(2008/10月:記)
経済時評 (12)世界金融大恐慌はじまる(定年ライフプラン破綻)

私も定年を過ぎ、学生時代の友人との再会を懐かしみ、退職金の運用を考え、これから第二の人生を迎えるとき、突然の始まった世界株式市場暴落。”金融危機”という表現がマスコミで使われていますが、これは債券市場も含めてすべての金融システムが崩壊する”世界金融恐慌”というのが正しい表現です。ラビ・バトラーの予言した2010年頃と言われていたアメリカの先鋭資本主義の破綻です。米国P財務長官はゴールドマンサックス出身、彼は非情にもリーマンブラザースを支援しないという利害関係の立場で大型倒産の引き金を引きました。サブプライムの発生、問題の解決を放置したG、FRB議長の功罪も大きいと思います。為政者が大局を見失い、アメリカ先鋭資本主義システムを崩壊させるのが1年早まりました。イラク戦費も大きな負債となりました。G7,G20の会議も効果はありません。残念ながら最後のヘッジファンドを解散させるほどの世界金融恐慌に今後発展します。2008年末から2009年にかけて、世界の金融システムは全く機能を失います。日本型の公的資金注入も、外貨準備の活用も時間稼ぎであり、最終的には日本経済の破綻で世界金融恐慌は終わります。日本の外貨準備を世界の金融市場の安定化のために使えば、交易条件が悪化し、やがては物価高→高いインフレ→高金利→国債暴落→円の暴落となって破綻をします。外貨準備の5%以内、短期融資であれば破綻は避けられるでしょう。しかし世界恐慌の中で開発国、脆弱国への資金提供はデフォルトになって返還されません。日本政府の金保有は主要国の中でも少なく資金の提供は問題があります。IMFはその為に作られました。日本の貢献という名目で、国内の資金を無駄にして無規制に供給し、最終的に債務被害を国民に負わせます。外貨準備は一体誰に帰すべきものでしょうか?官僚と政治家のお金ではないのです。金融恐慌の状況下では現状の金融システムのまま回復させることはできません。一旦先鋭的金融システムを崩壊させて、新たな更正改革的な管理型金融システムが必要となります。銀行の公的資金注入は=銀行国有化社会主義、証券市場の管理化は=管理型資本市場となり、アメリカ型資本主義はモラルの低下で破綻します。社会は大きな変革期を迎え、企業活動にも大きく波及、2009年は大きな企業の倒産が相次ぎます。それは1929年恐慌より大規模な経済破綻になるでしょう。でも悲観論ばかりではなく、破壊の後には必ず新しい希望が生まれます。

証券市場の空売り規制が効果を現し、日経平均も安定した上昇傾向になりました。東証の責任者は空売り規制に反対との意見を述べました。つまり空売り規制によって市場の取引量は激減し市場は死んでしまうというものですが、自己中心的で経済が分からない人間が、経済の破壊を黙認する日本社会です。倫理観の欠如でどれだけ多くの尊い命を奪ってきたかを考えず、自分の立場の保身だけ考える社会となりました。資本主義の経済恐慌は、労働生産性に見合った給与が支払われないため、経済全体に需要不足が発生し、その不足を埋め合わせるために政府が長年赤字の公共事業を続ける一方で、金融資本が局所的に集中して突然バランスを崩す状況に至り必然的に発生します。30年周期など、資本主義では必ず発生する仕組みなのです。利益追求は資本主義の宿命ですが、もし政府が法人税の半分を生産性上昇の見返りとして労働者に割戻しすれば、経済のバランスがとれ、景気は安定して不況やバブルを回避することができます。民間部門では資本主義、政府部門では社会主義の考え方で均衡が取れるのです。

