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非核の政府を求める会が第33回全国総会(2018.6.30)

常任世話人会  (2018.6.30)
非核の政府を求める会は2018年6月30日、東京都内で第33回全国総会を開きました。同総会で採択した「国民のみなさんへの訴え」、新活動方針を次に紹介します。

 
 《国民のみなさんへの訴え》
 核兵器廃絶、朝鮮半島非核化へ、いまこそ非核の日本政府を


 国民のみなさん
 半月前の6月12日、米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長がシンガポールで首脳会談を行い、晴れやかに「共同声明」に署名する歴史的瞬間を、テレビの前で固唾をのんで見守っていた方は多いのではないでしょうか。朝鮮戦争勃発から70年近くにわたって敵対関係にあり、半年前には武力衝突さえ懸念された両国の首脳同士が、史上初めて対話・交渉の席に着き、信頼醸成の扉を開いたのです。まさに画期的な出来事です。私たちは、朝鮮半島非核化と平和体制構築に向かう歴史的な転機となる今回の首脳会談の合意を、心から歓迎します。
 長年、軍事衝突の不安を強いられ、身内を南北に引き裂かれてきた朝鮮半島の人々が、今回の合意を如何に大きな感慨をもって受け止めたかは想像に難くありません。今後、合意を履行する過程で、様々な困難に直面することもあることでしょう。しかしこの合意の方向が、朝鮮の民族的悲願、戦争のない平和な地域を求める北東アジアの人々の願いと合致するものである以上、この流れを頓挫させるわけにはゆきません。日本を含む関係各国・国際社会の協調した取り組みと結び、この動きを後押しする世論づくりに向けて、「核兵器なき世界」を求める私たち市民社会がいまこそ大いに力を発揮するときです。

 みなさん
 「核兵器なき世界」の達成をめざす世界の流れは、昨年7月の歴史的な核兵器禁止条約採択を転機として、新たな段階を迎えています。同条約採択により、核兵器は初めて違法化され、残虐な大量殺戮兵器である核兵器は廃絶すべき≠ェ国際的規範となる時代を迎えようとしています。昨年暮れの第72回国連総会では、すべての加盟国に禁止条約の早期署名・批准を呼びかけた「多国間核軍備撤廃交渉の前進」決議が禁止条約採択時の賛成国を上回る125ヵ国の賛成で採択され、条約発効を求める気運を示しました。今春の核不拡散条約(NPT)再検討会議第2回準備委員会でも、多くの国々が早期発効へ署名や批准を呼びかけました。この流れが世界の大勢であることは明らかです。
 同時に、こうした動きに危機感を募らせる核兵器固執勢力は、条約に賛成した国々に圧力を加えるなど発効阻止に躍起となっており、断じて看過できません。核保有国・核依存国は、「世界を危険にさらし、不安定化させることになる」などの理屈で禁止条約を敵視しています。果たしてそうでしょうか。「偶然、誤算、あるいは意図したいかなる核兵器の爆発からくるものを含め、核兵器が存在し続けることによってもたらされる危険」(核兵器禁止条約「前文」)こそ人類の最大の脅威である――、このことを認めないのは、いまや一握りの核保有国・核依存国にすぎません。
 国連の場で禁止条約が採択されたことにより、「核兵器廃絶」を求める国民的共同を政治的立場の違いを超えて大きく広げる新たな可能性が生まれています。「核兵器なき世界」の実現を妨害する核保有国・核依存国とのせめぎ合いに打ち勝ち、核兵器固執・核抑止力依存の政策を断念させる世論を大きく広げようではありませんか。

 みなさん
 問題なのは、日本政府の姿勢です。朝鮮半島の平和プロセスが始まるなかで、核固執勢力の地顔を露わにする安倍政権と、国民の非核・平和の願いとの乖離は、かつてなく深刻です。核兵器禁止条約に対する安倍政権の公然たる反対表明は、唯一の戦争被爆国日本への期待と信頼を大きく失墜させています。昨年の国連総会に提案した日本決議では、核兵器の例外的使用を容認し、NPTが明記した核兵器国の「自国核軍備の撤廃義務」をも曖昧にして、世界の非難の的となりました。この間報じられた、外務省要人による「沖縄への核貯蔵」容認発言も好核勢力≠フ素顔を示すものにほかなりません。そればかりか、9条改憲、沖縄の新基地建設になお執念をもやしています。
 安倍政権と国民との軋みはそれらにとどまりません。「森友・加計学園」疑惑、自衛隊日報隠ぺい問題、「働かせ方改悪」のためのデータねつ造、財務省セクハラ問題等々――。いま国政は、国会と国民をウソで欺く異常事態です。国民は、どの問題も「安倍首相由来」の疑惑・不祥事であることを見抜いています。そのことは、4ヵ月にわたり内閣「不支持」が「支持」を上回る事態となっていること、不支持の理由でも「首相が信用できない」が群を抜き7割前後に上っていることに端的に示されています。内政でも外交でも末期症状を呈している安倍政権は、即刻退陣すべきです。

