5回目 (B)
今回は、ベテランのSTに発声法を教えてもらいました。
初めての訓練らしい事をしてもらいました。
5回目と書いてありますが、その間にリハビリには何回か行っていて
合計10回目位なんです。
訓練の内容は、お腹かから声を出す発声法の練習でした。
お腹にボールを飲みこんだ事を頭に思い浮かべます。
そして声を出す時にそのボールをポーンと口から前に吐き出すような感じで声を出す練習でした。
言葉よりは、「あ」とか「お」とか、音を腹からから出す感じでした。
次にやったのは、演劇部の学生がよく体育館の裏とかで練習している五十音「あえいうえおあ・・」を発声して練習しました。
あの語順になんの意味があるのかは、良くわかりませんが・・・
最後に、話ツライ言葉「か」行の音を濁して発声する練習でした。
これは私も意識的にでやるようにしているのですが、話せない言葉は無理に変な音を出さずに話さない、ごまかして話す話し方です。
つまりか「か」だと子音の部分は小さくして、母音の「あ」の部分を大きめに声を出して話すように工夫をする話方です。
無理ならば、無理やり出す必要はないという事でしょうか。
半分諦めモードですが、でも現実的な対策としてはかなり有効な手段だと思います。
そして話せない語「か」行等を使わない単語を使用して話すです。
これは私が普段行っている話し方なんですが、話せない数字の「5」”ご”は「4」”よん”といい変えたりです。
もちろん電話番号等はダメですが、待ち合わせ時間を決める時等は言い易い数字で約束したり、
問題ない少しの数字の開きだったら、言い易い数字に変えて言ったりします。
まあ、このへんになると、言語リハビリとは言いませんよね。
リハビリを受けなかった、私のその場しのぎの上等手段なんですが。

装具も一部改良してもらいました。
装具1号の中央に丸い筒状の溝を掘ってもらいました。
空気の通りが良くなるようにです。
装具1号は殆ど付けてなかったので、今の口になかなかフィットしなかったのですが、調整してもらいなんとかはまるようになりました。
装具も普段使わずに乾かしておくと、伸縮してしまうみたいですね。
使わない時は、お水に浸しておくのが良いようです。





6回目 (A)
ここの病院の若いSTの先生とは、特段にリハビリという事はやらないんです。
では何をするかといえば、世間話ですか・・・
首の体操とか一応やるんです。でもここのリハビリの基本は首や顎を柔らかくし、皮弁を少しでも動くようにして言葉を話すというのが、基本のようです。
まあ基本というか、舌のない私にはそれしか方法がないというか・・・
でもまあ、首は放射線治療と手術で3年間ほったらかしだったのでかなりのガチガチです。喉や首を触ると「むせる」ような違和感があるので正直あまり触ってはいません。
それじゃ・・・全くだめジャン・・という所ですが・・・
このSTの先生は、何故か話が通じるんですよね。
まあSTだから当然といえば当然なんですが、自分としてはかなり不思議なんですよね。
この病院は夜勤明(16時間勤務)の前日の朝起きてから30時間程ほとんど寝ずの状態で行くんです。
ですから、かなりいい加減モード。ちょっと不機嫌モードですか・・
そんな、いい加減な話し方でも全く聞き返される事なく通じるんですよね。物凄く不思議なんですよね。
女性の若い?先生という事もありはなし方も友達のような普通の話し方で、丁寧に話すどころか通常なら裂ける言葉も無視してそのまま話しても通じるんです。
医療関係、家族も含めて、一番話が通じるんではないでしょうか。
まあ話が通じるから逆に、そのSTの先生は、それだけ話せれば凄いですよ!という事になり、良くないんですけどね・・
一度このSTの先生と、話の通じない一般人を脳波測定器に突っ込んで、脳の何処が反応しているのか調べてもらいたいですね。
私の話がうまくなるより、そっちを調べたほうが早かったりしてと思う今日この頃です。
まあそんな訳で、今までは話の通じない人から、どの様に話を伝えれば良いかを考えていましたが、話の通じる人からなんで通じるの?
という所からまた新しい糸口が見えればと思い観察してます。
リハビリ?とは少し違うかもしれませんけどね。
ここの病院は、言語リハビリの時間に学生さんを何人か連れて来てくれます。全く言語障害の人と関わった事がない若い学生さんに、私の話を聞いてもらい理解度を再確認してもらうのも、とっても良い勉強にはなります。なかなか初対面の人に私の話し方どうですか?
とは聞けませんからね。
あとは、ここのSTの先生との雑談で他の同じ病気を持った人がどんな風に生活をされていらっしゃるのかを聞いたりしてます。
実際今まで主治医や看護師からそんな事をゆっくり聞いた事がないのでいい勉強、リハビリになってます。

