概論


映画を見た事がない人でもゾンビ″といえば「死体が動き、人を襲うモンスター」という認識があるだろう。このモンスターとしてゾンビ″を定義づけたのがホラー映画の金字塔でもある映画「ゾンビ」だ。この映画以前のゾンビ″にはモンスターとしての性格は皆無に近く、 ロメロ監督の前作を経て、本作「ゾンビ」でドラキュラ等に並ぶモンスター性を確立した。本来、ブードゥー教の使役者でしかなかったゾンビ″にモンスターとしての性格を与えた功績は大きく、現在ゾンビ″というモンスターは全て本作の影響下にあるといっても過言ではない。
しかし、原題は「DAWN of the DEAD」であり、本編中でゾンビ″の単語は1回しか出てこない。彼らの呼称も「ヤツら」や「甦った死体」である。では、何故「ゾンビ」と呼ばれるのか?これはバージョン違いに密接するのだが、監督であるロメロと製作に大きく関わったダリオ・アルジェントに起因する。
それはこの映画がアメリカのローレル・プロダクションとイタリアのチアヌス社の合作であり、権利をローレルが北米を、チアヌスは他の地域の権利を持つことになった(ロメロ監督のインタビューによると、ローレルは英語圏をチアヌスは非英語圏の権利らしいが)。 その結果、北米版にはロメロの意向でゴブリンの音楽が大幅に差し替えられ、アルジェントは原題に「ZOMBIE」を付け足したのである。そして映画は大ヒットし、後からつけられた「ZOMBIE」が代名詞となっていったのだった。

個人的にはどちらのバージョンにも優劣はなく、どちらかが欠けていてもこの作品がここまでファンを魅了する事はなかっただろう。確かにロメロ版こそが監督の意図したものに違いないが、アルジェントのアクションサバイバルホラーとしての「ゾンビ」でなければどこまでヒットしただろうか。 逆にノリノリで見られるアルジェント版だけでは、ロメロのリビングデッドシリーズに共通する半ば絶望的な悲壮感や皮肉といった重厚さは薄れがちになる。この二本はコインの裏表のように切っても切れないものだと思っている。

「ゾンビ」には実に様々なバージョンが存在するが、ここでは日本語字幕/吹き替えに絞って紹介する。
先ず、上記の説明通り
・ロメロ版
・アルジェント版
と大きく二つに分けられる。この二つから更に
・ロメロ版
  A初回ビデオ(北米)版
  A’初回ビデオ(北米)[ワイド仕様]
  Bディレクターズカット完全版
  B’ディレクターズカット完全版[ワイド仕様]
・アルジェント版
  C94年公開版
  D日本劇場初公開版
  Eサスペリア版
  E’サスペリア版[タイトル白仕様]
  Fサスペリア版[偽造仕様]
  G再放送版
と分れる。


これらの入手方法についてだが、正直どれも難しい。ビデオレンタルであればA・B・Cは簡単(最低でも一つはある)だが、セルビデオ・LD・DVDは廃盤になっている。 LDならパーフェクトBOX・コンクルージョンBOXというB・Cカップリングのものが比較的安価に手に入れられるが、今から手に入れる選択肢としては微妙だ。セルビデオも比較的安価ではあるが、中古で探す手間とビデオという媒体からこちらも微妙な選択ではある。DVDは99年発売と早かったが、その後の再版がかからずヤフオク等ではかなり高い落札価格になっている。(追記参照)
サスペリア版はたまにサスペリア版[偽造仕様]とカップリングでヤフオク等に出てくる事もあるが、再放送版は需要のせいか見かけない。

最後に某氏に資料を始めとした様々な点で多大なる協力を頂いた。改めて感謝致します。

追記
:04年07月にロメロ(北米版)がDVDで発売された。今なら入手出来る状態だ(05年02月現在)
:07年12月21日に長らく廃盤となっていたD.C版・アルジェント版が廉価で再リリースされた。プレミアがついていた旧版とほぼ同じであるため、旧版は暴落している。また、04年の北米版や前作の「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(NOTLD)」、続編の「死霊のえじき(Day of the Dead)」も同時に廉価再リリースされた。(08年01月現在)

*ゾンビに関しての情報・資料を収集しています。特にサスペリア版・再放送版・日本劇場公開版・ロメロ(北米)海賊版を探しています。また、NHKで放送されたバージョンと情報 を御存知の方、どうか宜しくお願いします。メール

バージョン解説


 ロメロ版タイトルロメロ(日本ビデオ初回発売/北米)版

 ダリオ・アルジェント版タイトルダリオ・アルジェント版

 D.C版タイトルディレクターズカット(D.C)完全版

 日本劇場初公開版タイトル日本劇場初公開版

 サスペリア版タイトルサスペリア版

 再放送版タイトル再放送版

 PS版タイトルCINEMA英会話(PS)版






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