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 ●国連・世界の動き
 
第9回NPT再検討会議での活動、会議の結果、課題
核問題調査専門委員会
高草木博(日本原水協代表理事) 


 非核の政府を求める会・核問題調査専門委員会の例会が6月4日、原水爆禁止日本協議会(日本原水協)の高草木博・代表理事を講師に招いて開かれました。テーマは「第9回NPT再検討会議での活動、会議の結果、課題」です。高草木氏の報告要旨を次に紹介します。(文責・編集部)
 署名633万6205筆を提出
 
 私たちは今回、市民社会の声を国際政治に届けるために、「核兵器の全面禁止アピール」署名633万6205筆を、ニューヨークの国連本部で開かれたNPT再検討会議に届けました。今回は直前に、アメリカ西岸の港湾労働組合のストライキの関係で四十数%の荷物が滞貨して署名を運べなくなってしまったために、みんなで署名を持てるだけ持ってニューヨークへ向かいました。

 幸いなことに、国連の側、それからNPT再検討会議の中心になっている方がよく理解してくださって、今回もNPT会議前日に、NPT会議議長のフェルーキさんも国連上級代表のアンゲラ・ケインさんも、私たちの署名伝達式に大賛成で、積極的に応えてくれました。

 ○潘基文・国連事務総長のメッセージ
 署名を提出するときに、署名用紙に書いてある趣旨をNPT会議の参加者全員に必ず伝えてほしいと頼んでおいたのです。そうしたら、アンゲラ・ケインさんも頑張ってくれたのでしょう、会議の冒頭、潘基文・国連事務総長のメッセージが読み上げられたのですが、その中でかなりの比重をさいて署名の趣旨にふれてくれました。

 「私はすべての締約国に市民社会グループとの関わりを深めるよう促したい。彼らはNPTの規範を強め、軍縮を促進するうえで重要な役割を果たしている。現在の再検討会議の準備過程でも、2015年NPT再検討会議議長と国連とは、市民社会グループから、この会議の成功と核兵器の廃絶を呼びかけるいくつかの要請署名を受理した。

 これらの要請署名は、世界の関心ある市民から何百万もの署名を集めている。これは、我々が服務する人々の希望と期待とを力強く想起させるものだ。我々は、何年ものあいだ軍縮を擁護し、かくも多くのことを行ってきた多くの人々と団体とに感謝する。この事業への彼らの原則的な努力に、私は全面的な支持を誓いたい」

 かなり長い部分を署名に割いてくれています。私たちがいちばん強く感じたのはこのところです。

 もう一つ、「すごい」と思ったのは、被爆者に言及した部分です。 「私は、各国の指導者に、近視眼的政治姿勢を捨て、人類の必要に応えた大胆でグローバルなビジョンを掲げるよう呼びかけたい。真の国家安全保障は、核脅迫の影の外で、そこから離れたところでのみ達成しうる。この影は現在と未来の世代のために取り除かれるべきである。
 これは、70年前の8月、核攻撃を生き延びた被爆者のメッセージだ。核軍備撤廃の緊急性を疑うものに対して、私は、彼らの体験を聴くよう挑戦したい。これらの勇気ある、不屈の人々の目を直視するよう反論し、核兵器が何をもたらすのかもっとよく知るべきだと言いたい。彼らは、核兵器の恐るべき人道的影響と、核兵器廃絶の緊急の必要性を思い起こさせる生きた証拠としていまこちらに来ている。私はこれらの証言者が参加されていることに感謝し、現在の会議が彼らの警告に耳を傾け、結果を出すよう求める」

 国連事務総長がこれだけのことを言って、実際に核兵器廃絶のために行動することを呼びかける――この姿勢は、2010年の時と比べてもさらに発展しているのではないかと思うくらいです。

 ○アンゲラ・ケイン国連上級代表の署名受理声明
 前日の署名提出のときも、アンゲラ・ケインさん、フェルーキさんのどちらも構えてきてくれました。アンゲラ・ケインさんは事務総長が別にメッセージを出すことを知っていたせいだと思いますが、かなり自由にものを言ってくれました。