 みなさん
 核兵器禁止・廃絶をめぐるせめぎ合いが激しさを増し、朝鮮半島情勢が新たな進展を見せるなか、いまほど日本に非核の政府が求められているときはありません。まもなく原水爆禁止2018年世界大会が被爆地の広島・長崎で開かれます。核兵器禁止条約から核兵器廃絶へ、自国政府の核兵器政策の転換を迫る世論喚起でも、朝鮮半島非核化・平和体制構築を促進する環境づくりでも、「核兵器なき世界」を求める市民社会の役割はこれまでに増して重要となります。被爆国で開催される今年の世界大会が、核兵器廃絶のための市民社会・国連・各国政府のさらなる共同の場となること、また、ヒロシマ・ナガサキの被爆の実相、核兵器の非人道性をこれまで以上に内外に発信し、「ヒバクシャ国際署名」を本格的に発展させる結節点となることを、いま、世界が大きな期待を込めて注目しています。歴史的な意義をもつこの大会を大きく成功させ、核兵器のない平和で公正な世界の実現のために新たな前進を切り開こうではありませんか。

2018年6月30 日           非核の政府を求める会第33 回全国総会

                                    ◆

第33回全国総会議案
2018・6・30 常任世話人会



はじめに

 今総会は、腐敗と劣化の極みの安倍政治を総決算し、内政でも外交でもまともな政治を取り戻すことが喫緊の課題となる情勢のもとで開かれる。
 また、北朝鮮問題をめぐる歴史的な南北、米朝の両首脳会談によって「朝鮮半島の非核化・平和体制構築」に向けたプロセスが開始されたもと、安倍政権の核抑止力依存・圧力一辺倒政治の破たんが浮き彫りとなり、憲法9条を持つ国にふさわしい役割発揮がいよいよ重要となる情勢のもとで開かれる。
 核兵器禁止条約締結・核兵器完全廃絶、非核の政治の実現にとって、また「安倍9条改憲ノー、安倍政権退陣」のたたかいでも、いまほど市民社会の存在感・役割がクローズアップされているときはない。情勢は「非核政府の会」運動の真価発揮を強く求めている。

[1章]核兵器をめぐる世界の変動

(1)朝鮮半島をめぐる南北、米朝両首脳会談を歓迎する


〈朝鮮半島非核化・平和体制構築を宣言〉
 米国のトランプ大統領と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正恩国務委員長は6月12日、米朝首脳会談をシンガポールで行い、会談終了後、「共同声明」に署名した。朝鮮戦争勃発から70年近くにわたって敵対関係にあり、半年前には武力衝突さえ懸念された両国の首脳が、史上初めて、直接、対話・交渉の席に着き、「共同声明」に署名し、信頼醸成の扉を開いたことは、まさに画期的出来事である。我が会は、朝鮮半島非核化・平和体制構築に向かう歴史的な転機となる今回の首脳会談の合意を心から歓迎する。
 両首脳が署名した「共同声明」には、北朝鮮による「朝鮮半島の完全な非核化に対する強く揺るぎない決意」と、米国による「北朝鮮に対する安全保障の提供の約束」が明記された。これらは、米国による攻撃に対する「抑止力保持」が北朝鮮の核開発の動機となっていたことからも、半島非核化の基礎的な枠組みとなるものである。また、米国と北朝鮮は朝鮮半島において持続的で安定した平和体制を構築するために共同で尽力することを宣言した。
 この「声明」が韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長が4月27日に行った首脳会談での「板門店宣言」を再確認した意味は重い。「板門店宣言」は、「完全な非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現する」「(朝鮮戦争の)停戦協定締結65周年となる今年中に、終戦を宣言して停戦協定を平和協定に転換し、恒久的で堅固な平和体制構築」に取り組むことを明示している。
 今回の米朝合意について、トランプ氏自身「包括的な合意」と語っているように、朝鮮半島の完全な非核化と、恒久的で安定した平和体制の構築に向けたものであり、実効性ある具体的な措置、行程表等の確定は、今後の交渉に委ねられている。「共同声明」は「米朝首脳会談の結果を履行するため、マイク・ポンペオ米国務長官と北朝鮮の担当高官が主導し、さらなる交渉をできるだけ早い日程で開催することを約束する」としている。我が会は、両首脳のこの言明の誠実かつ真剣な履行を強く期待する。

