幻想ミステリ博物館館長日記 特別編 沖縄ぶるぶる紀行(三) 2011年2月8日

朝から食堂にまみれる

金壺食堂の朝景 プラスチックのトレイがグー
朝一は食べ放題こんだけ
海産物えんがん 伊勢海老雲丹焼き
チヌマンのマース煮 イラブチャーの酢味噌和え

 翌朝、あまりの寒さに目が覚めると、エアコンが切れていました。コイン切れ…。素晴らしきかな安宿。
 そのおかげで早起きして食堂へ行くことが出来たのでした…まあ、最初からそのつもりだったんだけどさ。

 平和通りを突き抜けて、壺屋のやちむん通り入口で、辺りを見廻すと、その店は朝のうす靄った空気の中に、「頑張ってやってる」感を曝していたのでした。
 ここは「金壺食堂」。朝から500円で台湾精進料理の食べ放題がある、太っ腹な店です。ガイドにも取り上げられてわりと有名。
 ただ評判を聞きつけてか、テーブルは満席で、ちょっと待ってから、おもむろに入ると、先客が気を利かせて勘定を済ませて出てくれました。店の方と中国語で話していたので、多分、あちらからの観光客でしょう。そう言えば、そろそろあちらは春節(旧正月)の長期休暇ですね。街なかも中国系の客がかなり多いです。昨日のアウトレットにも、袋を沢山抱えたお大尽が!

 料理は…朝なのでまだ品数が豊富とは言えませんでしたが、それぞれ手の込んだ素菜(中国では精進料理をそう言います)が並んでいます。野菜たっぷり、昆布や豆腐、湯葉が使われていて、確かにヘルシーです。料理は、懐かしい学食のようなアルミトレーに入って並んでます。
 以前のような大食いはしなくなった私ですので、一度取った品で充分満足しました。でも朝は評判のチマキがないんでしょうか。それがちょっと残念。別料金でもいいから喰いたかった。

 朝の平和通りは昨日の賑わいを忘れたように、人通りもまばらで、時折、朝も早よからガンバって開けてる店もありますが、全体的に朝は遅そうです。犬を散歩させてる人、早起きオバアなどと擦れ違いつつ、宿へ戻ります。しばらくゴロゴロして、消化を助けます(笑)。

 さて、本日はレンタカーをチャーターして、気になるお店を廻り、いちおうリゾートっぽい所にも足を延ばしてみましょうか。いちおうですよ、いちおう。海にダイブしたり船でクルーズとか、我々の旅にはあり得ませんから。
 パレットくもじで車に乗って、北へ。那覇新港のあの「海産物えんがん」で、待ちに待った魚介料理を食べる魂胆。途中、あまりの寒さに危機を感じた相方がユニクロへ寄って上着を物色しましたが、あにはからんや、厚手のコートなし。まさかこの寒さ、沖縄の人には想定外? みんな冬ものをタンスの奥から引っ張り出して着とるんかい!
 店に着く頃、まさかの雨までポツポツ落ちて来て、「誰のせいかな〜?」と、相方にイビられる始末。俺のせいだよ、俺のせい、強力雨男!!!
 ついに沖縄に、寒波まで呼んでしまったのでした。あはあはあは…。多分そのうち俺が行くと、台湾に雪が降るってばさ。まったく無駄な(^^;)未知なる能力の目覚めを感じつつ、えんがんにオジャマしました。

 もうすでに出来上がった(何時から呑んでるねん)一同が座敷にいらっしゃって、他にも予約とかあるみたいで、流行ってますね。けっこうけっこう。いつ来ても店が存在すると言う安心感。ま、ここは那覇市沿岸漁協の直営店らしいので、そうそう潰れる心配ないでしょう。漁協の新鮮な魚が常に手に入るし、リーズナブルだし。
 昼飯に、早速私は念願のマース煮を。相方はひそかに狙ってたらしい、伊勢海老の雲丹焼きを注文。当然ながらどちらも定食ざんす。それと、イラブチャーの酢味噌和えも頼みました。身がユルいようで締まってる、あのコバルト・ブルーのド派手な魚が、気に入っているんです。沖縄来たらアレ喰わんと。

 イラブチャーがまず来ました。予想外のてんこ盛りに一瞬たじろぎますが、あっさりと食べられます。千六本にした大根と一緒に食感良く戴きました。ところどころターコイズ・ブルーの皮が残ってて、カラフル。こんなメタリックな色の魚が…という偏見は、東シナ海にでもほかして下さい。味噌もあっさりとしてて、塩分制限の私に…(以下略)。
 先に相方の伊勢海老が来ました。まさかの半身、うにまみれ、かなりのボリューム。これで2100円ね。以前はもっと安かったとか。あり得ない…。旨そうじゃ。一切れつまむと、半生の海老の身も雲丹もとろりとして、溜息が出ます。
 私のマース煮も来ました。あらかじめ、オバちゃんが「チヌマンしかないですけどいいですか?」と訊いてくれたのは何故かと、ここで腑に落ちました。一匹お頭つきではないのですね。しかもどっかんどっかん切り身が載ってて、前にここで食べた「マチ(ヒメダイ)」(なんくるなくない紀行をご参照のこと)とは随分違う様相を呈しています。なんか…雑(笑)。厨房が忙しかったのね。でも、味は保証付き。塩だけで煮た魚なのに、出汁でも入れたような旨味、魚は天然のオダシです。Oh!! イノシン酸!!!

 イミフメイにアミノ酸を叫んでしまいましたが、ここのマース煮はやはり、わざわざ来るだけの甲斐のある味です。今日の魚は要するに、カワハギの仲間のテングハギでした。だからそもそもがでかいのよ。

 朝昼と二度もいわゆる「食堂」に行ってしまいました。サイフの中身のせいで、もうオサレな店とは縁が切れたのか? いーえ、そんなチープな理由ではなくってよ。確かに安宿に泊まっても心は錦だが、そういうケチをしてるんじゃありません。行ったことない人は、いっぺん、沖縄の食堂でメシ喰うてみんさい。安くて腹いっぱいになるから!豪勢しようとうっかり頼んだら、えらいことなるよ、ホンマ。食べ切れない品が卓上にどかんどかん載るハメに陥るから!!
 しかし、この日は、まだ食堂にまみれ続けるのだった…。

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