 そのなかで、「NPT再検討会議から5年、圧倒的多数の国連加盟国は、今も続く核兵器の存在こそが人類と文明の存続への最大の危険であり、精力的かつ緊急に核兵器の廃絶に取り組まなければならないという確信を再確認しています」。まだ存在しない核兵器こそが脅威であり、現在ある核兵器は安全のためだ≠ネどという核保有国の政策への批判を、彼女は怖れずにやってくれたのです。

 続けて彼女は、 「一部にはなお核抑止力こそが国家安全保障の中心的柱であるとの強い信念が残っています。

 2015年NPT再検討会議前夜のいま、そうした対立的見方が、核兵器廃絶の目標に対する現実の挑戦として表れています。

 人間は本質的に誤りも免れえないものです。意図的であれ偶発的であれ、核兵器が絶対に使われない保証などはありません」。

 こう述べたあと、だから世論喚起が重要であり、市民社会の力が必要だ、自分は署名をした一人ひとりに感謝したい、必ず会議に伝えるということを言ってくれたのです。

 ○タウス・フェルーキ再検討会議議長の挨拶
 フェルーキさんは、「署名なんかやったって…」という意見にきれいに答えてくれました。
 「署名運動は、核兵器のない世界を作るという、より大きなプロセスの中で、一人ひとりの市民に果たすべき役割を与えるものです。軍縮というのは、各国政府だけの活動ではありません。これは『政治的意思』と呼ばれる、とてもユニークな種類の燃料によって支えられており、究極的には人々の手にその成否がかかっているのです」

 こうして私たちが行った署名提出の目的については、要請団みんなが達成感をもって帰ってくることができたかなと思っています。

 再検討会議の討論と結果、課題

 では、再検討会議そのものはどうだったのか。

 ○中東非核・非大量破壊兵器地帯会議の招請問題
 報じられているとおり、会議最終日の2番目にアメリカのゴッテモラー国務次官が発言し、最終文書案にあった中東非核兵器地帯会議の開催期限、会議招集者がこれまでの合意と違う、恣意的だとエジプトを名指しで非難して、最終文書案不同意を表明しました。それまでほぼ合意に達していたものを、その中東問題でアメリカが反対を表明し、イギリス、カナダがそれを支持して会議は決裂したと報じられています。

 これは事実です。私も前に日本にいたエジプトの外務次官と話をしました。この中東問題の提案は、今年2月に開かれたアラブ22ヵ国の会議の合意によるものです。2010年NPT会議で決めた中東非核・非大量破壊兵器地帯の会議開催を正式の告知もなしにアメリカが延期してしまった。その問題の解決策として今回アラブ連盟の会議で統一案を出していたのです。
 この問題で言えば、私は、イスラエルの安全保障を優先するアメリカの「二重基準」が最大の問題だと思います。

 ○会議決裂の本質的原因は核独占政策の行き詰まり
 ただ、この問題が決裂の要因だったように言うのは眉唾だと思います。ほんとうの原因は、やはり、核保有国の側に、本当に前回の合意を実行する意思がなかったからだと私は強く感じています。

 一つは、クリミア併合をめぐるロシアのプーチン大統領の「核攻撃準備発言」がありました。
 アメリカやNATOの側も態度は同じです。NATOが黒海で行った演習には、トルコとかイタリアとかドイツとか、アメリカの核基地を持つヨーロッパの国が参加し、司令官が「我々の側も必要なことはすべて必要な時期に行う準備ができている」などという声明を出している。
 昨年5月の第3回準備委員会で、核保有国の核軍備の透明性の報告が出されました。アメリカは報告で、どういうときに核兵器を使うかについて、こう言っています。

 「米国は、自国と同盟国・パートナー国の死活的利益を防護するための極限的状況においてのみ核兵器の使用を検討する」

 アメリカが死活的利益という場合、世界中に死活的利益にかかわるところがあって、しかも自国だけではなくて同盟国・パートナー国の死活の利益も防衛するということになれば、ほとんどすべてのケースで核兵器使用が検討される。

