被ばく労働問題省庁東電交渉(2023年6月2日)参加報告

 6月2日に、第24回「被ばく労働者問題に関する省庁・東電交渉」が衆院第2議員会館で行われました。
 全国労働安全衛生センター連絡会が中心に進めているもので、交渉団にはヒバク反対キャンペーンも参加しています。
 事前の要請書等検討会で、ヒバク反対キャンペーンからは、緊急作業従事者を含むイチエフ被ばく労働者に配布されているリーフレット「労災補償制度についてお知らせ」を全国の原発被ばく労働者に配布することを交渉課題に加えることを提案し、要請事項に加えられました。
要請事項6(3)
6.福島第一原発緊急作業従事者の長期健康管理について
(3)福島第一原発緊急作業従事者だけでなく、すべての原子力関連施設で放射線業務に従事する作業員に 放射線被ばくによるがんなどの放射線障害の労災補償について周知徹底すること。【厚労省】
<参考> 原発等労働者の放射線疫学調査第 5 期( 2010 年度~2014 年度)では、4 期につづき、1999 年 3 月現在「放射線影響協会放射線従事者中央登録センター」に登録されていた約 34 万 3 千人(放射線管理手帳交付の登録累積)のうち、実際に被ばく労働に従事し、住所が判明した労働者は 24 万 817 人( 70%)であったとされている。住民調査は中央登録センターから得た情報と原子力事業者等の協力を得て実施されている。

 厚生労働省の事前回答は、「今後とも放射線被ばくによる疾病に係る労災補償制度の周知に努めてまいります。」でした。
 交渉当日は改めて、要請事項と根拠資料を記載した厚生労働省あて要請書を提出し、意見を述べました。
 要請事項:「緊急時作業に従事していない多数の労働者は労災補償制度について知らされておらず、至急に直接個人に知らせる必要がある。原発推進で多数の被ばく労働者を生み出したことに対してとるべき国の責任の1つではないのか。」
 根拠資料:①原発推進で65万人の被ばく労働者が生み出された。②日本の原子力施設労働者の疫学調査(第Ⅳ期、第Ⅴ期)に示されている線量分布から、現在では例えば100mSv以上被ばくが1万人近い(100mSv以上に限らず通知すべき)。③緊急時被ばく労働者の労災補償例には事故前の被ばく線量が多い人が含まれている。
 提出した要請書

 厚生労働省の回答
 「ご指摘の中には知らなかったこともある。100mSv以下でもがんが生じることは承知している。持ち帰って検討したい。」
 なお、リーフレットについては「当面の労災補償の考え方」が前面に出ていることに数名の参加者から批判が出ました。

 今後とも、リーフレットの改善と合わせて、全原発被ばく労働者への配布を要求していきます。

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