藤本泉の部屋


作家紹介
 1923年2月、東京に生まれる。その後、父親の故郷である、静岡県小笠郡菊川町で育つ。
 日本大学国文学科卒業。現代文学を専攻するが、後に王朝文学に開眼する。父が幼稚園を経営していたため子供に接することが多く、童話や絵本を自ら作成、小説への夢が芽生える。
 1947年、学校教師と結婚。
 50年代に、同人「文藝首都」に参加。習作を発表。この頃の作風は私小説だが、60年代に新左翼系の思想に触れ、影響を受ける。
 1966年、「媼繁昌記」で第6回「小説現代」新人賞を受賞。
 1968年、第1長編『東京ゲリラ戦線』を上梓。
 1971年、『藤太夫谷の毒』が乱歩賞最終候補に残る。これは後に改稿して『地図にない谷』として出版される。
 1976年、『呪いの聖域』で直木賞候補になる。この作品を第1作として《エゾ共和国五部作》と呼ばれる長編連作(『時をきざむ潮』『呪者のねぶた』『針の島』『呪いの聖女』)を執筆。
 1977年、『ガラスの迷路』で日本推理作家協会賞長編部門候補になる。
 同年、『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞受賞。
 また、76年の『源氏物語99の謎』以降、古典文学を独自の視点で解読するノンフィクションを発表。『枕草子の謎』『作者は誰か「奥の細道」』などを出版。
 1986年、西ドイツのケルンに移り住む。
 1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶つ。一説に、共産国家崩壊期の東欧で取材中拉致され、処刑されたとも言われているが、その真相はわからない。おそらく風説であろう
 没後の1994年、篠田節子『聖域』の登場人物<水名川泉>(ネーミングは皆川博子の姓+藤本泉の名?)のモデルにされる。
 出版される作品の冒頭に必ず<巻頭詩>を掲げる独特のスタイル、土俗性に満ちた伝奇、奇想に富んだSFなどで、いまや伝説の作家と化している。

書誌

作品名 刊行年月 出版社 種類 文庫 備考
東京ゲリラ戦線 1968.12 三一書房 長編小説 1978.8 早川JA文庫 初版さんいちぶっくす
オーロラの殺意 1974.1 双葉社 長編小説 1978.1 早川JA文庫
1985.6 双葉文庫
初版フタバノベルス
地図にない谷 1974.9 産報 長編小説 1982.1 徳間文庫 初版サンポウノベルス
呪いの聖域 1976.3 祥伝社 長編小説 1979.5 早川JA文庫
1987.5 旺文社文庫
初版ノンノベルス
血ぬられた光源氏 1976.7 潮出版社 長編小説 1985.4 廣済堂文庫 初版ゼロブックス
ガラスの迷路 1976.8 光文社 長編小説 1981.8 徳間文庫 初版カッパノベルス
源氏物語99の謎 1976.8 産報 ノンフィクション 1984.4 徳間文庫 初版サンポウブックス
時をきざむ潮 1977.9 講談社 長編小説 1980.9 講談社文庫 講談社ロマンブックス版もあり
呪者のねぶた
 ⇒呪者の殺意
1977.11 祥伝社 長編小説 1988.6 廣済堂文庫 初版ノンノベルス 文庫化時に改題
針の島 1978.10 光文社 長編小説 1983.7 徳間文庫 初版カッパノベルス
呪いの聖女 1979.8 祥伝社 長編小説 1986.6 廣済堂文庫 初版ノンノベルス
源氏物語の謎 1980.8 祥伝社 ノンフィクション 初版ノンブックス
秘聞一向一揆 1981.9 廣済堂出版 長編小説 廣済堂ブルーブックス版もあり
枕草子の謎 1982.3 廣済堂出版 ノンフィクション 1988.6 徳間文庫 初版廣済堂ブックス
暗号のレーニン 1984.11 講談社 長編小説 初版講談社ノベルス
時界を超えて 1985.5 旺文社 短編小説集 1985.5 旺文社文庫 文庫オリジナル
死霊の町 1985.8 角川書店 長編小説 初版カドカワノベルス
王朝才女の謎 1986.4 徳間書店 ノンフィクション 1986.4 徳間文庫 文庫オリジナル
作者は誰か「奥の細道」 1986.7 パンリサーチ・インスティテュート ノンフィクション
一〇〇八年源氏物語の謎 1986.10 旺文社 短編小説集 1986.10 旺文社文庫 文庫オリジナル
「源氏物語」多数作者の証 1988.4 講談社サービスセンター ノンフィクション 自費出版と思われる
「土佐日記」から「奥の細道」まで 1989.1 講談社サービスセンター ノンフィクション 自費出版と思われる
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