〈関係各国、国際社会の役割は重要〉
 合意を履行する過程で、様々な困難に直面することも予想されるが、それだけに米朝両国はもとより、日本を含む関係各国・国際社会の協調した取り組み、「核兵器なき世界」を求める市民社会の役割が重要となる。今後の交渉継続、合意履行の障害となる言動は厳に慎むべきである。軍事的緊張をあおる行為などは論外である。

(2)核兵器禁止条約支持、核廃絶の流れは世界の本流

〈核兵器を違法化――新しい国際的規範の時代へ〉
 「核兵器なき世界」の達成をめざす世界の流れは、昨年7月、核兵器禁止条約の採択を歴史的転機として新たな段階を迎えている。同条約採択により、核兵器は初めて違法化され、人類史上類をみない残虐な大量殺戮兵器である核兵器は廃絶すべき≠ェ国際的規範となる時代を迎えている。昨年9月に受付が始まった同条約の署名は、この9ヵ月で59ヵ国を数え、すでに10ヵ国が批准書を国連に寄託している。核兵器禁止条約は、50ヵ国目の批准書が国連に寄託された後、90日で発効する。
 昨年暮れの第72回国連総会では、核兵器禁止条約を歓迎する諸決議が核保有国の妨害をはねのけて賛成多数で採択された。なかでも、国連加盟国すべてに早期の署名・批准を呼びかけた「多国間核軍備撤廃交渉の前進」決議が禁止条約採択時の賛成国を上回る125ヵ国の賛成で採択されたことは、条約発効をもとめる機運を示すものとして注目される。今春の2020年核不拡散条約(NPT)再検討会議第2回準備委員会でも、初日から多くの国々が早期発効へ署名や批准を呼びかけた。この流れが世界の大勢であることは明らかである。

〈条約は「使用の威嚇」も禁止して「抑止力」を否定〉
 国連の場で禁止条約が採択されたことにより、「核兵器廃絶」を求める国民的共同を政治的立場の違いを超えて大きく広げる新たな可能性が生まれている。核保有国・核依存国政府の核固執政策を転換させる世論づくりがいよいよ重要となっている。
 採択された同条約は、その前文で、「核兵器の法的拘束力を持つ禁止は…核兵器のない世界の実現と維持に向けた重要な貢献となることを認識し」「全面的な核軍備撤廃に至る交渉の締結を誠実に追求し実現する義務が存することを再確認」するとうたって、核兵器禁止からさらに廃絶へと向かう基本的立場、決意を力強く宣言している。この見地は、第4条「核兵器の完全廃絶に向けて」で、核保有国および核配備国の条約参加に道を開く枠組みとして規定された。
 条約第1条「禁止」は、核兵器の開発、実験、生産、製造、取得、保有、貯蔵、移転、受領、使用等を禁じ、核兵器による威嚇=核抑止力論を否定する「使用の威嚇」も明確に禁止した。条約に織り込まれたこうした方向こそ、わが国の被爆者・国民の積年の苦難・願いに応える道である。

