ここ、ヒーロー協会の休憩室。

今日は16ヒーロー全員集合している程よい広さのこの部屋。

それぞれ賑やかに世間話したり、ゆっくり休憩取ったり、個人個人の行動を取ってるさなか、

我らがラッキーマンは。


「なー、ラッキーマン。お前にいいモンあげよっかー?」


「えっ・・何?いいモンって・・?」


修正マンと会話中でありまして。


「コーレ♪」


「・・・・・・・・・何それ・・・・・。」



修正マンにからかわれ中であった。



「コレ」とは一体なんなのよ、文章じゃわからんじゃないか。

いえいえ、何を隠そうその物体は・・!



THE・子宝飴!!


知らない人の為にご説明しよう!

子宝飴とは「女性が食べると子供が授かる」と言われている実際に実在する飴だ。

で〜、その形がなんのなんの・・・アレの形なのだ!

男の人の大事な所の形なのだ!

はっきり言って食べてる、つーか舐めてる様はめっちゃエロくなってしまう物の形なのだ!!!!



「食べろ!」


「いやだーーーーーー!!ふざけんなーーー!!!

なんなのさその形はーーーー!!!!そんな飴あるわけないでしょーーーー!!!!」


「何言ってんだよ。正真正銘日本の金山神社で買ってきた本物の子宝飴だぞ!

食べると子供が授かるんだぞ!」


「え!?そんなのほんとにあるの!?てか僕男だから子供なんてできるわけないでしょ!!

いや!そんなことよりなんでそんな形なのさーーー!!!???」


「そんなの金山神社に聞け!おら!早く食えよ!!」

そう言って修正マンは身を乗り出して無理やり子宝飴を押し付けてきた。


「やだーーーだから僕が食べても意味ないってばーー!!」

嫌がり必死で抵抗するラッキーマン。

まあ意味ならばそこにあらず。

修正マンにとってはラッキーマンが子宝飴を食べる様を見るのに意味があるのだろう。(爆!

気がつけば押し倒されて無理やり口に入れられそうになってラキちゃん大ピンチ!

しかしこんだけ喧騒ぶりを披露してれば他のものが気付かないわけもなく、

特に約1名、物凄い形相で暑苦しくすっ飛んでくる奴がいるわけだ。


「修正マーーーーーン!!!!!師匠に何をしてるんだーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」


言うまでもなく努力ちゃんでございます。


「げっ・・!

ゲフぅ!!!!」


最初の「げっ」は努力マンに気付かれた、努力マンの怒りを買ってしまったという事実を知った焦りから。

そして「ゲフゥ!」はズバリ、努力マンに鉄下駄キックをお見舞いされた事により発せられた台詞である。


ズギャン!!!!!!


修正マンは見事壁に激突した。


その部屋にいたヒーロー諸君は当然冷や汗を流しながらこちらのほうを見ていたそうな。

ラッキーマンも内心「助かった」と思いつつも少し怯えていた。


「あ・・ありがとう努力ちゃん。でもちょっとやりすぎじゃ・・。」


「コレくらい当然です!

それよりも師匠・・?

いつから修正マンとあんな親しい間柄になったんですか?」


努力は激昂してたかと思うと、急にテンションや声のトーンが低くなり

不機嫌そうに質問してきた。


「は!?」

ラッキーマンが驚き慌てたかと思ったら後ろからぬっと手が伸びてきてラッキーマンの肩を抱いた。

修正マンであった。

つーかスーパースターマンじゃあるまいし復活早すぎ!!!

まあ大方自分で自分の修正をさっさとやったのだろう。

「さ〜あ?いつからなんだろうな〜?」

そして悪戯に努力を見た後ラッキーマンを見る。

ラッキーマンはその言葉に顔を赤くした。

ついあのことを思い出してしまったから。

「なっ何言ってんだよ!!大体仲良くなってなんかないからっ・・!!!!」

努力に弁解しようとラッキーマンが視線を向けるとそこには拳を強く握り締め、

恐ろしき嫉妬オーラを放った努力がいた。

険しく修正マンを睨みつけてて、

「とっととその手を放せ〜」と

口で言ってなくても充分そう聞こえてきそうであった。


「ど・・・努力ちゃん・・・・?」


「そんなことより!子宝飴食えよ!」


「まだ言ってんの!!!???」


しつこい修正マンにツッコミを入れるラッキーマン。


「だって〜なあ?

