幻想ミステリ博物館館長日記 特別編 沖縄くいだおれ紀行(三) 2005年4月21日

聖地せーふぁーうたき


斎場御嶽の石碑

大庫理(ウフグーイ)
大広間ですね

三庫理(サングーイ)入口の奇観
鍾乳石が上に二本ぶらさがっていました

岩の割れ目からテラスを望む

久高島が見える東側のテラス

久高島遠望
ユタ(巫女)の生まれる島=聖地である

テラスにあった祭壇
この女性、コンタクティー(交信者)?

砲弾池への道
T氏の惨劇はこの先で起こった

寄満(ユインチ)
聖なる食物の調理場らしいです

ちゃんと断り書きがあったのに
それを守ってないと…↓

…こうなります
神への畏敬の念は持ちましょう
 翌日、シャワーを浴びたにもかかわらず、なんか体臭があるよなないよな…。まさかこれって、山羊のかほりか? ゆうべは孤閨を保つ熟女のごとく、体がなんか火照って寝れないのな〜。これも山羊? おそるべし山羊パワー。
 さて、二日目は、本当北部、名護の喜瀬ビーチにあるホテルをほどほどに出て、一路、南部の佐敷町へ。ここで予約済みのイラブー(海蛇)料理を「浜珍丁」で食う予定。予約の時、名護から佐敷までどれくらいかかるのか店の人に尋ねたら、「二時間は見ておかないと」とのことなので、午後1時の予約だし、10時半に出発。
 したら〜、土曜朝の沖縄自動車道、メチャ空きで、気分よくぶっとばしてたら相当早く着いてしまうことが判明。ビギンの島唄CDアルバムをかけて(なんかベタですね)、「涙そうそう」のウチナーグチ(沖縄弁)バージョンで心を穏やかにたおやかに保ちつつ、下道を走ることにしました。
 本島東部の美しい海岸線を横に見ながらの旅は、まさに心に思い描いていたオキナワを満喫できて、私は身も心も南の風に溶けていきそうになっていたのでしたが(脳内BGMは聖子ちゃんの「青い珊瑚礁」。♪あんぁ〜〜〜わたしのぉこぉいわぁ〜〜〜みぃなぁみぬぉぉ〜〜かぜをぬってはすぃぃるわぁ〜〜〜〜っ!!!)、なんかね、T氏が苛立ってるの。
 あれ、この人こんなイラチ(関西弁で気の短い人のこと。沖縄語にあらず)だったっけ? と聞いたら、「前の車が時速40キロで走っててたまらん(T_T)」とのこと。沖縄は車の速度もゆっくりなのだそうで、きちげえのように車ぶっとばしてるのは、だいたいがヤマトンチュ(本土人)だってさ。本土のスピードに慣れてると、沖縄人のとろとろ運転がもういらいらしてたまらんのだそうで。浜珍丁の店の人の「二時間」という行程は、この時速40キロちんたら走行で得られるものだったと判明。
 しかし下道をわりとちんたら行ったにもかかわらず、予定の一時間以上前に佐敷町に到着。では、私がかねてより、沖縄行ったらぜひ見てみたかった霊地「斎場御嶽(せーふぁーうたき)」を見学することにしました。御嶽は隣の知念村にあり、時間も行って戻ってくるのにちょうど良し。そこで、カーナビを御嶽に。
 御嶽は初夏のような陽射しに包まれていました。駐車場から眺めると、急勾配の石畳が山の上に向かって伸びています。天気が悪かったら足元ちょっとヤバイかもね。お年寄りの参詣客が参道の手すりにつかまって、ほうほうのていで下りてきます。
 夏草が気持ちよく生い茂り、最近ガーデニングに目覚めたT氏は、「この羊歯ほしい〜」とか「クワズイモ抜いて持っていこうか」、などとのたもうています。私が「ここは世界遺産に登録されてるからダメ!」と言っても、歴史とか民俗学とかにてんで興味のないT氏は、平気。
 さて、このせーふぁーうたき、琉球王朝時代に、新国王の即位式である「御新下り(オアラオリ)」など、国家的祭事を行った神聖なる場所。琉球開闢伝説で始祖神アマミキヨが降り立ったとされ、神の島と呼ばれる久高島が見える場所に作られた、一種のパワースポットであります(琉球神話『おもろぞうし』などを参照のこと)。沖縄で一番聖なる場所なのですね。現代でも篤い信仰の対象となっています。
 久高島をはるかに望むテラスは、広さが畳4、5枚分の小さな場所ですが、かねてより私はここから久高島を拝んでみたかったので、感無量。ガイドつきの女性観光客もなにやら掌を天に向けて捧げるポーズをしていて(UFOとコンタクトでも取ってるのか?)、ひやかしで来てはイケナイ雰囲気の場所。
 奥の院である寄満(ユインチ)に行く途中、「砲弾池」という水溜りがありました。おそらく前の戦争の爪痕なのでしょう。池の近くで、T氏が道端の土塊に上って植物を眺め(引っこ抜こうとしたのか?)、降りようとした時、ずっさあ〜〜と見事に転びました。
 右手の小指が切れて大流血。掌も擦り剥いて痛い感じ。これはもしや、琉球の神様の怒りに触れてしまったのかっっっ? ほんとにクワズイモ引っこ抜いてたらどうなってたことでしょうねえ。おお、おそろしい。
 駐車場に戻り、T氏がトイレで傷を洗いに行ってる間、私は案内所にあるパンフレットや立て看板を閲覧していました。すると案の定、
「斎場御嶽は聖なる場所です。ここからは動植物の持ち出しはできません」、という村の教育委員会の立て看ありました。
 オカルト・マニヤの私から見ると日頃フツーに無信心なT氏ですが、身をもって神意を体験しちゃった訳ですね。怪我はもちろん偶然なんですが、でもそうとは言い切れますまい、言い切れますまい…。ぬふ。あまりにも美味しいリアクションしてくれたので、思わず日記に書いちゃいました。皆様も聖地を訪れた時は、くれぐれもお気をつけあそばせ。
 あとで聞けば、すっ転んだ時、T氏は何かに足を引かれたそうです。げっ! マジかよ?(汗)。(続く)
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