(3)危機感募らせる核保有国・依存国とのせめぎ合い

〈核兵器固執勢力包囲する世論を〉
 核兵器固執勢力は、核兵器禁止条約の採択により、条約を拒んでも政治的・道義的制約を受けることから危機感を募らせ、条約に賛成した各国に圧力を加えるなど発効阻止に躍起となっている。とりわけ、世界で唯一、核戦力を海外展開する米国は、日米核密約をはじめとする同盟国との核軍事提携が阻まれることへの警戒感をあらわにしている。2016年暮れ、「核兵器禁止条約の交渉開始」を求める国連決議(L.41)採択に先立って、米国が北大西洋条約機構(NATO)諸国やパートナー諸国に書簡を送りつけ、決議案採択で反対票を投じること、国連交渉会議に参加しないことを求めたことは、その象徴的なあらわれにほかならない。
 核保有国・核依存国は、「世界を危険にさらし、不安定化させることになる」などの理屈で核兵器禁止条約を敵視するが、「偶然、誤算、故意によって起こる核爆発を含め、核兵器の継続的存在がもたらす危険」(核兵器禁止条約「前文」)こそ全人類の最大の脅威であることは明白である。また、核兵器禁止・完全廃絶の流れは、「世界を不安定化させる」どころか、国際紛争の平和的解決を求める世論の成長、国際規範の確立と相まって、平和的国際秩序の新たな基礎と発展の展望を開くことになる。その先にこそ人類の平和的未来があることに疑いをはさむ余地はない。
 核兵器の保有・「抑止力」に固執し、「核兵器なき世界」の実現を妨害する核保有国・核依存国とのせめぎ合いに打ち勝つ世論喚起が、いよいよ切実に求められている。

〈トランプ米政権の「核態勢見直し」〉
 トランプ米政権は2月2日、核戦力全面強化をめざす「核態勢見直し」(NPR)報告を公表した。トランプNPRは、@経年化した戦略核兵器の3本柱(原子力潜水艦発射ミサイル=SLBM、大陸間弾道弾=ICBM、爆撃機)のすべてを「近代化」し、新型核兵器に交代させる、A戦術核兵器では、▽B61-12爆弾を搭載するF35A戦闘機▽海洋発射核巡航ミサイル(SLCM)を導入する、B米国や同盟国が通常兵器で攻撃された場合でも核兵器を使う、などの内容を含んでいる。世界最強の米国の核戦力を今世紀末まで死守しようとしている。
 新NPRが核兵器使用のハードルを下げたことは、事実上、核兵器禁止条約の発効を阻まんがための各国への核の恫喝≠ナあり、核兵器禁止・完全廃絶を求める世界の流れへの許しがたい挑戦である。ロシアのプーチン政権も、米国のミサイル防衛システム(MD)に対抗して新型ミサイル開発・配備を公言するなど、新たな核軍拡競争の様相を呈している。
 同時に、こうしたトランプ、プーチンのパフォーマンスはまた、「核なき世界」を求める世界の世論の伸張によって包囲網を狭められた核保有大国の焦りの現れでもある。先のNPT第2回準備委員会で米ロは、シリア・中東問題を口実に「米英仏」対「ロ中」の対決構図を持ち込んで核保有国バッシング≠回避し、NPT会議の論議を攪乱した。大局的にみれば、核保有国の国際的矛盾の拡大、孤立の深まりは明らかである。

[2章]安倍政権の早期退陣、「非核の政府を」の声いまこそ

(1)9条改憲・歴史逆行、核兵器固執政治ストップ!
    ――「市民と野党の共闘」発展させ、まともな政治を取り戻そう

〈ボロボロの安倍政権は即刻退陣を〉

 「森友・加計学園」疑惑、自衛隊日報隠ぺい問題、文民統制の崩壊、「働かせ方改悪」のためのデータねつ造、教育への介入・圧力、財務省セクハラ問題等々――。いま国政は、国会と国民をウソで欺く、政治史上かつてない異常事態となっている。どの問題も「安倍首相由来」の疑惑・不祥事である。いま国民は、安倍政権による憲法破壊、民意無視、国政私物化の腐敗・劣化政治に嫌悪感、怒りを募らせ、批判を強めている。直近の世論調査で、「森友・加計疑惑」をめぐる安倍首相の説明に対し、「信用できない」が7割に達し、防衛省によるイラクへの自衛隊派遣部隊の「日報隠ぺい」問題でも、政治が自衛隊を統制する「シビリアンコントロール」について国民の6割は「利いていない」と見ている。安倍内閣に対する支持率は3割台に低迷し、4ヵ月にわたり「不支持」が「支持」を上回る事態となっている。不支持の理由は「安倍さんを評価していない」「首相が信用できない」などが群を抜き7割前後にも上る。内政でも外交でも末期症状を呈している安倍政権は、即刻退陣すべきである。
 核兵器政策でも安倍政権は、核固執勢力の素顔をますます露わにし、国民の非核・平和の願いとの乖離がかつてなく深刻となっている。核兵器禁止条約に対する安倍政権の公然たる反対表明は、唯一の戦争被爆国日本への期待と信頼を大きく失墜させた。昨年の第72回国連総会に提案した日本決議では、核兵器の例外的使用を容認する文言に変え、NPTが明記した核兵器国の「自国核軍備の撤廃義務」をも曖昧にして核保有国に媚び、世界の非難の的となった。またこの間「しんぶん赤旗」などが報じた、外務省要人による「沖縄への核貯蔵」容認発言も好核勢力≠ニしての日本政府の素顔を示すものであり看過できない。

