幻想ミステリ博物館館長日記 特別編 未知なるうどんを讃岐に求めて(三) 9月16日

前場…おかず棚の向こうの天国


前場のおかず棚はスバラシイ!
今度ここだけ来て全部味見したろか。
 次のお店は「前場製麺所」。Tさんが色々調べて決めた店である。『恐るべき』には取り上げられていない(はずだがね)。よって私は何の予備知識もなし。それが思わぬ感動をもたらすことに!
 やまうちを後にすること三十分で、我々は前場に到着した。地図を見ながらのナビだったが、まだ十然に讃岐の地理を理解していなかったので、その近さにオソレをなした。このペースで喰い続けるということは…
 …いうことは一日十うどんも出来てしまうかもしれない。ショーーーック!!!そんなにうどん食ったら人格変わってしまう…。
 人格崩壊の危機を感じながら、私は前場の前に立った。あいにく店前の画像は撮るのを忘れたのだが(撮ったような気がしているが多分デジカメの電源入れてなかったのかも)、さぬきうどん関係のあちゃこちゃで見れるので、まあ勘弁してちょうよ。
 前場ではそろそろ昼時の喧騒を過ぎ、午後の気だるさがたゆとうていた。客もまばら。それまで超有名店の行列の毒気に中てられていたせいか、すんなり入れて拍子抜けした。しかし、そんな脱力なわたくしのオケツを鞭でぶちのめすようなシロモノが目の前の壁に、どーんと貼り付けられていたのだ!!!
 「当店おいしい食べ方の手順」!
 な、な、なんと!子供がうどんのオイシイ食べ方を教えてくれるなんて、讃岐の国は奥が深い。老若男女衆生悉皆おしなべてうどんをおいちく食う。この素晴らしい自由研究で、私の目にうっすらと涙が宿った。うどんの仏様がいらっしゃるのなら、私が仏様を感じたのはこの瞬間。
 「ここはイリコだしがうまいらしいよ」と相方。でも私は既に心が小麦粉彼岸へと飛んでいた。
 さらに私に追い討ちをかけたのが、店のおばちゃん。自由研究が貼られた下に、とりどりの天ぷらやいなり寿司が置かれた棚がある。その棚の皿の隙間からおばちゃんが「うどんどうしますか〜〜?」と聞いてくれたのだ。
 最初どっから声すんねん、と麺食ら…もとい、面食らい、棚のむこうの調理場から声がしてるのに気づいて、びっくりびっくり。これで私の前場に対する期待がうなぎ登り。
 うどんと鉢をもらい、天ぷらのっけて熱いだしをかけ、さらにおでんまで取ってしまう。もうたまらん。おでんに味噌を塗り、お代を払ってテーブル席についた。ダシを啜ると、イリコがまろやかに香った。麺ももちもちで、勝手にお口に入ってしまう。
 冷蔵ケースの中に冷たいダシを発見してTさん興奮。
 「冷たいダシも飲んでみたい〜〜〜〜」
 でもあと何軒行くかわからんので却下。
 さらにこの前場、うどんのモトである小麦粉も売っていて、これが結構何種類も揃っていて、自分でうどん打つ人はぜひ行ってみるべきです。
 前場は天国である。うどん好きの天国。あの棚を見て、ここに住みたいと私は思った。今後、再訪しちゃうかもしれない。
 さて、そろそろ腹ごなしが必要となってきた我々だが、Tさんたら予定表に「松井」としか書いてない。そんな店、讃岐うどん検索サイトで調べても出てこない。もしやこの松井って、映画「UDON」のセット、松井製麺所のこと?
 車は丸亀市内宮池のほとりに立つ、松井製麺所を目指した。天候はまだまだだめなのだが、それでも飯野山(讃岐富士)が雲のまにまに見えたり隠れたり。ここがまさにあの映画のロケ地なのだ。
 松井製麺所、実物はすごかった。家はほんまに誰か住んでたみたい。映画のロケ用に中古物件買い取ったんか?でも池越しの讃岐富士といい、もう理想的すぎる。まさにこの家なくしては、「UDON」は撮れなかったであろう。
 丸亀市のテントや売店も出て、すっかり観光地化していたセット周りだったが、売店でおもろいもん見つけた。映画に出てくるキャプテンうどんのキャラクター商品のカップうどん。二個しか残ってなかったので買い占めました(@_@)。でもまだ食べてません。明日相方んちに行くので、食うたろか。

こんにゃくおでんとすじandみそだれ。
かけ小+半熟卵天、さつまあげ?

これが感動の、前場美徳君の自由研究。
うどん屋の倅の誉れである。

ウワサの松井製麺所。
もちろん営業してまへん。

このリアリズム!本当に
誰か住んでた家を買い取ったのか?

右にこっそりと讃岐富士が見えてる。
映画「UDON」の象徴。

すっかり観光地になってました。
売店、トイレ、駐車場…とほほ。

このロケ地でしか手に入らないかも
しれない貴重なカップうどん。
キャプテンUDONがかっこいい?

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