10月21日 『アオキガハラ』 
 皆さんは『アオキガハラ』という写真集をご存知でしょうか。喩えて言うならそれは、彼岸の光景です。いや! 此岸に残していったみにくい姿…。ああ恐ろしい…。
 1999年にケイエスエス出版から出た写真集ですが、青木ヶ原樹海で自殺し果てた
ほとけさま
を写したものなんですね。ほんま、ようこんなもん出したもんやわー。
 たとえば藤原新也の『メメント・モリ』(情報センター出版局)なども、死体(
主におコツ)が載っている写真集ですが、インドで撮影したものがほとんどで、インド的諦観が全面に表れていて、とても見ていて和むのです。でもこっち『アオキガハラ』は…。
 死者の怨念が響いてきそうな写真集で、自殺などで身内の方を亡くされた人にはとても勧められるシロモノではありませんが…。
 松本清張が『波の塔』のヒロインをこの樹海で自殺させたことから、自殺の名所としての青木ヶ原が全国的に有名になったと聞きます。男性のとある年齢層では昨年の死因のトップが自殺であるというニュースも聞いたことがあります。でもね、
でもね、でもね、でもね…
 きっとこういう写真を眼にすると、気持ちが変わるかもしれません。心迷っている人、こんな姿になりたくないでしょ。明日もとりあえず生きてみては? 私も鬱の時、これを引っ張り出して眺めることがあるんですよ。
10月20日 ばり読 
 皆さんは「ばり読」なるものをご存知ですか? 青山南氏が『眺めたり触ったり』(早川書房)という読書エッセイで紹介していた読書法のことです。あれ〜〜、愛書家の方にとってはヤな予感がしますよねえ。そうです、その通り! 本のページをバリッと千切って、どこへでも持っていって読むという、極めつけの携帯読書法です。ああ、本をばりばり破るなんて、とても俺には出来まいが、一生に一度でいいからやってみたい…その爽快感を味わってみたい、と思う私は小心者の愛書家でございます。
 今日、帰りの電車の中で、そのばり読を初めて目撃してしまったのです!
 各駅停車は終点も近づき、夕方にしてはわりと空いていました。客はだいたいみんな、座席に座って思い思いのことに耽っています。
 が、突然、
ばりっ、という音が私の座る近所から響いて参りました。てっきり銀紙がさがさ音さして、ハンバーガーでも食ってるお行儀の悪い人がいるのかと思いました。
 が…が…んがっ…向かいの座席に座った、サラリーマンの50がらみのおぢさんが、文庫本の中表紙を、
ばーりばりと剥がしているではあ〜りませんか(チャーリー浜ふう?)。
 表紙を剥がされた
イナバのシロウサギ文庫本を、さらにおぢさんのSM責めが待っておりました。前から順にページをまとめて10ページずつくらいばーりばりああっ、いやっ、もうやめて、あたし耐えられないの、んくっ、っはあっっ、シャトオ・ルージュっっっ!!! てーな感じでバーリバリ。私は身の毛もよだつ思いでその蛮行を眺めていました。内心、早よ終点の駅についちくり〜〜と嘆願しながら…。
 おぢさんは僅かの時間に見事に一冊の文庫をばらし終えました。ちょうど駅に着きました。私は降りがけにおぢさんの手の中の文庫のハシラをちらっと覗き込んでみました。峰○一○氏の時代小説でした。
 まさか文庫のほうも、こんな姿にされるなんて思ってもみなかったであろうに、この仕打ち。おぢさんは私の前を通り過ぎて、駅の改札に消えてゆきました。バラされた本は明日の通勤の時にでも読むのでしょうね。それにしても、まだ文庫だからいいが、一冊何千円もするハードカバーでも出来るのでしょうか。聴いてみたかったです。まあ、あのおぢさんならするね、多分。
10月2日 近鉄バファローズと正史 
 近鉄バファローズ優勝しましたね。ほんっとに久しぶりで、嬉しいです。あのいてまえ打線が復活して、見ていて胸のすくような攻撃を見せてくれるので、あのの再来かと思いましたよ。思わずロゴを作ってしまいました。むふふ。ちなみに私は礒部選手がお気に入りです。もちろん中村紀やローズも見ていて頼もしいです。あとは悲願の日本一だけだな。願かけてやる! 打倒スワローズ!! でもほんとは巨人を相手に日本一をもぎとって欲しかったな…。でもここだけのハナシ、投手がちょっと…
 さて、今、ヤフオクに変わったものが出品されています。
横溝正史の肉声入りバファローズ初優勝記念レコードなるものです。存在自体は以前から知っていましたが、やはりと言うべきか、まさかと言うべきか、このめでたい年に現れ出たのです。正史は関西出身で、阪神ファンかと思いきや、近鉄ファンだったのですね。近鉄がパールズ時代からのファンだったようで、ずいぶんな喜びようだったと聞きます。でもヤフオクで1万円と言うのはビミョーですな。
 国民的作家とバファローズ。なんとも???な取り合わせですが、こういう年にこそお目にかかれる一品のような気がします。