〈米朝合意で「核抑止力」「辺野古新基地建設」の根拠&壊〉
 北朝鮮の核・ミサイル問題の解決をめぐって、南北首脳会談・「板門店宣言」、米朝首脳会談・「共同声明」を通して、安倍政権に外交政策の根本的転換を迫る新たな局面が生まれている。この間安倍政権は、北朝鮮問題をあげて「北東アジアの安全保障環境の悪化」を言いつのり、「米国の核抑止力は必要」だと公言してきた。核兵器禁止条約不参加、戦争法制定、沖縄の辺野古新基地建設、9条改憲なども、「北朝鮮の脅威」なるものがその口実とされてきた。だが、両首脳会談で合意をみた「非核化と平和体制構築に向けたプロセス」が進めば、それらの根拠がすべて崩壊することになる。半島が非核化し、北東アジアが平和の地域になれば、日米安保条約も在日米軍基地も、日米「核密約」も存在意義を失うことになる。
 安倍政権は、両首脳会談が成功裏に開かれたのちにも、「北朝鮮の実際の脅威は変わっていない」などとして北朝鮮の弾道ミサイルを想定した陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備強行を狙い、米朝合同軍事演習中止に異議を唱えるなど、従来の軍備増強と圧力一辺倒$ュ治を引きずっている。日本政府は、北朝鮮の隣国であり、憲法9条をもつ国として、憲法にもとづく平和外交により、非核・平和のプロセスを支持・推進する役割を果たすべきである。我が会は、日本政府が「日朝平壌宣言」にもとづき、拉致問題、過去の清算を含む日朝両国間の諸問題の包括的解決、国交正常化のために尽力するとともに、米朝合意の誠実な履行、今後の対話推進のために積極的な役割を果たすよう求めてゆく。

〈市民と野党の共闘の発展へ〉
 安倍政権を退陣に追い込む希望は、市民と野党の共闘である。「主権者は私たち!」の旗を掲げて、戦争法反対で国会前を埋め尽くした新しい国民運動と野党の共闘は、この間もその威力を発揮し、国会では「働き方改悪」のデータねつ造を認めさせて裁量労働制を削除させ、佐川前理財局長の証人喚問などを実現させた。9条改憲問題でも、「3000万人署名」を力に反対世論を急速に広げ、自民党など改憲勢力の「年内発議」を抑止している。先の新潟県知事選挙では、市民と野党が共同で推した池田ちかこ候補が当選には及ばなかったものの大健闘し、市民とオール野党の共同の力を示すものとなった。
 この市民と野党の共闘の力をさらに発展させて安倍政権を倒して、ウソのない正直な政治、公正な政治、立憲主義と民主主義のまともな政治を取り戻そう。広がる国民の非核・平和の願いと結び、「核兵器禁止条約締結」「非核3原則厳守」の「非核の政府」を求める気運を大きく広げてゆこう