 いまの「戦争法案」との関係でも、このまま突き進むと、日本がアメリカの核戦略にそれこそシームレスにつながっていくことになる危険を感じます。

 ロシアも同様で、「自国と同盟国に対する核その他大量破壊兵器の使用、また、ロシアに対する通常兵器による侵略が行われ国家の存亡が脅威にさらされたときに、その対応として核兵器を使用する権利を留保する」という方針です。

 核保有国は核兵器のない世界に向けた2010年合意をやってこなかったわけですが、5年経た今もなお核兵器から離れられない、このことが信頼ある会議の結論に至らなかった本当の原因だと思います。

 ○核兵器廃絶を主張する勢力はどう攻めたか
 ではこの間、核兵器の廃絶を主張する勢力はどう攻めたのか。
 大きな流れで言うと、数字的には去年12月の国連総会の核兵器関連決議によく出ていると思います。

〈新アジェンダ連合〉
 一つは、新アジェンダ連合がこのところ、一時の停滞を脱して、核兵器の包括的禁止条約であれ禁止先行型のものであれ、6条の言う核軍備撤廃の効果的な措置についての拘束力ある文書について交渉を開始すべきだ≠ニいう態度をとっていて、169ヵ国の賛成を得ました。
〈非同盟運動〉
 非同盟運動の攻めは従来と基本的に同じです。核兵器の開発、実験、製造、貯蔵、使用の包括的禁止条約ということで、これは我々の意見と同じですが、やはり核兵器の全面禁止条約を交渉すべきだという立場です。開始時期は「直ちに」、場所は「ジュネーブ軍縮会議」で交渉を開始すべきとしています。

 これについて、提案責任国インドネシアのプルチャヤさんと何回か話しあいました。彼らとしては、核保有国がどうあれ、この態度を貫くことで腹を固めていることはわかりました。

〈メキシコ〉
 それから、会議初日のメキシコ代表のスピーチにも「オッ」と思いました。メキシコはNPT第6条の「核軍備撤廃の効果的措置の拘束力ある文書で交渉を開始すべき」という意見なんですが、禁止の対象として核兵器の「開発、製造、貯蔵、保有、移転、配備、使用」をあげるなど、非同盟の主張も考慮に入れた言い方をしています。

 非同盟の提案とどこが違うのかということですが、スピーチでは「核兵器禁止・廃絶の最高レベルの交渉を開始すべきだ」と言っていました。中身で言うと、NPTやジュネーブ軍縮会議(CD)はコンセンサス方式だからブロックされる、だからこのコンセンサス方式のCDやNPTのプロセスも追求するが、ダブル・トラックでマジョリティのメカニズムのところでも追求する。それは国連だ。だからすでにラテンアメリカ・カリブ諸国共同体《CELAC》でも一致していることだが国連でも核兵器禁止・廃絶の「ハイレベル交渉」を提案する、と言っています。軍縮大使とも会ってきました。彼は非常にはっきりした答えを持っていました。相手がどう出るかではなく、みずからの選択としてこういうイニシアチブを明確にした、これもすごいことだと思いました。

〈オーストリア〉
 もう一つ、そのどちらともかかわりつつ、やや別にやっているのが、人道的声明の流れです。これは、中身は従来と同じです。オーストリアは、周りはスイスを除いてすべてNATO加盟国、ウクライナ問題の影響もあります。そうした環境でも人道的影響からの核兵器廃絶の主張は、強い説得力を持っていると思います。人道的影響に関する共同声明のトーンは、第1回目に比べたらマイルドになっている感じですが、そこで無理に一致点を広げようとしないで、その代わりに、声明にプラスして「オーストリアの誓い」を出して、そこで第6条の法的ギャップを埋める、第6条を実現する条約をつくるということを明快に出した。今回の会合もその2本立てで、去年日本に来たクメントさんが会議の最終日にも、最終文書の決裂を受けて、決意を明確にしたスピーチをやりました。

 このスピーチは、今度の会議をみるうえで大事な一つだと思われるものです。そこで言ったのは、全体の討論を聞いていて、討論のパラメーター、トーン、バランス、そのすべてが日々変わっていった=\―我々の言葉で言うと、力関係が日々変わっていった。非核兵器国が、対等な基礎のうえに安全を要求する力を強めているとして、あらためて核の脅威に対する唯一の絶対的保証は、核兵器を禁止し廃絶することであると確認しています。

