(2011/5月:記)
経済時評:東日本大震災と経済損失の規模(東京は?)

<東日本大地震>
東日本大地震で被災された多くの方に心からお見舞い申し上げます。被災地が力強く復興することを願っています。
今回の東日本大震災では被災者の死亡、行方不明が23,500人に達したと伝えられています。被害総額は▲25兆円を超えるのではないかともいわれています。多岐にわたり関連する産業の影響も大きく供給力も大幅に減少しています。自動車など生産台数が大きく落ち込んでいますが、被災により需要と供給力がともに低下し相拮抗してバランスを保っています。不思議にも大きな市場の混乱とはなっていません(商品市場も全体に静かな均衡を保っています)。今後の復興過程でどのような経済的変化が起きるのでしょうか。産業の集積度が比較的高い工業地域の場合と一次産業中心の地域では様相が異なり、それぞれ復興のシナリオも違ってきます。
今回の東日本大地震の主な被災地域の人口割合は、日本全国に対して5%程度です(被災地域4県で600万人/全国は1億2000万人)。この地域の経済活動が全て停止した場合には日本のGDP500兆の5%=▲25兆円が消滅しますが、大地震の場合は全体の30%程度が壊滅的なダメージを受け、それ以外は回復可能な範囲であると考えられます。復興が今後5年間程度で、徐々に回復するとしても損害額は累計でやはり同額▲25兆円程度のGDPマイナスが発生します。復興時の開発資本投資の負担も大きく、長期的には▲50兆円程度は必要になるでしょう。同時に復興時の物価上昇圧力、輸入増加の圧力、加えて企業資産の滅失や社会インフラも大きな負担です。三陸など過疎地の地域経済は、人口減少などで震災後半減する可能性もあります。社会資本やストック損失の25兆円は赤字国債で埋めることはできても、所得やフローの不足分▲25兆円は最終的に日本国民が直接負担することになるでしょう。消滅した需要と供給を回復するには多くの時間と費用が必要です。今後数年間はGDP▲マイナス成長の可能性があります。
復興財源は効果的に使い将来の成長へ繋げることも重要です。特別な金融財政政策を早急に講ずべきですが、現状の政党や議会制度では党利党略や責任回避が多く、官僚組織も大胆な予見をもったリスクのある行政執行ができません。全体主義的合議制度は大きなこのような問題のある状況では全く機能しません。先見性の有る有識者に任せた方が良い結果が期待できると思います(先見性と、聞く耳をも持たない首相?とは全く違います)。先見性の能力は僅かな人間にしか与えられていません。多数決では困難な問題の解決はできません。
”日本の意思決定のスピードが遅い”と海外から批判されますが、戦後、高度成長以後、日本全体が全体主義による決議の方法を採っているため、国も企業も社会もすべて意思決定が遅くなっています。平等主義、公平主義、個人権利の過剰保護、社会的価値基準の喪失、烏合の衆と化した国会、国会議員の頭数が多くても新たな結果を生み出すことはできません。議会は結果を承認することしかできません。国会の議論はほとんどが時間の無駄です。全体過半数の論理が正しいと考えるのは間違いです。独裁的に機能する拒否権、先議権、1/3議決、2/3議決など投票力の意味や価値基準を数理的に正しく理解すべきです。有効議決権と棄権、選挙区と代表者数の妥当性、、、。国会や地方の議員数は多すぎます、むしろ半減させた方がスピードアップし、現在よりも着実に正しい執行ができると思います。企業や社会も「無能な全体主義」に陥っています。韓国、中国、新興国より劣っています。無責任な全体主義に依存せず、直接選挙などで国政の特別執行者を5人程度選び議会よりも優位な権限や投票権を持たせるべきです。近代的で合理的な決議のシステムや執行が大切だと思います。
首相も国民の直接公選制が必要だと思います。今の日本社会は遅れた前時代的社会主義や無知な全体主義に陥っています。たった一つの正しい真理があれば問題は解決することがあります。全体決議は解決の与件ではありません(全体主義は麻薬と同じ、心ある方法ではありません)
コンピュータの無かった前時代的な行政システムの形式をいまだに日本は続けています。年金、税制、社会保障給付など、多くの人件費と時間が割かれ公務員の能率をチェックする仕組みがありません。非効率な行政を行う為に無駄なコンピュータシステムが使われています。数理処理の合理的システムへ移行すべきですが、言い訳ばかりで遅々として進まない行政執行、煩雑な基準評価、集められた義援金は被災者のためにもっと早く給付すべきです。これほど大変な状況なのになぜ給付に時間がかかるのでしょうか?過度の律法主義、全体主義、公平主義、、、いまだに救済されない人達が可愛そうだと思います。(支払われない義援金は1000臆を超えています)
現在、日本の産業は相互の連関性が高く産業全体に多くの影響を与えています。関連経済では地震によるダメージの3倍程度の影響があると思われます。おそらく大震災が経済に与える影響は10年間で巨額なものになるか、または地域経済の縮小均衡となるでしょう。残念ながら神戸の場合と違い、中心経済圏から離れた三陸地域や福島臨海地域は将来人口が半減し、震災前の状態には戻らないかも知れません。1000年に一度の大震災は地域社会にも将来大きな変化をもたらします。規模は小さくても住みよい社会が実現することを心から願っています。復興後、私も仙台〜東北を旅行したいと思います。