あとはコレ食えばできるかもな仲じゃん?」



















ええ、文字通り、ラッキーマンと努力マンは固まって石になってましたよ。

次の瞬間努力の背中から大量の炎が噴出した。



「どういう意味ですかーーーーーーーーーー!!!!!!!!????????」


「わああああああああ!!!!!!!!努力ちゃんちがあああああああああああっ・・・・!!!!!!!」


『ちがわないけどちがうっていやそうなんだけどいやその前にかなりきわどい台詞だったしどう取ったのやら!!????』



かなりめちゃくちゃな日本語を頭に巡らせパニくるラッキーマンだった。

そうパニくってる間に努力マンVS修正マンは始まっていた。


「どう言う事なのか教えてもらおうか!!!!????」


「言っちゃっていいのか〜?知らぬが仏って言葉もあるだろ〜?」


ベロを出して悪戯っぽく言う修正マン。

ああ確かにこれではそもそも本当かどうなのか解らない!

只からかわれてるだけなのかもしれない!!

いっそそう考えたほうが楽だぞーーーーーーーーーー!!!!!


「でも気になるんだーーーーーーーー!!!!!!!」




VSと言っても今のとこ口喧嘩な様の二人だがそれでもラッキーマンは離れて座り込んでおろおろしてるしかなかった。


そこに友情マンがにこにこと話しかけてきた。



「ね、結局それ食べないの?」

「え・・?」


ラッキーマンはふと気がついたらいつのまにか子宝飴を自分が持っていたことに気付いた。

どさくさどさくさでいつ自分の手に渡ったのかは覚えてないが・・・・。


「ねーねー♪」

しゃがんで両方杖をついている友情マン。

その表情はにまにましていた。

この人も自分が「食べる様」を見たいのだ・・・。

悟ったラッキーマンは呆れた顔をした。


「・・・・・そんなに美味しそうに見えるんなら友ちゃんにあげるよ。」


そう言って投げやりにぽいと友情マンの方へ子宝飴をパスした。

そしてとっとと退散してしまった。

思わず受けとてしまった友情マンはがっかりすると共に途方にくれていた。

流石に自分だって、特に人前ではこんなの食べたくないに決まっている。

友情マンは少し考えると頭にピカっと電球を出現させて、

にまっと満面の笑みになって後ろを振り向いた。

当然そこにはいつも一緒の一匹狼マンが。

振り向かれた瞬間、一匹狼マンに悪寒というものが走りビクついた。

そして次の瞬間、案の定の言葉が発せられる。


「た・べ・て♪」


「えええええええええ!!!!!!!?????」















さて・・・・その日の出来事は、これから起こることの予兆だったのであろうか?














翌日、ヒーロー全員が立ち並んで固まっていた。

そんな中、修正マンが口を開く。



「あいつ・・・・子宝飴食ったのか?」



























「ロリショタ活劇!」



























で、何故ヒーロー全員がヒーロー星の片隅の街路地で立ち竦まねばならなかったのか?

答えは簡単である。

目の前にちょこんと一人の2歳程度の幼児が歩道路にぺたんと座っているからだ。

しかもその姿はどう見ても・・・・

ラッキーマンの子供バージョン。

ラッキーマンのミニマムバージョン。

ロリショタラッキーマンであった。

あどけないきょとんとした表情で指をおぼろげに口元に持ってきている様はなんともかわいらしい・・。

してそうロリショタラッキーマンのかわいらしさを堪能しても入られなかった。

この子は一体何物なのか!?

まずそう思わずに居られなかったからだ。

特に努力マンは。

そして努力マンは思考を巡らせた。

この子の正体として妥当な考えを導き出すために!

そしてふと過ぎった昨日の修正マンとのやり取り・・・・・・。

努力マンは顔を青ざめさせた。

それが妥当な考えなんて思いたくないけどっ・・・・!!!!!



「・・・・まさか・・!?」


努力マンは修正マンを凄く恐ろしい形相で睨みつけ、胸倉を掴んだ。

流石に修正マンもコレには冷や汗を掻き、たじろいだ。


「え!?ちょっ・・!まっ・・・・・やー・・やってないって!!!!」


うそつけ!

そして落ち着け!!!

とりあえず同姓同士で子供ができるわけないぞ!!!!