さらに、今回の議論を聞いていて、根本的な点で深い溝がある。現実についてのギャップ、信憑性についてのギャップ、信頼についてのギャップ、動議のギャップ、そのすべてにわたって今回の議論ではギャップがある=B

 彼は今回の最終文書案についても、核兵器禁止の緊急性は明らかだ。だが具体的進展が劇的に欠落している≠ニ言って、核兵器に烙印を押し、禁止、廃絶するためにすべての国会、国際機関、赤十字、議員、市民社会と協力していくことが重要になってくる、オーストリアはそれをいっそう緊急な課題としてすすめていくと、最後の結びで宣言したのです。
 やっぱり、追い詰められているのは核兵器に固執する側ということを、オーストリアのような政府がはっきりと言う。ほんとうにすばらしい宣言で、私は非常に感銘を受けました。

 日本政府の果たしている役割

 次に、日本政府の果たしている役割ですが、端的に言って、核兵器の廃絶の帰趨に影響を与えるようなイニシアチブはなかったと思います。今回も18本の文書を出したけれども、「それは重要だ」なんて声は一つもなかったのです。

○NPDIも存在感なし
 日本とオーストラリア政府が中心の「NPDI」、日本語では「軍縮不拡散イニシアチブ」と言っていますが、英語では「不拡散」が「軍縮」の先にきていて、このほうが外務省の本音が出ていると思います。

 核兵器禁止と「ステップ・バイ・ステップ」の狭間にいて、独自の役割、存在感はなかった。提案自体はすべてアメリカの提案の枠内で、CTBTもFMCTもちっとも違っていない。今回目玉にしたのは、米ロのいっそうの削減交渉ですが、交渉をやるあいだは少なくとも核兵器を増やすな、というものですが、そんなことは当たり前のことで提案でもなんでもないから、誰も相手にしませんでした。

 NPDIでやった核兵器国の「報告フォームラーの作成」も、軍縮でも何でもないし、しかも作ったフォームラーを使って報告した国はアメリカを含めて一つもなかったのです。
 「軍縮教育」というのも、核兵器禁止を明確にしない軍縮教育では、被爆国らしいイニシアチブにならないのは一目瞭然です。

 ○2つの「共同声明」
 もう一つ、付随的に言うと、核兵器の人道的影響に関する2つの「共同声明」についても、ちゃんと正直に見るべきだと感じました。今回、オーストリア主導の人道的影響に関する共同声明は159ヵ国です。その声明自体は、核兵器の全面禁止とは言っていませんが、オーストリア自身の態度表明がそれを補強しているわけですから、この声明はやはり核兵器を本格的に禁止・廃絶する大きな土台をつくるものです。

 それに対して、オーストラリアが今回も同じタイトルの別の声明を出しました。その中身は、核兵器国との協力プロセス≠ナ、「禁止」とか「期限」とか核兵器国が嫌がることはいっさい言わない。全体の特徴としては、核兵器国が協力しなければ核兵器のない世界は実現しないのだから、核兵器国とぶつかってはだめだ、ということです。

 では何をするのかというと、核軍備撤廃の「条件」を作ると言っています。これについては第3回準備委員会以降、新アジェンダ連合が集中的に議論している問題で、NPTは1条から11条に至るどの条項も、どれか選択的に実行すればいいというものではない。無条件に実行すべきだ。第6条も、条件がなければ実行しなくていいなどという条項ではないということを展開して、誰も文句を言えなかったのです。

 なぜ声明が2つになるのか。オーストラリア主導の声明の賛同国は26ヵ国で、その内22ヵ国がNATO加盟国です。その内12ヵ国は旧ソ連圏の国です。日本とオーストラリアはアメリカの同盟国ですから、24ヵ国が同盟国で、あとはフィンランドとグルジアです。

 その意味では、大きな構図で言うと、いまのNPT締約国は、核兵器の廃絶を主張する大多数の国々と、内容は一様ではありませんが核兵器を持ち続けたい5つの国、そしてその周辺で、いろいろあいまいなことを言いながらも、「核の傘」で守ってもらいたいと思っている国々が、結局は、核兵器全面禁止の足を引っ張っている、こう言う構図をあらためて強く感じます。
 この辺はやはり、世の中にもっとわかりやすく訴えたほうがいいのではないかと感じています。

