ベッドに蕎麦つゆを盛大にこぼしてしまいましたとさ。ああぁぁ…、部屋が蕎麦つゆくせええ…。
8月23日 引越の時にいつも思うこと 
 引越が大変です〜〜。なんせ専門のものも含めて本がウン万冊あるので、これを箱詰めするだけでもう死にそう。それにしても、段ボールの虚しい山を前にして、私はつくづく感じています。色んなことを…。
 そもそも、本棚の奥に意外な楽しみなどありはしません。そこは読まなくなった本の墓場。お化けよりもタチの悪い邪魔者が、てぐすね引いて待っております。いつも読みたい作家などは入口のほうにショーアップされているので、どうしても興味のなくなった作家などが
ごそっと出て来ることが、ままあります。これはほんまに虚しい。
 ただ処分すると言っても、近頃はあんまり本って売れないし、ブックオフなどに買取に来てもらうほどは出ないのです。買取来てほしくても、もはや引越は3日後に迫っていて、とてもそんな時間がない。
 本ってほんとに場所塞ぎだし、引越のときほど本が邪魔と思うことはないですね。すべて、買って読んでそのまんまにしている私が悪いのですが、なんだか天を恨みたくなります。いや、それとも、ドラえもんにお願いして、本棚ごとワープさせることなど出来ないものでしょうか(ああ、逃避してる…)。
 てなこと考えながら、また荷造りに戻らねばなりません。次の引越先は、もよりの駅を挟んで僅か500メートルのところです。なのに全部箱詰めしなければならないのね。嗚呼、人生って無情…。
 ドラえも〜〜〜ん!!!(←のび太ふうにナサケなく叫ぶのさっ)
8月15日 八月は鎮魂の月 
 今日はお盆ですね。京都じゃ明日大文字焼きだし、精霊流しとか、万灯会とか、風情があってよろしいな。私は家の引越作業で、段ボールの山に埋もれておりますが…。
 八月って、私が私淑する作家の命日が多いんですよ。立原正秋、澁澤龍彦、中上健次…。それもお盆前の数日に固まっている。一番暑い時期なので、病人がもたなくなるんでしょうけれど、こちらとしては色々と感慨もある訳でねえ。
 首相の靖国参拝問題も話題になりましたが、たしかに、この月は日本人にとって死者との交歓の月ですから、靖国問題も、あまり政治的な問題に捉えて欲しくないです。私の母方の伯父もサイパンで玉砕して、おそらく靖国に祀られているはずです。死者に逢いたくて靖国の大鳥居をくぐる方も、いまだにいらっしゃることでしょう。私はまだ近しい人がみな健在なので実感はないですが、いずれ身内の者を亡くしたら、やはりしみじみと、死んだ人にもう一度逢いたいなあ、と思うのでしょうねえ。
 終戦を宣言した日が、死者の魂祭りの日にあたってしまったというのは、なんという歴史の皮肉でしょうか。戦争で亡くなった方々の記憶が、こうして永遠に忘れ去られることがなくなったのですから。先週アニメ『火垂るの墓』もテレビでやってました。あれももはや夏の風物詩ですね。
 また、大切な人をいきなり事故で奪われた方もたくさんおいででしょう。特にこの月は、忘れちゃならない、日航機墜落事故のこともあります。あれからもう16年経ったのですね。でもまだ遺族の哀しみは風化していないでしょう。ついこのあいだも『墜落遺体』という本がベストセラーになって、改めて飛行機事故の恐ろしさを思い知らされましたし。
 欧米は万霊節は11月だし、お化けの季節も冬なのですが、日本はやはり、夏が鎮魂のシーズンです。普段忙しさに紛れて、逝った人のことを考えることのない方も、たまには追憶に浸ってみるのもいいのでは。キンチョウのキャッチコピーをもじって言えば、「鎮魂の夏、日本の夏」、ってことでしょうか。
8月9日 虻蜂取らずの人生 
 サイトの引越作業をしていて思ったのは、全体的にものの見事に統一が取れていない、ということだった。幻想、本格、名探偵…。耽美、社会派、えとせとら…。
 私の頭の中のポケットもこのように種々雑多なものが散乱する、おぞましい空間となっているに違いない。おまけに私は本業の古典文学もあり、ウラサイトの○○文学のほうもやっているのだ。
 きっと私の人生は、ひとつのことに集中できずに終わる、典型的な「アブハチ取らず」の人生になるのだろう。そう思ったら、なんだか無性に虚しくなってきた。