とりあえず努力マンの頭の中でもその考えは導き出せたらしく、

ふしゅ〜と水蒸気を発しながら身を落ち着かせた。

そっと胸倉を掴んでいた手を放し、改めて推理に入ろうとしたが・・・・・


そうもいかなかった。

何故なら!








「友情ーーー!!!!哺乳瓶を用意しろーーーーーーー!!!!!」


「兄さん落ち着いてください!!そこまで年齢低くありませんて!!」


「いやーーーーー!!!それより母乳を!!!ラマンちゃんを連れてくるんだ!!!!!!」


「ここにいるわよ!!何考えてんのよ変態スーパースターー!!!!!」



ドッコーン!!!!!!!


「フッ・・発言したのが勝利だったら素直に出しただろうに。」


「兄貴!!そんなわけないから!!!!///////」


「よし!!ラマンちゃんが駄目なら地球の実の母上をつれてくるんだ!!さあ早く!!!!!」



「救世主らしからぬボケーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!???????」



「誰でもいい!!この15人の中で母乳が出る奴はいないのかーーーーーー!!???」



「「「いるわけねーだろ!!つーか立ち直り早すぎんだよスーパースター!!!!」」」




もう誰が何言ってんだか解んなくなる位みんなが大喧騒していたからである。

努力マンと修正マンは唖然としていた。

そしてラッキーマンは気がつけばおろおろして涙目になっていた。

こどもは敏感で周りや大人がパニック状態になり不安になってたりすると、

子供のほうも不安になってしまうのである。

そしてついには泣き出してしまった。



「ふええええええええええええええん・・・」



その声に反応してみんなの喧騒がぴたりと止まった。

そして泣いてるラッキーマンを見て、

顔を赤らめ、弛緩しきった表情で、オーラで、こう叫んだ。









「かーーーわいいいいいいいいいいいいいいい☆☆☆☆☆」







「いいかげんにしてください!!!!!!!!!」


努力の怒鳴り声でみんなの弛緩もぴたりと止まった。

努力は不真面目なみんなの態度に怒りを覚えているのだ。

そりゃあ自分もあのロリショタ版のラッキーマンの姿をかわいいと思わないわけではないが・・・・・。


「皆さん!!真面目に考えてくださいよ!!何故師匠そっくりの子供がこんな所に居るのかを!!!!]

それを聞いてパシリ1号がきょとんとした顔をする。

「何言ってんだよ。そっくりもなにも、コイツは本物のラッキーマンだろ?」


「なっ・・!!??だって!!師匠はこんなに幼い年齢じゃありませんよ!!!」


「いやあ・・幼児化って奴?」


何故そんなあっさりと・・・・・・。

萌え用語で萌え事件のお約束を肯定するか・・・。

「幼児化」が萌えのお約束とは努力マンは知る良しも無いが、

名称からしての現象パターンは大方予想がついた。

まあ簡単に、ようは体や心が幼児化してしまう現象であろうと・・・。


「・・・じゃあ・・仮に幼児化だったとして・・!なんでそのような現象がおきてしまったんですか!?」

「それは俺に聞かれてもな・・。」

パシリは困った顔をする。

そこに彼の兄貴が助っ人に参上。

「まあ、これまたお約束な原因であろう事は安易に予想がつく事じゃないかな?」


その言葉に・・・努力マンの頭の中に・・・・・奴が過ぎる。


「・・・・まさか・・!?」


今度は当たっているだろう。

それを肯定する笑い声が間髪居れず空から木霊した。



「あーーーーっはっはっはっはっは!!!!!」



ああ・・・本当に全く案の定。


「またお前の仕業か!!最強男爵!!」


ヒーロー星、片隅街路地の電柱の上から、

最強男爵&バトラーくん只今参上!!

もちろんよじよじと電柱をよじ下がってきながら。(爆

最強男爵はよじ下がり終えて、息を少しぜえぜえと切らしていた後、

何とか立ち直って不敵に笑い出した。


「ふふふ。こちらの作戦通り。

私のこの天才的発明の「幼き日々を取り戻すくん」で

見事ラッキーマンは子供・・いや、幼児と化したわけだ!!」


そう言ってなにやら掌サイズの子供の男の子の姿をしたミニロボットを、前に突き出し自慢げに見せていた。

これがその「幼き日々を取り戻すくん」なのであろう。


「一体何のために!!??」

努力マンの質問にこれまた不敵に答える最強男爵。


「わからんか!?子供のラッキーマンなどパワー半減!(元からあまり無いけど

おそらくきっとラッキーパワーも半減!(おいおい

そんな奴を倒すのは造作も無いと言う事だー!!