 運動方向、課題

 最後に運動方向、課題です。

 ○核兵器のない世界の達成をめぐる焦点
 一つは、これまでも言ってきたことですが、核兵器廃絶の達成手段は、法的拘束力を持つ核軍備撤廃合意――全面禁止条約を含めて――しかないとする立場は、世界の大勢だということです。

 そこで焦点として出ている一つは、交渉へのアクションです。核保有国を視野に入れながら、同時に、それに縛られず前進の道を開こうというのが、ハイレベル会合やオープン・エンデッド委員会です。9月に国連総会が始まりますから、その段階で次のアクションが起こるのではないか。そこは注目しておいたほうがいいと思います。

 もう一つの焦点は、核兵器の人道的イニシアチブというのは、核兵器をなくす手段についての意見の違いで割れることはしないで前に進むということですが、今後、別トラックであれ何であれ、禁止・廃絶しかないという道は明らかに強めていくということが、今回の動きですごくはっきり出てきていると思います。

 ○核兵器国、核依存国の世論と運動の役割が決定的
 最後の点ですが、国際政治の上でやりたいことは、先ほども言いましたが、核兵器の廃絶にあいまいな態度をとっている国の多くは国内で「核抑止力」について議論をしたこともなく、国民は何も知らないまま、NATOに加わり、「核の傘」にいるわけです。これらの国に、例えば日本から被爆写真パネルを大量に送り込むとか、被爆者を派遣するとか、バルト3国とか東欧諸国などで世論喚起をどんどんやって、世の中にわかりやすくしたほうがいいのではないかと感じました。

 それから、ほんとうの勝負どころはやはり、核兵器国や核依存国での運動だと思います。今度の国際平和地球会議の全体の目標は、「核兵器のない平和で公正、持続可能な世界」となりました。私たちの原水爆禁止世界大会をはっきり意識して、それに「持続可能な環境問題」を入れたのを共同のテーマとして会議を開くことができました。

〈被爆70年が焦点に〉
 2点目ですが、「被爆70年」があらためて大きな焦点になったと思います。これは去年2月のナヤリット国際会議の議長まとめで、「被爆70年を核兵器のない世界への里程標に」しようということが打ち出されたのですが、我々もそこのところをしっかり意識したほうがいいと思いました。

 平和地球会議では、ノーベル賞候補になった谷口稜暉さんとセツコ・サーローさんの2人が冒頭スピーチしました。NPT会議のNGOセッションでもセツコ・サーローさんが話をしました。やっぱり広島、長崎の体験を人々に伝えるという点は、日本の運動として断固としてやらなければいけないことだと改めて感じました。あらゆる行事でそれをやろうということで、平和地球会議でもそれを提唱したのですが、その点はみんなよく理解してくれました。以前の平和運動では考えられないことです。

 核兵器が使われたら危険だというだけでなくて、現に使われた広島と長崎を見て、これは二度と起こしてはいけないことだという認識をもつことが大事なんだということが、去年のウィーン国際会議での佐野大使発言があったことで余計はっきりしたと思います。

 今回の行動でも、日本の人たちにずいぶん焦点があたり、どこでも多くの積極的役割を果たすことができました。IPB会長のライナー・ブラウンさんは最後のまとめで、我々がめざすのは、ほんとうに核兵器のない世界を作るには外交だけではだめだ、やはり日本のような社会に根を張った強力な運動を作らなければいけないのだ≠ニ、結んでくれたのです。

〈原水爆禁止2015年世界大会〉
 一番最後に、今年の原水爆禁止世界大会は日本で開くわけですから、やっぱり、安倍政権が持ち出した「戦争法案」というのは、沖縄のように日本国民がしっかりと「ノー」と言わなければならない問題です。これを許せば、日本はアメリカの戦争にも、核戦略に引き込まれていくわけですから、原水爆禁止の反核運動としてもきちんと訴えていかなければと思っています。