幻想ミステリ博物館館長日記 特別編 未知なるうどんを讃岐に求めて(二) 9月14日

やまうち…どしゃ降りの雨の中でうどんと叫ぶ


Tさん手のみ特別出演ちう。
泥沼と化すやまうちの駐車場。
 ♪どっしゃぶりぃのあめぇのなかでぇ、わたすぃはさぁけぇぶぅぅ〜〜〜〜(「どしゃ降りの雨の中で」Song by 和田アキ子)
 「……うどん、食わせ〜〜〜〜〜!!!」
 と、アキ子が叫んだかどうかは知らないが、アキ子でも腰まで浸水しそうな豪雨の中、車を西へ走らせるわたくしたち。はたして「やまうち」の目印が発見できるかどうか、とても不安であった。
 というのは、やまうちの目印がとてもわかり辛いと聞いていたからである。
 しかも道がまた凄いそうな。ここでついに神聖なるバイブル『恐るべきさぬきうどん』第1巻から、やまうちへ上がる道の説明を引用させていただく。
 「途中で線路が右側にくっついくるけん並んで走っりょたら右に山へ入るみたいな道があって、それピュッと右に入ってちょっと行ってギャッと左曲がってクネクネッと山上がったら、ある。」
 誰がわかるかそんな道、である。ところが案に相違して目印の看板はたやすく見つかり、ピュッ、ギャッ、クネクネッと行けた。おそらくうどん景気で、やまうち近辺は草刈りや道路の整備が行き届いているに違いない。こうして秘境がまたひとつ消えてゆく。
 和歌山で農家をやってる従姉の家にそっくりな、やまうちの店のたたずまいであった。というか納屋付農家以外のなにもんでもない。これで行列さえなければ秘境感満点なのだが、日曜日、致し方ない。
 行列は20人ほど。さすがにこの豪雨に恐れをなしたのだろう。傘の花咲く農家の庭で、ひとしきりうどんを待つ。肩が濡れるわ靴に泥水浸水するわ、それでも待つの。
 ところが店の前で怪しい動きをするやからがいた。テレビクルー!ホント、やまうち、テレビに人気やね。店のカウンターの中にまでカメラいるし、俺がうどん食ってるとこ映すなよ!肖像権侵害じゃ!とメンチ切っておく。
 さてうどん。ダシが濃厚な旨味があって、以前、やまうちで修行した人が埼玉で開いた店で食ったイリコダシとも全然違うことに気づいた。甘い、のである。べたべたした甘味でなくて、ダシの甘味。これはうまい。
 T氏から許されたのでゲソ天も食う。味のあるしっとり衣にやわらかゲソ。うめっ!
 ここでようやくさぬきうどんについての手ごたえを感じたのである。ただ水で締めたはずの麺が、埼玉某店(私の前歯返せ!)より柔らかかった。観光客のせいでさぬきうどん全体が柔らかくなりつつある、と麺通団の方々も歎いておられたが、そういうことなのか?
 これまた旅の数日前に見たドキュメンタリーで、やまうちの大将が現在病気で療養中、二代目がなんとか頑張ってる、というのを知ったが、麺が柔らかいのはそのせいだったんだろうか。
 やまうちでうどん食ってる間に雨が小降りになっていた。さて、次はどこへ行こうか!♪どっしゃぶりのあめのなかを〜わたしはあるく〜〜〜と脳内で歌いながら(アキ子が私の脳内で鳴り響いてたのを、さすがにTさんも気づかなかったであろう)。

脱力系植物園?ちゃんとお代払ってね。
性善説ってええのお。

ここも人だかり。カウンターの奥に
おかみさんと二代目大将がいた!

こっちが主に客席。わりと広い。みんな
一心不乱にうどん啜ってて怖い。

ゲソ天とひやあつ小。
だしは旨味濃厚!天ぷらしっとり。

最後っ屁でまた行列を映してみる。看板の
字のアンバランスさが前衛的でグー!

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