今もああしてみっともなく女に泣きすがっているのだからなあ。」


最強男爵の指差す方向にはいつのまにか泣いているラッキーマンをあやしているセーラーマンの姿があった。


「でもみっともなく情けないのは何時もの事だよな。」

男のロ・マンがぽつりと失礼千万な事を吐く。


「つーかさ、そんな事言っておっさんも幼い可愛いラッキーマンが見たかっただけじゃねーの?」

今日はよく喋るパシリ。(笑


「おっさ・・!!??い、いや失礼な!!そんな低俗な理由なわけが無いだろ!!??」

慌てふためく最強男爵の横で何時も通り、ぼそりとバトラーが嫌味を吐く。


「いつもやってる事が低俗だろーが・・。」

ボッカン!!!

「いってえええええええ!!!!」


間髪居れず最強男爵の拳骨がバトラーの頭に食らわされた。

最近はぼそりと喋るのも空しく、大抵は本人に筒抜けとなってしまうらしい。


「とにかく、そんな理由などではない!」


「そっかー?じゃあとりあえずあのラッキーマン見ておっさんはどう思うわけ?」


「何?」


パシリに言われてふとラッキーマンのほうへ目をやる最強男爵。

そこにはセーラーマンに抱かれて・・・

うるうるの涙目で指をおしゃぶりしながらこちらを見てるロリショタラッキーマンが・・・。

「う〜・・ふええ・・。」



「・・・・・・・・・///////////////」


ブーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!




次の瞬間、最強男爵の顔が高潮したかと思うと、一気に鼻地を噴出して、


バタン!!!!


倒れた・・・・。


倒すチャンスどころか逆効果であった・・・。


「ほらーーーやっぱかわいいって思うだろー?」


「駄目だ。聞いていない。出血多量であの世に旅立ってなきゃいいがな。

占いだと・・・・さようなら。」


からかい半分に言うパシリに冷静に(?)占いをするスペードマンだった。





「いやー、それにしてもほんっとーにかわいいよねー♪」

友情マンがラッキーマンを抱えるセーラーマンの方へ近づく。

それと同時にみんなも二人を取り囲んで輪になっていた。

幼児化したラッキーマンを見るために。

セーラーマンが懸命にあやしてくれたお陰でラッキーマンは既に泣きやんでいた。

ほっぺや小さな手に触れてみたらぷにっとしててマシュマロみたいに柔らかい。

したったらずな喋り方も、

一つ一つのおぼろげな仕草も

あどけない表情も、


「はえ〜?」


そのふにゃ〜と笑う純心無垢な天使の微笑みも・・!!


「かわいいいかわいいかわいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


再びヒーロー達は、言いかたそれぞれ「かわいい」という言葉を連呼した。


ビクッ


そのみんなの行動にビクついたラッキーマンはセーラーマンにしがみ付いた。


「みなさん落ち着いてください!師匠が怯えてるじゃありませんか!」


努力マンが一人冷静に、というか平常心を保ってみんなを咎めた。

勿論そういう優等生ぶってる様は羽目を外してる真っ最中の人間からは良く見られない。


「なんだよ一人で真面目ぶりやがって〜本当はお前が一番「かわいい」って思ってるくせによー。」

スーパースターマンが口をとんがらせて言う。


「ええ!?そ・・そりゃ・・そのっ・・かわいいですけどっ・・!!」

しどろもどろの努力マンに追い討ちをかける様に友情マンがラッキーマンを

ずいっと努力マンの前に突き出す。


「ほら〜ラッキーマン?君のだ〜い好きな努力お兄ちゃんだよ〜?」


何時もの百割り増しでかわいい自分の師匠が今自分の目の前に!

それだけで顔面ファイアーしてしまいそうな位顔を赤くしていたのに止めの一発!!!


「あ〜・・?どりょくおに〜ちゃ?」



ブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!



あどけないロリショタラッキーマンの一言にノックアウト!