<東京大地震?>
はたして東京は大丈夫でしょうか・・・?
プレート型の東海、東南海の連続地震のサイクルは100〜150年とされています。1703年に起きた元禄大地震(M8.1、房総先端)では外房の漁村や関東から東海沿岸の地域に5m以上の津波が襲っています。その4年後に起きた安政大地震(M8.6、東南海)でも多くの沿岸の住民が犠牲となっています。消滅した町村がたくさんありました。東京湾内は波高が減衰しますが湾奥の東京0メートル地帯でも1.5m程度、浦安2m、横浜3mの津波の記録が残っています。
もし今回のような巨大地震(M8.5以上)が東京圏で発生した場合、その被害は甚大です。神奈川、千葉、埼玉を含め、広域の首都圏3000万人と考えれば、少なく見ても、おそらく死者10万人、負傷者100万人、家屋全半壊200万戸、一部損壊400万戸に達するでしょう。損失金額は住宅家屋の被害▲100兆円、企業資産被害▲200兆円?、社会資本やインフラ▲200兆円?、GDP損失5年間で▲500兆円以上失われるでしょう。全体の被害総額は復興するまでの10年間で▲1000兆円を超えるものと思われます。日本の経済や社会の被害は世界中の災害史上でも比較にならないほど大きなものになり、これまで蓄積された国富は全て消滅することになるでしょう。経済社会システムはゼロからのスタートです。
東京大地震では、原発の問題より高度に発達したコンピュータシステムの破壊が致命的となります。基幹のバックアップシステムが遠隔地(例沖縄など)に確保されていれば復興は可能ですが、システムの全てが失われれば回復するまでに更に多くの時間と金額が必要でしょう。日本の金融界のバックアップシステムも以外に脆弱ですから経済活動は長期間停止されるでしょう。供給力不足から輸入超過になり猛烈なインフレが襲い金利上昇後に日本財政は破綻します。日本経済社会の中枢で大地震が発生した場合の復興シナリオはありません。はるか昔の太平洋戦争の敗戦後の状況と同じです。全てゼロからはじめるしかありません。デフォルトの状態で、自宅、学校、会社、施設などは失われ、食料は超欠乏、金、物々交換の経済、学校は1年以上長期休校となります。先生も子供達も全て被災復興のお手伝いしてください。(バラックや木陰でも授業は可能)
大震災が発生した時、もし日本の財政が▲1000兆円を超える累積赤字を続けていれば、、、全ては破綻します(大震災のために国も特別積立など500兆ぐらいは金塊を確保すべきです)。国の債務もせめて▲500兆円以内(1年間のGDPと同じ)であれば問題ないと思います。残念ながら、もし日本が復興した場合でも国民の経済水準は韓国、中国等の東南アジアと同等または以下のレベルに落ちます。シンガポールには遠く及びません。
公的機関の防災マニュアルは鵜呑みにしないでください(多分関東大震災の状況を知らない人が作っています)。もし大地震が起きたら、机などに隠れず建物からすぐ脱出すること!広域避難場所は必ずしも安全ではないかも知れません。人のうわさに惑わされないで下さい。1Lの水とレモン1個あれば夏でも昼間20Km程度は歩けますので、危険な東京の中心地から安全な地域へ逃げてください。大地震発生後は被災者がとても多く(負傷者100万人)、あなたの所には1週間は自衛隊、救援者など全く来ません。いくら待っていても生き延びることはできません。都心から脱出し、安全なところへ非難してください。
関東大震災では、木造建物内に残って圧死した方や焼死した方が多数いました。壊れそうで危険だと思ったら火を消して建物内からすぐに逃げてください。東海、東南海、関東地震はその規則性から、2030年前後に発生すると言われています。今回のプレート型地震で10年ぐらいは発生時期が早まった可能性があります(2020年前後?)。大地震の後には富士山などの火山が噴火する可能性があります。(宝永山はその名残です)
全て悲観ばかりでもなく、やがて大震災から復興して新しい日本に生まれ変わるでしょう。ぜひ自分の目で見たいと願っています。

(将来、予測と異なる状況が生ずる場合があります。あくまでも私個人の意見としてご覧ください)


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