日本におけるドイツとは?

 「日本におけるドイツ年2005/2006」は、ドイツ連邦共和国政府および州、学術、文化団体並びに経済、産業界の数多くの機関、企業によって2005年4月4日から日本を舞台に1年間おこなわれます。現代のドイツをさまざまなイベントや活動を通じて知ってもらおうというこころみで、文化交流活動が繰り広げられます。

ラベルのデザイン

 ラベルをデザインして頂いたのがコンスタンティン・グルチッチさん。インダストリアル・デザイナーでおもに家具や日用品などのデザインが多いようですが、今回ははじめて日本酒のラベルに挑戦してくれました。何か八戸のためにとみずから取り組んでくれたラベルです。

”日本におけるドイツ”開催を祝う日独文化交流として八鶴はドイツの若手インダストリー・デザイナーと異例のコラボレーションを敢行。プロジェクト名"SAKE 8"。ミュンヘンを拠点に世界を舞台に活躍するコンスタンティン・グルチッチさんが氷都八戸の地酒「八鶴」のためにラベルをデザインしてくれました。この"SAKE 8"は日本四大杜氏の一つ南部杜氏の技と心に敬意を表したプロジェクトでもあります。
 SAKE 8 デザイナー・ラベル付きボトル は10月4日(
火)に八鶴工場でプレゼンテーション、発売されます。中に入るお酒はグルチッチさんのラベル・デザインの意義に味と香りが調和するようにと昔ながらの酒造りの原点に還り、じっくりと時間をかけて醸しあげ、さらに蔵のなかでしっかりと熟成させた山廃純米酒を選ばせて頂きました。八鶴のロゴの文字はかつて日本画の巨匠横山大観の筆になるもので当時の謝礼は四斗樽だったと言われています。プレゼンテーションではその歴史的エピソードにならってグルチッチさんへも四斗樽が贈呈されます。
 ラベル は日本の文字を一切使っていませんが、漢字に含まれる意味の力を借りなくても八鶴ブランドと酒造りの本質が明白に表現されているのではないかと思われます。八戸、八鶴、8代目橋本八右衛門、八日町(蔵元の所在地)、八幡駒(八戸を代表する民芸品)、八戸が誇る三社大祭が行われるのが8月・・。 「8」という数が八鶴のお酒を育んできた世界を象徴しています。そしてそのぼってりとした、お多福顔の柔和さもある「8」を構成するサークルが、タンクの中で発酵する時の気泡のように浮上していきます。酒を飲みながらほんのり酔い心地で「8」の字とサークルが肩を寄せあってもいるようではありませんか?「8」という数字からはこんなイメージも伝わってきます。酒造りは毎年毎年が初心に帰っての新しい出発です。そういう酒造りのプロセスや起点と終点の区別がない日本酒の伝統の流れさえも感じられます。「はち」でも「エイト」でもドイツ語で「アハト」でも、言語や国籍を問わず誰もが好きな言語で自由にお酒の呼び方を決めて下さい。
 今回のプロジェクトには さらにドイツのアーティストにも参加頂きました。芸術としての料理活動に励んでいるハノーファーの彫刻家、ディーター・フレーリッヒさんが八鶴のお酒各種を利き酒して北ドイツの伝統料理をベースにして”酒の肴8品”をクリエートしました。この料理本、ラベルのデザインが完成するまでの複雑なプロセス、原米から酒が仕込まれるまでの八鶴工場の現場の様子等を紹介するイメージブックが一つの箱に入った”SAKE8”の本もラベルと共に10月4日(火)にプレゼンテーションされます(300部限定出版)。1年半をかけた”SAKE8”プロジェクトをドキュメントする写真展も蔵で開催することが決まり、蔵の空間を初めてギャラリー空間として使うという更に新しい試みにも挑戦致します。どうぞこの展覧会に、皆様、ぜひ御来場ください。おまちしております。

SAKE 8 山廃純米
使用米 華吹雪 100%
精米歩合 60%
アルコール分
16度以上17度未満
日本酒度 +3
酸度 1.6
容量 720ml
コンスタンティン・グルチッチ(Konstantin Grcic)
1965年 ドイツ・ミュンヘン生まれ。1990年ロンドン王立学術学院(RCA)卒業。
自身のスタジオ「Konstantin Grcic Industrial Design」を設立し、精力的に活動。今のヨーロッパのデザイン界をリードするインダストリアル・デザイナーです。コンパッソ・ドーロ賞など数多くのデザイナー賞を受賞。

そのグルチッチさんからのコメントです。
「八戸のみなさん、初めまして。コンスタンティン・グルチッチです。今回はデザイナーとして本当に貴重な経験をさせて頂きました。10月に八鶴工場で八戸のみなさんと一緒に僕のラベルのお酒で乾杯できるのを心待ちにしております。」
ラベルの製作には相当苦労して頂いたようです。もちろん当日には来八の予定。お楽しみに。

SAKE8 ラベル
ドイツの事務所にて、アシスタントのイカさんと。(ちなみにイカは本名、イカの街八戸と偶然の御縁でした。)
試作の包装紙
ディーター・フレーリッヒ氏、料理を検討中
試作品完成
グルチッチさんがデザインしたプロダクトにはお酒を楽しむのにぴったりのものもあります。ミルクポットは八戸の八幡馬のシルエットに何故か似ていますが、お銚子でも不思議ないフォルム。小皿やミニ・フォーク(本来はフライドポテト用に開発)はおつまみにも使えます。グルチッチさんが初めてお酒を口にしたのはニューヨークの酒バーで、枝豆をつまみながら冷やの升酒を飲んだそうです。
おかげさまで展覧会が閉幕。そのときの様子を画像集としてまとめてみました。上のロゴをクリック!!