努力マンは最強男爵の3倍位多い大量の鼻血を噴出して失神してしまいましたとさっ。

まあ、血の気の多い彼のことだ、命に別状は無い。


「修行が足りないぞ努力。」

その様を見た勝利マンが血の海の上に横たわっている弟にツッコミを入れたが・・

いや、だから聞いてないって。


「ねーねー僕は?友情お兄ちゃんって言ってみて〜♪」

「それよりもさ!!俺にもだっこさせてくんねー?」

「あー俺も俺もー!!」

「私ももう一回!」

「俺も!」

「俺もー!」


もみくちゃもみくちゃ!!

むぎゅーむぎゅー!!!!


気がつけばみんなに順番に抱っこされまくっていたラッキーマン。

友情マンに抱っこされて

スーパースターマンに抱っこされて

男のロ・マンに抱っこされて

セーラーマンに抱っこされて

トップマンに抱っこされて

スペードマンに抱っこされて

ナイスマンに抱っこされて

勝利マンに抱っこされて

一匹狼マンにだっこされて

修正マンに抱っこされて

世直しマンに抱っこされて

天才マンに抱っこされて

パシリ1号に抱っこされて

救世主マンに抱っこされて・・・・・・・・・・


て・・て・・・て・・・・・!?


「あれ!?ラッキーマンが居ない!!!????」


「えええええええええええ!!!!!!!!!????????」















さて、ここはヒーロー星のさっき居た場所とは正反対の位置にある片隅街路地。

そこに一人の幼児を抱える一人の男の姿が・・・・。


「つ・・・ついやってしまった・・・。あまりのかわいさに・・・誘拐を・・・・。」


救世主マンであった。(なんですとーーーーーーーー!!!!!!!??????


彼はさっきラッキーマンを抱っこした瞬間、ブラックホールを作ってここまでワープしてきたのだ。

下を見下ろせばあどけなくきょとんと不思議そうな顔をしたラッキーマンがこちらを見つめている。


「あ〜?」


そんな純心無垢な目で見ないでくれ。

良心が痛む・・・!!!!


以上、救世主マンの心境でした!

そんな彼の背後に近づく影が・・!!


ポン!!

「解るぜ?救世主、お前の気持ちは。」

肩を叩いてきたあなたはどなたですか?

それは紛れもなく修正マンだった。


「うわあああああああ!!!!!???????修正マン!!!!???

・・・って、天才マン!パシリ1号!世直しマンも!!!一体どうやって!!!???」


驚く救世主マンにおどけて回答して見せた4人。

「「こっちから〜あっち〜」」

知る人ぞ知る、世直しマンの技、「こっちからあっち瞬間移動」の動作を4人はやってみせた。


「ああ・・それか。

しかし・・・・・世直しマンに天才マンとパシリがくっついってくるのは解るが・・・修正マンは何故?」



「「・・・・悪の心が通い合った!!!!!」」


なんて言って4人は手と手を取り合っていた。


「コラコラ・・みんな正義の味方だろう。」


「元悪役はお前も同じ。」


「だから修正マンは!?」


「だから悪の心が・・・・」


「あー・・解った解った。」


まあ、誘拐してしまった張本人である故あまり深くはツッコめない救世主マンだった。

それに本当に修正マンを抜かせばこれは


THE・元悪役同盟!!である。




「ま、結局はでかしたぞ!!救世主!!」

パシリがラッキーマンにゆるんだ表情を向けながらガッツポーズをとる。


「うむ、その行動力は賞賛に値する。」

世直しマンも褒めたおす。


「フッ・・愛しさ全開のラッキーマンを目の前にして悪の心が復活せずに居られるか。」

天才マンは気取りながらとんでもない事を抜かしていた。


「え・・・そんな・・・・。」

しかし誘拐した張本人が一番良心が痛んでる模様。

でも、一度やってしまった事はやり直せない、

後戻りなんてできなかった。

何故なら


「じゃ、何して遊ぶ?」


修正マンが邪悪な笑みを浮かべてたから!


「「遊ぶ?」」


他の3人も浮かべちゃってたから!!!!!


「!!!!!!????????

遊ぶって何する気だ!!??駄目だぞ!!幼児相手にそんな!!!!!!!」


慌てる救世主マンの腕からパシリがラッキーマンを容赦なく分捕った。


「首謀者にそんな事言う刺客はなーい!!」


「誰が首謀者だっ・・・!!」


「問答無用!!食らえ!!ロリショタラッキーマン攻撃!!」


わけ解らない攻撃名を叫びながら、パシリは救世主の目の前にラッキーマンを両手でぐいと突きつけた。

あ・・このパターンは・・・。



「あ〜・・・きゅうちゃ・・?」



ブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!





