概論


欠番作品として最も有名な作品の一つ。ストーリー及び欠番の理由・経緯等は資料室を参考にして頂く事にして、ここでは幾つかあるバージョンを 紹介しよう。

12話ビデオの歴史は通常版から始まる。80年代初頭には早くも出回り始めていたようであるが、極一部で流通したのみで手に入れるのは 非常に困難だったようである。また個人が―どのような経緯かは不明である―16mmを所有し、度々上映会が開かれていたとも。この入手が難しい 状態は比較的近年、90年代後半まで続く事になる。この時期に手に入れるにはかなりの努力が必要だったが、パソコン通信では比較的 手に入れやすかったという。尚、通常版の亜流であるタケダCM版の登場時期は不明であるが、90年代には存在していた模様。

転機となったのはインターネットの普及である。特にヤフーオークションはツテのない人間でも12話を手に入れやすい状況を作り出した。 同時期に成立し始めたトイ関連のフリーマーケットも12話拡散の一因であるだろう。価格もかつては万単位であったものが数千円レベルにまで落ち、 ヤフー全盛期には様々なバージョンを収録するのが当然となる。この時期に通常版とは全く違うTNT版・ドラキュラ版が登場する。

だが、この状態も長くは続かなかった。詐欺などが横行し、ある意味無法地帯であったヤフーに個人認証システムが導入され、一時壊滅状態になる。 それに変わって台頭したのがファイル交換ソフトである。MP3しか共有できないナップスターでの偽装に始まり、WinMX、Winnyと変遷しつつ 高速回線の普及もあって画像レベルも大きなものになっていった。しかし、この状態も現在('04中旬)崩壊しつつあるように見える。 既に中央サーバーが必要なMXは少数の「持てるもの同士の交換場」と化して久しく、Winnyも製作者が逮捕された事を切欠に一時の勢力を失った。 システム上、そう簡単には壊滅しないだろうが……。

バージョン違いとしては下記の
・通常版
・ドラキュラ(Aパートノーカット)版
・TNT(海外)版
で、古くから存在するもののAパート終盤が無い「通常版」、Aパート終盤があるもののAパートとBパートで素材が違う「ドラキュラ版」、 90年代にアメリカで放映され、画質が良いものの英語吹き替え&幾らかカットされている「TNT版」が明確なバージョン違いといえる。 この3つに大きく分けられ、それぞれに亜流が存在する。

・通常版
  タケダCM版
  再放送版
・ドラキュラ版
  デジタル補正版
・TNT版
  ミレニアム版
  日本語差し替え版
である。この他に
・脚本
・レコード版
・マンガ版
もある。 ただ昨今のPCによる編集レベルの向上は目覚しいものがあり、また12話入手も以前に比べると容易になった事から亜流を作り易い 状態になっている。例えば、掲示板で一時('04上旬)話題になった「宮崎リマスター版」というものは通常版にドラキュラ版のカウントを 付け足したものである。12話もビデオテープからDVDへと媒体が移行しつつあるが、DVD媒体の新しいバージョン違いは従来のものと明確な違いが 見られなければ、単なる「私家版」として亜流にカウントする事は難しいだろう。そして度々話題に上がる「円谷デジタルリマスター版」であるが、 今の所噂の域を出ない。とはいえ、セブンDVD化の際、12話も一緒にデジタル化されたのはほぼ間違い無い。ならば、どのようなものだろうか。ポイントとしては
・Aパート終盤が収録されている
・DVD化されている他の話数と同等の画質
の2点だろう。特に画質に注目されたい。現在の状況ではビデオ→ビデオのダビングでもそうそうノイズは入らないだろうし、媒体がDVDであれば 尚更である。ただでさえ12話は他の話数に比べ、プリント回数が少なくネガの痛みは低いと思われる。他の話数より画質のクオリティは高くておかしくないのだ。 そしてAパート終盤が収録されているのが本来の姿であり、この部分が収録されないのは考えられない。もし、「デジタルリマスター版」なるものを 入手できる機会があれば、上記2点に着目して頂きたい。

その反面、「見た」という証言のあるポルトガル語版やウルトラシリーズの著作権裁判で勝利したタイのチャイヨーが出す可能性があるタイ語版など、 TNT以外の海外版が発見・発掘される可能性が今後あることを記しておこう。

*資料室にある各バージョン解説に加筆・修正して再構成したものです。

バージョン解説


 通常版タイトル通常版

 タケダ版タイトルタケダCM版

 ドラキュラ版タイトルドラキュラ版

 TNT版タイトルTNT版

 レコード版ジャケットレコード版

 マンガ版単行本表紙マンガ版






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