(2)日本政府は被爆国にふさわしい「非核の政治」を

 わが会は、昨秋の第72回国連総会および今春の核兵器禁止条約づくりの国連会議に際して、日本政府に対し、米国の「核の傘」依存をやめ、核兵器禁止条約の署名・発効の先頭に立つよう重ねて強く要請してきた。
 核兵器禁止条約が採択されたいま、被爆国の政治的・道義的責任として同条約に署名し、批准に積極的役割を果たすよう求めることは、焦眉の課題となっている。同時に、朝鮮半島の非核化、平和体制構築に向けた新たな動きと結んで、わが国が米国の核戦略に組み込まれる危険を防止し、非核・平和の国づくりへの転換を求める世論を広げることがますます重要となっている。
 わが会は、日本政府に対し、以下の諸点を中心に、被爆国政府にふさわしい「非核の政治」を行うよう求め、これらを実行する政府をめざす。
 ○ 核兵器禁止条約に署名・批准し、その早期発効のために力を尽くす。国連全加盟国に同条約加盟を促す。
 ○ 原爆被害の非人道的な実態を世界に発信し、核兵器はいかなる状況下でも二度と使用されてはならないことを世界に訴える。「ヒバクシャ国際署名」に署名し、推進する。
 ○ 被爆者施策の抜本的改善、原爆被害への国家補償に踏み切る。
 ○「南北首脳会談」「米朝首脳会談」の合意を支持し、朝鮮半島非核化・平和体制構築のプロセスに積極的に寄与する。
 ○ 国連総会で非同盟諸国、新アジェンダ連合による核兵器廃絶諸決議を支持・推進する。
 ○ 核兵器の保有と使用を是認する「核抑止力」政策=「核の傘」から離脱し、国際社会に宣言する。
 ○「非核3原則」を厳守し、非核の日本を実現する実効性ある措置を講じる。
 ○ 日米「核密約」の存在と構造を徹底的に調査・公表し、これを破棄する。
 ○ インドの新たな核兵器製造につながる「日印原子力協定」を破棄する。

(3)安倍改憲を許さない

 安倍首相は、今年の憲法記念日の「改憲派」集会に、昨年に続いてメッセージを寄せ、「改憲に取り組むときがきた」と訴えた。内政・外交とも末期症状を呈し、内閣支持率が30%台に低迷し続けようがどこ吹く風の異常な改憲執念である。いまや9条改憲の妄執だけが安倍政権の求心力となっている。
 自民党9条改憲案が3月、複数公表されたが、それらによると、安倍9条改憲は、9条2項の後に「前条の規定は、自衛の措置をとることを妨げない」などとして自衛隊を明記する条文を加えることにより、9条2項の戦力不保持を否定し、海外での武力行使を禁じてきた9条1項の制約を取り払って、無制限の海外での武力行使に道を開くものとなっている。
 しかもその自衛隊は、違憲の安保法制=戦争法の下、集団的自衛権を行使し、文民統制を踏みつけにしている自衛隊である。戦争する軍隊≠ヨの変質を許してはならない。
 安倍首相は、北朝鮮のミサイルの飛距離が米国本土に達することをもって「国難」だと言いつのり、それを口実に9条改憲の必要を主張してきたが、いまや朝鮮半島の非核化・平和体制構築に向けた画期的なプロセスが動き始めている。改憲の論立てが大本から崩れている中、安倍政権の9条改憲の企てをきっぱりと断念させよう。
 3000万人署名≠ヘわずか半年余で1350万人を突破した。各種世論調査で、安倍政権下での9条改憲に「反対」が「賛成」を大きく上回っている。3000万人署名が改憲反対の世論を築いてきたことを確信に、署名目標の早期達成で、改憲の息の根を止め、安倍政権を退陣に追い込もう。

(4)沖縄新基地建設反対・基地撤去の攻勢的たたかいを

〈翁長県政を守り新基地建設阻止を〉
 沖縄新基地建設反対のたたかいは、安倍政権が8月中旬にも名護市辺野古海域への土砂投入開始を計画し、新たな局面を迎えようとしている。超法規的で強権的な護岸工事強行は、県民をあきらめさせることを狙ったものであるが、安倍政権の思惑にもかかわらず辺野古崎北側の大浦湾側深場では護岸工事がほとんど進んでいない。大浦湾側に超軟弱地盤が存在しているためで、護岸工事は深刻な行き詰まりに直面している。
 建設を続けるには翁長知事から設計変更の承認を得る必要があるが、知事は権限を行使して断固拒否すると言明している。新基地の是非を問う県民投票の成功をめざす運動が展開されている。翁長県政を守り発展させれば辺野古新基地をつくることはできない。11月の沖縄県知事選の勝利のために、「オール沖縄」の発展、本土との連帯・共同の強化が、まさに焦眉の課題となっている。

