幻想ミステリ博物館館長日記 特別編 沖縄くいだおれ紀行(二) 2005年4月20日

ジーマミーとナーベラー


あんつくの店構え
わくわく感が抑えられません

豆腐ようとジーマミー豆腐
フラッシュを極力焚かないようにしたので
少し怪しい物体のようですが…

これがナーベラー・ンブシー
白いのは島豆腐です

イムルドゥチ
帰りがけに訊ねたら、「味噌汁よ〜」だって
お祭のときとかに食す特別なミソスル

ナカミ汁
薄味でだしが効いててうまいっす

市場でT氏が買ったテビチ
帰って早速食ってみてうまかった

国際通りの土産物屋でT氏ご購入グアバ
洋梨のような食感とあっさりとした甘味
グアバ・ジュースのあの、
毒々しいピンクはしてません
 さて、山羊を堪能した私たちは、琉球料理店「あんつく」へ。ここもまたディープな立地。国際通りから少し住宅地へ踏み込んだ場所にあり、夕暮れ時に少し迷子になってしまいました。でも食い意地張った天使が、お店はここだよ、っておせーてくれました。それを単なる行き当たりばったりとは申しませんです、はい。
 お店は一歩中に入ると、シックな民芸調の内装。先客がちらほら、地味に酒を愛でていました。カウンターの奥で、店主のおばちゃんとあんちゃんともうひとりのおばちゃんが、無口に料理を作っています。期待できますね〜、こういうフンイキの店。
 沖縄料理ってえと、なんかと、三線持ち出して、四つ竹鳴らして、島唄歌って、「はい〜やっ!」とか「ハイサイおじさ〜ん」なんて騒ぎに直面するようなイメージがあるのですが(私の住む街の隣町にある沖縄料理はまさにそんな感じ)、それはそれでいー感じではあるのですが、まだやまとんちゅ(本土人)モードが抜け切れてない旅の者には、その過剰な陽気さがちとツライ。このあんつくはホント、じみーにうまいもん食わしてくれる店でした。
 私は泡盛「瑞泉」のクースを、T氏はシークヮーサー・ジュースを頼んで、おもむろにオーダーへ。お酒とお通しが運ばれてきました。
 私が旅行前からめっちゃ食べてみたかったものがあって、それが、「ジーマミー豆腐」というもの。漢字に直せば「地豆豆腐」でしょうね、つまりピーナツをすりつぶして葛で練り固めたごま豆腐、落花生版。ねっとりと舌に絡みつく葛の感触、味の淡い醤油アンがGOOD。ぷるぷるうまうま。
 そして「豆腐よう」。沖縄特有の豆成分の濃い島豆腐を泡盛に漬け込んだもので、「チーズのよう」と評される発酵食品です。ちびちびと爪楊枝で削りながら食べます。これがまた、旨味のカタマリ。泡盛の肴にめちゃイケてます。カビ系チーズよりもずっと淡白な味わいは、そのまま食べるだけでなく、野菜を和えたり汁に入れたり色々出来そうで、想像力がふくらむ食べもんです。
 さらに美味の応酬は続きます。ナーベラー・ンブシー(糸瓜の炒め煮)。本土では化粧水取ったりたわしにしたりして、あんまり食用にしない糸瓜ですが、沖縄ではうまい野菜です。味噌味の汁気たっぷり、豆腐と炒めてあって、柔らかくてでも歯応えは微かにあって、いいおかず。沖縄でしか味わえませんなあ。
 汁物も頼んでみました。名前だけで頼んだのが「イルムドゥチ」。白味噌っぽいのにだしの深い味わいがたまらない味噌汁で、豚肉や椎茸、油揚げが具でした。あとでカウンターのおかーさんに聞いたら、お祭のときに食べる猪汁もどき(イルのムドゥチ)らしいです。Tさんはこれがお気に召したとか。
 「ナカミ汁」はかつおだしがうまい臓物汁。こりこりぷにゅぷにゅのモツがえもいわれぬ味。こういう薄味のモツ汁なのに臭みなし。これまた丁寧な下処理がされてるんでしょうね。
 なんか沖縄の言葉って、
長音記号がどっさり入りますよね。ジマミ、ナベラ、チャンプル、エイサ、ヒジャ、シ、シクヮ…。南国ののどかさを感じて、なんだか私は沖縄ファンになりそうです。
 カラカラ(蓋つき徳利)で出される泡盛にすっかり酔って、店を出たら国際通りは宵の口、そろそろ駐車場の閉まる時間。真っ赤な顔でブルーシール・アイスの店に飛び込むと、私はジェラート片手にレンタカーの助手席に。一路、名護のホテルへ…。
 さて、この市場と通りで買った食べ物を、帰宅後Tさんちによって早速食してみました。テビチは甘辛なゼラチンとろとろでぷるぷるして、口中ねっとりと官能的な味わい。生のグアバの果実は香りはジュースでお馴染のトロピカルなアレですが、果肉が洋梨ぽく種がきつい。味はいたっておとなしい。なんか、あの毒々しい色を期待していたので、拍子抜けしました。食えないことはないっすねえ。
 まだまだ長い一日は続きますが、それは「三杯のソーキそば」の巻でお話します。翌日は山羊やらカミサマやら、色々とタタリに見舞われるわたくしたち…。請うご期待。(続く)
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