常に人を幸せにしない日本型システム、公平、律法、形式、などの名の下に封建社会のシステムがまだ続いています。日本の権威主義や形式主義が社会規範となって閉塞感や格差意識による社会的いじめが横行しています。人間を尊い存在として見ない社会。匿名性で表面的で虚栄心の発達した社会。金銭見栄の社会。インターネット時代に取り残された封建社会日本、老人も子供も女性も国民も、弱者は皆犠牲者となります。残念ながら、まじめに高度成長を担ってきた団塊世代の勤労者のライフプランはこの金融恐慌で見事に破綻しました。政府が行う公共事業、道路建設は人間社会に必要な需要を満たさず、ただの浪費となります。低賃金、社会保障、経済弱者、企業にとっての需要創出で社会的に経済効果をあげる事業や減税、波及効果を考えて今までに無い人間的な大胆な新たな対策を講ずべきです。この混乱が収束し、あらたな世界秩序で安定するのは2015年頃にアメリカのドルが基軸通貨の地位を降りたときでしょう。ドル紙幣の信用でアメリカが世界の富を集め浪費してきた時代が終わり、今後ドルの信用収縮と還流でアメリカ国民に歴史的な未曾有の被害をもたらします。ドルとアメリカ国債の増刷でインフレーションを世界にばら撒くことになるでしょう。日本国債も将来暴落する可能性が強いのです。

日本のようなA型優位の社会は自殺率が高いという調査結果があります。性悪説から排他的ないじめへ、無意味な定義、律法、形式主義、社会システムが全体に機能不全を起こし、集団組織はヒステリックで複雑化し、モラルの低下と非効率な社会をもたらしています。権威主義では問題の解決に繋がらず、非常時には全て無価値な対策に終わります。
A型社会は衰退、O型社会はダイナミズム、B型社会は自由と変化を社会にもたらします。A型は細かい仕事向き、品質、事務管理、公務員など、O型は目的志向と利益追求で、事業経営、組織統率、事業利益管理向き、B型は企画力で、開発、新規事業創造、芸術文化社会貢献など。危機的状況を打開するのは人間性や創造性を重視するO型・B型優位の社会のシステムが望まいのです。今”日本経済の成長力”が問われる中で、社会組織の基本的な能力を見直すべきだと思います。過剰管理や規制は多くの人を不幸にし、過剰な抑制(自己の悪を意識し他人に過大な矯正を強要すること)は必ず不幸な結果をもたらします。まず他人を愛する心が必要ではないでしょうか。倫理、道徳、宗教、心で律すれば社会組織の運営コストは少なく、法律、行政、規制で社会を律すれば莫大なコストが発生します。シンプルでダイナミックな社会の仕組みに変えること、例えば、増えるばかりの法律は原則として10年程度の時限立法とし、古い規制や障害なくし、自由で成長力のある社会に変革すべきです。道路の信号機を増やせば交通が阻害されます。信号の切替時間を短縮して無駄な待ち時間のロスを少なくすべきです(交通量が少ないのに赤信号で何分も待たされることの無意味)。キャンペーや補助金ばかりに熱心で実際の社会の問題に真剣に取り組まない公務員が多くなったと思います。
公共投資の財は国家が税金で支払っても、公務員の人件費は自らサービスの対価として得るべきです。公務員だからといって無価値なサービスでも給与を得ることはおかしいし、無駄で損失をもたらす公共事業であっても給与を得ることなど言語道断ではないでしょうか。公務員の人件費は自分で稼ぐべきです。民間では会社員は、自分の分、経営者の分、株主の分、国税の分まで稼いでいます。サービスの価値がなければ自分の給与もありません。また公務員は雇用が完全保証されていますので給与は民間企業の賃金水準に対し失業率(5%)をマイナスした水準にしても良いと思います。教員の給与も半分は授業やサービスの対価として支払われるべきで、とにかく役務の100%を税金で支払うことは、300万人といわれる公務員の給与を全て税金の徴収でまかなうことになり、莫大な税金が意味のないサービスに使われている可能性があるのです。
現在日本は国家の存在感やイニチアチブを失い、東アジアの赤字3流国家となる可能性があります。高齢化や非生産人口が増え産業経済の一部はやがて衰退していくでしょう。GDP指標以外の新たな価値が求められる時代、高齢者や女性、子供たちが生き生きと実社会の役割を担える合理的な社会秩序、これからの新しい政治の潮流や日本の社会を変える若いエネルギーに期待をしたいと思います。(私は社会の再生と明るい未来を信じています)


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