〈沖縄を再び核の島≠ノさせない〉

 この間、オバマ前米政権が新たな「核態勢見直し」(NPR)策定に向け、米連邦議会に設置した諮問機関・戦略態勢委員会(委員長・ペリー元国防長官)が2009年2月、在米日本大使館関係者らを対象に開いた意見聴取で、秋葉剛男公使(現・外務事務次官)が沖縄への核貯蔵庫建設を容認する意向を示していたことがわかった。米科学者団体「憂慮する科学者同盟」のグレゴリー・カラーキー上級アナリストが入手した、戦略態勢委員会スタッフが作成したメモによると、秋葉氏は、米国が日本との事前協議なしに核兵器を削減する可能性に深い懸念を表明し、米国の核戦力の維持を要請。「沖縄への核貯蔵庫の建設」を、「そうした提案は説得力がある」と述べて肯定した。
 沖縄は、戦後長らく米軍の施政権下に置かれ、アジア太平洋地域で最大規模の1300発もの核兵器が配備されていた。72年の沖縄返還で核兵器は撤去されたが、佐藤栄作首相とニクソン米大統領は69年、米国は有事の際に核兵器を再配備する権利を保持するとした「密約」を交わしていた。米国防総省は沖縄への核兵器持ち込みを米国の「既得権」だと誇示している。
 沖縄核密約では、「沖縄に現存する核兵器の貯蔵庫、すなわち、嘉手納、那覇、辺野古、並びにナイキ・ハーキュリーズ基地を、いつでも使用できる状態に維持しておき、重大な緊急事態が生じた時には活用できる」とされている。
 こうした一連の事実は、日米間で密約を破棄した事実がない以上、米軍の戦後一貫した核戦略――沖縄などの米軍基地を米国の核戦争の最前線基地として位置づける危険な現実がいまも生き続けていることを示している。沖縄を再び核の島≠ニし、米国の核戦争の前線基地として半永久的に使い続けようとする米日支配層の危険な企てを許してはならない。

(5)原発再稼働・輸出反対、東電と政府は福島の賠償責任果たせ

 ●福島第一原発事故から7年余が経過した。昨年3月末から4月はじめにかけて、帰還困難区域を除き、避難指示区域はほとんどが解除された。しかし空間線量率は下がっても病院、商店などの日常生活に必要なインフラ整備や生活関連サービスは追いつかず、少なからぬ被災者は不安を抱えている。
 問題は、避難指示解除と精神的苦痛に対する賠償打ち切りがワンセットにされていることである。原子力災害からの復興には長い時間を要する。ところが安倍政権は、原発再稼働と原発輸出のために、賠償金を抑え原発被害を小さく見せるために、解除1年後には賠償を打ち切ろうとしている。原発推進のために、原発事故の被害に苦しむ被災者に新たな困難を押しつける政治は断じて許されない。東京電力と国は加害責任を認め、すべての被災者の生活と生業が再建されるまで責任を果たすべきである。
 原発事故現場では、1、2、3号機の燃料貯蔵プールからの使用済み燃料の取り出し作業が大幅に遅れ、燃料デブリの取り出しについてはいまなお燃料デブリの散在状態の調査中で、工法の決定は来年に先送りとなった。汚染水問題では、今も1日150トンの地下水が原子炉建屋地下へ流入しており、その流入にどう対処するかは、依然として重要課題である。
 ●経済産業省は5月、「第5次エネルギー基本計画」案をまとめたが、原発ゼロ・自然エネルギー社会などを求める幅広い市民団体から計画の根本的見直しを求める声があがっている。同計画は、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけたうえ、2030年度の全電源に占める原発の比率を20〜22%とした。現在約2%の原発比率を20%以上に引き上げるためには、運転開始から40年超の原発を含めすべて再稼働しなければならないもので、断じて認められない。
 野党4党は3月、「原発ゼロ基本法案」を史上初めて国会に提案した。同法案は「原発廃止・エネルギー転換の実現は、未来への希望である」と明記し、「原発ゼロ」を政治決断し、「動いている原発は速やかに止める」「再稼働は一切認めない」というものである。安倍政権は、国民不在のエネルギー計画は根本から改め、原発ゼロの実現、再生エネルギーを飛躍的に拡大する政策へと転換すべきである。
 原発輸出を「成長戦略」の柱に位置づける安倍政権は、各国に売り込みをかけたが次々と頓挫している。日立製作所が英国で進める原発建設計画も、巨大プロジェクトが行き詰まれば、つけは国民に回ってくる。そもそも原発事故を起こした日本の政府が原発輸出を「成長戦略」の柱に据えること自体、異常である。原発輸出政策はきっぱり撤回すべきである。