そしてもう一つの装具のほうですが・・
新しい装具が出来ました。装具3号です。
前回までのお試しの装具で問題ないので、正式版を製作してもらいそれが完成しました。
形は、一言で言えばコロッケ方ですか・・・
平べったくて、薄く、丸く、大きい、形です。
まだあまり使っていないので、これからこの新しい装具に慣れながら装具3号の使用感を報告したいと思います。
平らなので、空気の通りは非常にいいです。
この特性を生かして話をするようにしたいと思います。





7回目 (B)
今回は、「カ」行の話です。
結局やっぱり、「か」行を話す事は難しいよね。
という事になりました。
それをなんとか・・と思いましたが、やっぱり難しいものは難しいという事のようで、これ以上は無理かもという事でした。
で、あとは、どうやってて話せない言葉「か」行を補うかという事になります。
前回にもこの(B)病院のSTとは話たのですが、後はごまかすしかないという事です。
難しい「か」行は小さく話す。
そして、「か」行は「は」行に言い換えて話すという事でした。
私は「か」行は話せないので、どうしても「は」行の音になってしまいます。でも無理やり「か」行を出そうとすると、特に「か」「こ」は「は」「ほ」とは少し違った音になって発声されます。
また、「き」は「ち」に近い音で発音していました。
聞き手からすると、散らばった音{「は」行や「た」行(ち)}や何ともいいあら合わせない音にして発声するより、毎回完全に「は」行にして話したほうが聞き易いのではないかという事でした。
私が話せない以上は、聞き手の想像力に任して聞いてもらうしかありません。
実際私との会話は、相手の想像力にゆだねる所がかなりあります。
確かに、無理に変な音や揺らいだ音を出すよりも、毎回同じ列(は行)で話したほうが、聞き易いのかもしれません。
つまり、「カメラ」を「はめら」と言い換えて話すという事です。
どっかのバラエティー番組でやってそうな、頭の体操問題のようですね。


そしてSTと話して気づいたのですが、「き」は比較的よく話せるよね、という事でした。
「き」「く」は→「ち」「ふ」に近い音で発声してました。
でもこの2音はたまにかなり原音「き」「く」に近い音が出るんです。
なんでかなと思っていたんですが、「き」「く」は比較的口の手前側で発声する音なんですね。つまり舌を上顎のどちらかといえば前歯に近い所と接触させて発生する音なんですね。
それに比べて「か」「こ」は、舌を喉の後ろの喉チンコ付近に接触させて発生する音なんです。
ですから、今回も(A)病院では喉チンコ側に少しでも装具が接触して「か」音がでないかと改良を行っていたのです。
で、実際問題、喉奥と何か(皮弁や装具、舌)を接触させる事が非常に難しいよね、というのが現在の状況でした。
ではなんで、「き」「く」がたまに話せるのかという事ですが、家に帰って良く考えて見たら、なんとなくわかりました。
喉と接触させている物は、唾でした。
喉、唾、装具が上手く接触した時に、「き」の音が出ていました。
前からなんとなくは、分かっていましたがなんでと言われると、?でした。
でも今回「き」「く」は前の方で発声する音だと改めて聞き、納得しました。
「き」「く」を発声させるポイント付近までは、なんとかまだ唾を溜める事が出来るポイントなんです。
これよりも後ろのポイント(喉チンコ側)になると、唾は垂直に食道の方へ流れて行き溜める事ができないんですね。
そしてこの唾を溜めるポイントは、口の形状からして、「か」音の喉奥のポイントは垂直に下に下がってます。その後「く」音そして、「き」音を発生するポイントと前歯のほうに近くなってきます。その口腔内の傾きも「く」→「き」→前歯の順に低くなっていきます。
つまり、唾も自然と前歯に近いほうへと移動してくるんです。
ですから、「く」より「き」の方が、少しでも唾が溜め易い位置のポイントで話す言葉なので、「き」が話易いんですね。
そして「き」のポイントがさらに前に来ると「ち」になるんです。
ですから、私はいつも「き」が「ち」に近い音として発生されていたんですね。どうしても、唾も「ち」側の前歯側に流れてきやすい(溜め易い)
ですからね。
それがなんかのタイミング(唾の粘度、首の傾き)で、ベストな位置で声を発生すると「き」というかなり完全な音に近い声がたまに出るようなんです。
唾の位置も、単音で発声している場合は調整するのが難しいですが、会話の流れの中では調整し易い気もします。

でも、やっぱり舌欠損という状態でのリハビリというのは、最初から無理があるんですね。
以前ニュースで、イルカの尾びれが事故でなくなり、あるタイヤメーカーがゴム製の尾びれをイルカに装着させてあげたのをテレビで見ました。イルカはかなりスイスイと泳いでいました。イルカにして見れば完全な泳ぎではないのかもしれませんが、かなりいい感じでした。
それを見て私も、なんかゴム見たいのを付ければ、ペラペラと話せるのではないかと単純に思っていましたが、なかなかそう簡単には行かないですよね。