幻想ミステリ博物館館長日記 特別編 沖縄なんくるなくない紀行(三) 2009年4月17日

Coccoを聴きながら食堂へ[前編]

 二日目は朝早起きして、レンタカーで本島北部の本部半島方面へ向かいました。本日は、旅のメインとなるある食堂を訪れ、その近くにある「美ら海水族館」を堪能しようというプランです。第1回目の沖縄旅行でガブソカ食堂に行って以来の本部半島です。そして、私がぜひ行きたいと言い張ってプランに組み込んだ万座毛も。
 万座毛……本島中部のわりと有名な観光スポットですが、今さら? と言われても仕方ありませんな。なんで手垢にまみれたよな観光地に行きたくなったかと言うと、昨年読んで興奮した、池上永一氏の小説『テンペスト』(角川書店)に、万座毛が実に効果的な舞台として取り上げられていたからです。詳しくは言えませんが、印象的ですよ。

 沖縄自動車道を屋嘉インターで降りて、下道を行くこと十数分で、万座毛の駐車場に着きます。お土産屋林立、観光バスまみれ、レンタカーも同じ車種(マツダ・デミオ)が何台も! 妙に可笑しいので別のデミオ(しかも同色(^^;))のそばに停めてやりましたともさ。お隣さんが戻ってきたら、間違って乗って行ったりしてなっ。
 朝から照ったり曇ったり、天気予報は崩れる方向で、私はつくづくオノレが雨男だと確信に至ったのですが、沖縄の神様はそんな中年雨男をも見捨てたまわなかった。万座毛に着いて崖っぷちに出た頃には、青い海青い空青い珊瑚礁のパノラマが拡がっていたのでした。

 鳥の嘴のような奇岩、白い航跡を曳いて走るバナナボート、岬のはなから釣り糸垂れる太公望、デジカメ片手に群がる観光客、遥かに見えるリゾートホテル……。楽園ぢゃ……まさに絵に描いたような南国の楽園。こういう景色、あんまり今までなかったかも。
 考えてみれば今までも沖縄行って、天気がよいときってあんまりなかったなあ。寒風吹きすさぶ平和祈念公園とか最悪でした。あの時は、沖縄戦で亡くなった伯父を迎えに行ったという、鎮魂の旅に相応しかったのですが…。
 アダンの樹にも実がたわわに成って、観光客が珍しがっていました。食べたことないので食ってみたいもんです、はい。

 さて、ここから名護の海沿いを通って、本部の「美ら海」まで行くのですが、車中、かかっているBGMにTさんが微妙な顔…。
「これがCoccoやって」「名前知ってるけど、聴いたことないー」「Coccoは沖縄が生んだ最大の歌姫やぞ」「へ〜〜(関心ないけど…)」。関心ないのは、洋楽好きの相方のほうです。
 てな会話を交わしながら、北上。
 ナーンデ、Coccoがここに出てくるのかと言いますと、何故かTさんが探し当てた本部町にある食堂が、Coccoゆかりだそうで、サインの色紙があるんだとか。その名も「コッコ食堂」(!)。今回の旅のメインと言ってもよいお店です。
 なので、十年来のCoccoファンである私としましては、もう、この機会を逃しては相方をCoccoに洗脳する時がない!

 もちろん自分でCDを編集して焼いて持って行きましたがな〜〜。ついでやさかい、ここにセットリスト載せたろか。一枚はCoccoの、最新曲からデビュー曲へ遡るシングル集(くるりとのユニット「Singer Songer」名義のシングル『初花凛々』含む)。もう一枚がね、むふふ、自慢の裏ベスト。ファンの皆さん、どうどすえ〜?

ひよこぶたのテーマPart2。 ベストアルバム付、限定版シングル
愛うらら 5th.アルバム『ザンサイアン』
風化風葬 4th.アルバム『サングローズ』
小さな町 6th.アルバム『きらきら』
セレストブルー 限定版シングル『ガーネット』CW
うたかた。 2nd.アルバム『クムイウタ』
インディゴブルー 5th.アルバム『ザンサイアン』
ハレヒレホ 6th.アルバム『きらきら』
Sing a Song〜No Music , No Life〜 1st.アルバム『ブーゲンビリア』
雨降り星 Singer Songerアルバム『ばらいろポップ』
あなたへの月 2nd.アルバム『クムイウタ』
Baby , after you 6th.アルバム『きらきら』
眠れる森の王子様〜春・夏・秋・冬〜 1st.アルバム『ブーゲンビリア』
In the Garden 6th.アルバム『きらきら』
熟れた罪 3rd.アルバム『ラプンツェル』
Heaven's hell シングル『ジュゴンの見える丘』CW


 透明感のある歌声と、沖縄音階を時には取り入れたメロディ、そして女性ならではの、時には癒されるような、時には生理的で強烈な歌詞。沖縄の天地が産み落としたシンガーは、一度は既成音楽産業の汚さに絶望してステージを去りました。しかし、いつのまにか、人の子の親となり、沖縄の天と海の受難を嘆く聖母として帰ってきました。
 私はそんな彼女の世界を堪能するために、今回、南の島を訪れたのかもしれません。なーんも、そういう事情を知らずして「コッコ食堂」を選んだTさんのセンスに、感謝です。まあ、道々、Coccoをタップリ聴かされても、簡単に転向したりしない人ですが(笑)。

 美ら海のチケットを入手すべく、道の駅許田に立ち寄る頃は、ポツリポツリとこぬか雨。そろそろ雨男、本領発揮か?(続く)……

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