◆オバケのQ太郎・未来の話「劇画・オバQ」◆

藤子・F・不二夫先生の代表作の1つである「オバケのQ太郎」。 正太がオバQのタマゴを雑木林で見つけ、ドジで大食らいで、犬が苦手で、靴にしか化けられない落ちこぼれのQ太郎が繰り広げるドタバタ劇。

また、友達が犬に誘拐されて助ける、ファミコン「オバケのQ太郎ワンワンパニック」も有名です。犬に殺されるより餓死する事が大半という超クソゲー。

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そんな、オバケのQ太郎に未来の話があります。その名も劇画・オバQ。本当に渋く劇画タッチです。



劇画・オバQ

物語は、「オバケのQ太郎」の頃から15年後の世界。会社帰りと思われるサラリーマン2人組みが、脱サラについて話し合っています。

ハゲのおっさん(博勢)が若い青年に、脱サラしようと熱心に誘い、青年も「脱サラか…非常に魅力的な行為ではあるが…」と、ノリ気なのですが後一歩の決心がつかない様子。

そこに、大原正太を尋ねるQ太郎。青年は「Qちゃん!!」と驚いた様子。Q太郎は「え!?そういうあなたは?」と問いかけ、青年が正太だという事に気づきました。


感動の再開

感動の再開を果たすのですが、正太のあまりの変貌ぶりがショックでした。しかも、大会社のサラリーマンになって相当有能な人間になってるようです。


 →
正太

まったく別人です。

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正太の変貌ぶりとQ太郎の変わらない姿をお互い懐かしみながら家に到着。早速、正太が奥さんを紹介。奥さんは「主人の子供の頃の話には、かならずあなたがでてくるんですよ。」と良妻っぷり。



正太の奥さん

正太・・・
残念ながら、よっちゃんのハートを射止めることが出来なかったようです。

Q太郎は、オバケ学校は卒業したものの、就職せずに変わったことがしたくて人間の世界に戻ってきたとのこと。

脱サラで悩んでいる正太は、Q太郎のやる気十分なファイトに感心。一方で食事を、ご飯20杯は軽く食べたり、午前四時まで酒飲んで語るQ太郎に奥さんはちょっと迷惑そう。

そんな中…衝撃な激白が…


神成さんが…

「へぇー、神成さん亡くなったの!」

サラっと言うQ太郎も凄いですが、神成さんが亡くなっていたなんて。神成さんと言えば野球ボールで窓ガラスを割って怒られるという黄金パターンで、ラーメン大好き小池さんと並ぶ人気キャラで「ドラえもん」にも登場した事があるのに。

悲しいです。「Oh!透明人間」の中西やすひろ先生が一時期表舞台から消えたと思ったら、進研ゼミの漫画で再開した時と同じくらい悲しくなりました。


翌日の昼間まで寝てるQ太郎。奥さんが家事をする中で、飯食ておかわりを催促。その後オヤツをねだったりと…。


己の道を進みQ太郎

ただの駄目ヤロウじゃないですか。

その後、奥さんとオヤツを食べながら1人で喋りまくる遠慮を知らないQ太郎。正太が残業で帰るのが遅れてる中、

「いたずらして立たされてるんじゃないかしら…」

と1人で心配。せっかくオバケ学校を卒業しても常識がないです。

残業でヘトヘトで帰ってきた正太に「断わりゃいいんだ!」と勝手な事を抜かすQ太郎。その正太の返答に稲妻が走るほど衝撃を受けました。



大人正太

サラリーマンは、会社という機械に組み込まれた歯車なんだよ、勝手に抜け出たりできるもんか!」

まるで「野望の王国」のような台詞を目の部分を黒くして言う正太。作者・藤子先生の思想の深いところが怨念のように読み取れます。


夜に1人で寝るQ太郎ですが、久々に正太と寝ようと試みます。そこでQ太郎は、正太と奥さんのQ太郎に事についての話を聞いてしまいました。






自分が邪魔者だと気づくQ太郎

何だかシリアスです。翌日は朝食を遠慮。昔が忘れられず15年前に住んでた家に行きますがマンションになっています。皆で野球した空き地もビッシリ家が建ち、Q太郎の生まれた雑木林はゴルフ場。

街はどんどん変わっていきました。CLANNAD並に街について考えさせられる展開です。


そこにゴジラ登場。現在は家業を継いで乾物産の主人。昔の仲間を集めて飲み会をすることになります。

そこで、よっちゃんが2人のお母さんになってる事が発覚。正太を振ったという事なのでしょうか。そこに遅れて博勢が到着。子供の頃につくった無人島のオバQ天国の旗を持ってきました。

そして子供の頃を懐かしみながらお酒が進みます。

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懐かしき子供時代

ちょっといい話じゃないですか。その後も話は続き…

よっちゃん「よく、あんな無茶をやったものね。」
キザ「そこが子供の怖いところさ…」
正太「自分の夢に向かって直線的に、」
ゴジラ「つっぱしろうとするからな…」

夢は大人になるにつれて、1つ、また1つ消えていく…
そこに唐突に博勢がキレました。

ハカセ「そこだっ!!」

「なぜ消さなきゃいけないんだよ!大人になったからって…ぼくはいやだ!!」

「自分の可能性を限界まで試したいんだ!!そのためには、たとえ失敗しても後悔しないぞ!」

熱いです。そこらのスコポンより相当熱いです。その言葉に何をとち狂ったか、正太が感銘を受けました。



何だ?この漫画

ぼくは、ひきょうだった!

もう、何が何やら。そして全員が賛同。結局、正太は脱サラすることを決心。



子供顔に…

おれたちゃ、永遠の子供だ!

こんな不順な動機で、脱サラして独立(しかもQ太郎つき)しても成功するとは思えませんが…


そのまま家に帰って帰宅する正太とQ太郎。翌日、脱サラを奥さん言おうとする正太ですが、奥さんが子供が出来たと告白。

もう、脱サラの事はすっかり忘れて、ヤル気満々で会社に出発する正太。

その正太の姿を寂しそうに見送るQ太郎。

「正ちゃんは、もう子供じゃないってことだな…な…」

そして空に飛び立つQ太郎。



空に発つQ太郎

何とも悲壮的で考えられる作品。最後のコマのオバQ天国の旗が舞うところが何とも…

読むとチョッピリ切なくなる話でした。

※劇画・オバQは以下の作品に掲載されてます。
ミノタウロスの皿-藤子・F・不二雄-(異色短編集)

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