またかい!!!


言うまでも無く、救世主マンは大量の鼻血を吹きながらぶっ倒れた。

これにて、ロリショタラッキーマンの無垢なオーラ攻撃による脱落者、3名に追加!





「青いな。」


「フ・・我々はこの程度で鼻血を吹くほど柔ではない。」


「さーて!邪魔者もいなくなったことだし!あとは柔じゃない人たちで楽しみますかー!!」


「賛成ーーー!!!!!」


世直しマン、天才マン、修正マン、パシリの4人は再び邪悪な悪役笑みを浮かべて

パシリの腕の中のラッキーマンへ見遣った。


その笑みにラッキーマンは不安を感じ怯えだした。

そしてついに泣き出してしまった。



「うええええええええええええん・・・ 」


泣いてるにも関らず、4人は遠慮を見せようとせずじりじりと近づいていく。



「あれ〜なんで泣いてるのかな〜?」


「な〜んも怖くないよ〜?」




「うええええええええええん・・やあ・・ああーーーーーーーっ・・」


誰か助けて!

言葉ではない何かがラッキーマンの中でそう叫んでいた。



すると・・・・・・

絶妙のタイミングで何かが聞こえてきた。









ドドドドドドドドドドドドドドドドドド・・・・・・・・・・・・・




・・・・地響きだとは思いつつもつい思ってしまう。


・・・・何の音?



ドドドドドドドドドドドドドドドド・・・・・・・・・・・・・・・

段々と近づいてくるそれはある人物であった。

鉄下駄鳴らして砂埃上げて凄い勢いで走ってくる人。

該当者は一人しかいない。

努力マンである。


「コー―ーーーーーーーーーラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」


「ひいっ!!??」


流石の世直しマンや天才マンも背筋が凍りついた。

輸血したのであろうすっかり元気な努力マン。

いや、元気を通り越して怒りの努力マンと化して凄い形相でこちらに向かって突進してきた。




児童ポルノ禁止令ーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!



「わああああああああああああ!!!!!!なんか訳わかんない事言って迫ってくるーーーーーーーーーー!!!!!!?????」



「つーかここはそんな事偉そうに叫べるサイトなのかーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!???????」










この・・・情けなく・・そして訳解らないパシリとの会話が・・・・・

修正マンの脳に残っていた最後の会話だったと言う。



病院送りされた修正マン談。





















そこらじゅうに転がっている人物達は、今自分がぼっこぼこにした連中たち。

ヒーローであるにも関らず、悪の心、邪の心をむき出しにして、悪事を働こうとした者の末路である。


『まあ・・おかしくなってしまう位、可愛いと思うのは無理もないが・・・・。』


努力マンは、自分の腕の中で小さな寝息を立てている幼いラッキーマンを見てそう思った。

泣きつかれて眠るこの子供はとても愛らしくて愛しい。




でも、普段の愛しさとはまた違う。



子供がかわいいのは何故であろうか?

