算数 (コラム 8)



コラム 8
ゼノンの逆説 「アキレスと亀」

 逆説 (パラドックス) とは、間違った推論でありながら、いかにも正しそうに見えるものの ことです。またその逆に、どう考えても正論とは思えないもので、実は本当だという場合も パラドックスということがあります。

 誰もが一度は聞いたことがある有名なパラドックスに、「アキレスと亀」 があります。これは "ゼノンの4つの逆説" のひとつです。

 足の速いアキレスが、スタート地点が少し前方にある亀と、同時にスタートしたとき、 アキレスは亀に追いつくことはできない。なぜなら、アキレスが亀のいたスタート地点まで くると、亀はそれより先へ行っている。アキレスがまたその位置までくると、亀はさらに その先へ行っている。このようにして、アキレスはいつまでたっても亀に追いつくことは できない。

 紀元前5世紀ころの古代ギリシアでは、2つの学派があり、

     ピタゴラス学派は 「正論」
     エレア学派は 「邪論」 (パラドックス)

と対立していました。ゼノンはエレア学派の哲学者です。
 また、アキレスはギリシャ神話に登場する俊足の武将の名前です。

 ゼノンのパラドックスは、次の4つがあります。

 1. 二分法 (分割のパラドックス)
 A地点からB地点までいくとする。それにはまず、中間地点(半分の地点)を通らなければ ならない。次に、残りの距離の中間地点を通らなければならない。この残りの距離の2分の1の 地点が無限に続くので、B地点には永久に到着できない。

 2. アキレスと亀のパラドックス

 3. 飛矢不動 (飛矢のパラドックス)
 ある時間にある場所を占めるものは、その時間において静止している。 だから、飛んでいる矢はあらゆる瞬間において静止していることになる。

 4. 競技場のパラドックス



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2002.9.1 作成



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