それは「守られる」為である。

子供は「守られるべき存在」で、大人はそんな子供を「守るべき存在」なのである。


子供は自分の欲望をぶつける為の道具じゃない。

どんなに憎らしくても

どんなに愛しくても

大人は感情をむき出しにして接してはいけない。

それじゃあ大人失格である。




「・・・でも・・・私もまだまだ未熟者ですね・・師匠。」


結局、思い切り顔を赤らめちゃっている自分がいるから・・・・。






「さてと、早いとこ師匠を元に戻しませんと。」

気を取り直して、努力マンは背中の道具入れから例の物を取り出した。

そう「幼き日々を取り戻すくん」である。

気絶していた最強男爵から奪い取ってきたのだ。

これをもう一度使えば元に戻るであろうというお約束の考えだ。


努力マンは元に戻る事を祈って機械のスイッチを入れた。


フシュ〜〜・・


煙がラッキーマンの体を包み込んだと思うと、

抱えていた人物の体重がズンと急に重くなった。

体の大きさも元に戻ってて・・・


「ふう、どうやら成功のようだ。」


元に戻ったラッキーマンをお姫様抱っこしたまま、努力マンはほっと一息ついた。


眠っていたラッキーマンの瞼がわずかに痙攣したかと思うと、少しずつ目が開かれた。


「う〜・・ん?」


「師匠、気がつかれましたか?」


ラッキーマンは意識がはっきりしてくると周りをきょろきょろ見渡し、自分の状況を確認して

顔を赤らめ慌てだした。


「えっ・・えっ!?なっなんでこんな状況なわけ!?僕どうしてたの!?」


「覚えてませんか?」


「え〜と・・うん。」


「実は・・・。」


努力マンは今までの事情、いきさつをラッキーマンに説明した。






「ふーん・・・そういえば記憶が飛ぶ前男爵と話してた気がするなー。

つーか何回トラブル起こせば気が済むんだよアイツ!!」


ラッキーマンは小さく拳を握り締めて怒りに震えていた。

努力マンは苦笑いをするしかなかった。

「でもかわいらしかったですよ。みなさんもそう言ってましたし。」


ラッキーマンはぼっと顔を紅潮させた。

ふとラッキーマンは視線を努力マンの腕に向けた。

そう、先ほどから降ろすタイミングを逃してずっとお姫様抱っこしたまんまだったのだ。


あ、まずい。気が効かない奴と思われたかととっさに努力マンはラッキーマンを地面に降ろそうとした。

が、



ぎゅっ・・!!



ラッキーマンは離れまいとばかりに自分の両腕を努力マンの首に回し抱きしめた。




「しっ・・師匠!?」


何事かとばかりに努力マンはどぎまぎと完熟トマトになって慌てた。



「今日はなんとなく・・こうしてたい気分なんだ。駄目?」


甘えた目で、甘えた口調でおねだりしてくるラッキーマン。






「・・いや・・・駄目じゃないですけど・・・・///////。」



「そう、ありがと。」




お姫様抱っこの状態で、二人は抱きしめあった。



その状態は何故か、

大人に甘える子供の光景に思えた。





「師匠は・・大きくなっても子供ですね。」




「悪かったね。」







よく覚えてないけどかすかに残ってる記憶の中、


色んな人に抱っこされた気がするけど、


やっぱり努力に抱っこされるのが一番安心するんだ。











END








くろん「ふう、終わった・・・」
ラキ「何その脱力感あふれる言いかた。」
くろん「だって〜〜!!子供化幼児化って意外と難しかったんだもーーん!!!(泣」
ラキ「単に君の実力がたんないだけじゃない?」
くろん「わーーーーーラキちゃん酷いーー!!あーそこの君慰めて!!」
悪「「我ら元悪役同盟に慰めを請おうなど100億年早いわ!!」」
くろん「あ〜・・相手間違えた。」
ラキ「つーか妙な同盟が誕生しちゃって・・。」
努力「一人「元悪役」ではないような気がするのですが?まあ充分悪だからいいですけど。」
修正「それは誰の事かな〜?」
努力「お前意外に誰がいる?」
ラキ「ちょっと・・・二人とも怖いよ・・・。」
修正「たく〜っ絶対お前っていいとこで邪魔したりするよなーっ邪魔しなきゃ読者も期待通りの展開とかだったりするのにーっ。」
努力「子供に性行為を働いちゃいけません!!!!」
修正「あー、うるせえな〜!ラッキーマンもっかい幼児化しろよ!」
ラキ「ええええええええええ!!!!???」
努力「コラーーーーーーーーー!!!!!!」(怒


くろん「ということで、ゆうゆうさんのリクエスト、
    「NAINAI16ヒーロー×子供化ラッキーマン!」でした!
    つーか子供通り越して幼児だよ!2歳って割りに0歳・1歳言語力だし!!(汗
    つーか何故努力は最後居場所がわかったんでしょうね〜?ツッコんじゃやーですよ〜(おいおいコラコラ!!
    しかしほんとに子供化って文章で表すの難しいですねっ・・意外とかかっちゃったよ!(汗
    かかった割りに微妙な出来ばえ〜っ(汗)やっぱちょっとスランプなのかしら?
    漫画の進行が意外と遅いのでこちらを先に完成させました!(爆
    そっちもがんばんないと!!あーでも違う事とか思いついたり描きたくなったりするんですよー!
    この気まぐれさなんとかしてーーーーーーーーーー!!!!!!(おいおい
    今回は意外な人物や組み合わせが目立ったりしてましたね!いきあたりばったりで作ってますゆえ!(爆
    あ、ちなみに子宝飴はほんとにあるそうですよー!本物見たこと無いけど。
    ということで、ゆうゆうさん、リクエストありがとうございました!」






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