[3章]「非核の政府」の合意へ、会の活動前進を

 今日、核兵器禁止条約の発効・核兵器廃絶を求める被爆者・国民の願いと、核兵器禁止条約を敵視し核兵器固執勢力としての素顔をあらわにした安倍政権との乖離は、かつてなく深刻化し、被爆国の国民の非核・平和の願いを代表する「非核の政府」の実現がいよいよ切実は課題となっている。朝鮮半島非核化の新たな動きを積極的に前に進めるうえでも、その意義はいっそう重要となっている。結成いらい一貫して、核兵器の廃絶と「非核の日本・非核の政府」を求めて国民運動、国民的共同の発展を探求してきたわが会の役割は、ますます重要となっている。

(1)核兵器禁止条約の早期発効へ、日本政府包囲の世論を
 核兵器禁止条約が採択された新たな情勢下、「日本政府に核兵器禁止条約の署名を求め、『非核の政府』の実現をめざす対話と合意」の運動が重要となっている。今後いかに速やかに、核兵器禁止条約加盟を世界の圧倒的多数にし、核保有国・核依存国に条約加盟を決断させ、核兵器完全廃絶に導くかは、被爆国日本をはじめ世界の非核・平和の世論の発展にかかっている。わが会は、その決定的な推進力となる「ヒバクシャ国際署名」運動、「核兵器禁止条約の署名・発効を求める意見ポスター」運動の前進のために、さらに力を尽くす。
 ▼ 戦争法廃止・立憲主義の回復をめざす市民連合に、共同政策として「核兵器禁止条約の署名、締結」等、「非核の政府」の緊急課題を提唱し、実現に務める。被爆国日本政府に核政策見直し・条約署名を迫る非核・平和運動分野の識者らによる「共同アピール」等を提案し、非核・平和の諸団体とともに野党各党への働きかけ等を推進する。
 わが会はこの1年、日本政府に対し、第72回国連総会やNPT再検討会議第2回準備委員会に向けての政府要請等を行った。引き続き、核兵器政策をめぐる日本政府の危険な言動に対して機敏に対処するとともに、核兵器、原発等国民の安全にかかわる重要問題について、政府に適宜、要請を行う。各界識者「新春メッセージ」の取り組みの充実をはかる。

(2)核問題調査専門委員会の強化
 「非核5項目」をめぐる調査・研究活動は、わが会の特色をなすものである。取り上げるテーマの掘り下げ、外部の新たな研究者の参加と共同・連帯の拡大など、この分野の活動の質的・量的発展をいかにかちとるかは、わが会の中心的な課題である。
 ●この間、シンポジウム「核兵器禁止条約の力≠ニ非核の政府≠語る」(2017年12月9日)を開催してきた。引き続き、非核・平和の重要テーマを中心に、シンポジウム・講演会等に取り組む。
 ●核問題調査専門委員会の活動について、メンバーの拡充、テーマの充実、研究成果の対外的発信など、全体的な強化をはかる。
[調査専門委員会の当面のテーマ]
 ▽世界の核兵器状況・核兵器政策、▽核兵器禁止・廃絶条約、▽米国の核兵器戦略・使用政策、▽中国の核兵器政策、▽「核抑止力」論批判、▽日米「核密約」問題、▽日本国憲法と「非核の政府」、▽原発と核兵器の関連、▽朝鮮半島非核化問題、▽国際テロと核拡散、▽「北東アジア非核地帯条約」問題、▽「非核の政府」をめぐる各国政府との交流、▽その他。

(3)原水爆禁止2018年世界大会の成功
 原水爆禁止2018年世界大会は8月2〜9日、広島、長崎両市で開かれる。今年の大会は、核兵器禁止条約の批准・発効に向けた動きとともに、核兵器廃絶のための市民社会・国連・各国政府のさらなる共同の発展が求められるもとで開かれる。また、朝鮮半島の非核化・平和体制構築をめざす画期的な動きが生まれているなか、「核兵器なき世界」達成をめざす市民社会の役割がますます重要となる情勢下で開かれる。これまで以上に被爆の実相、核兵器の非人道性を内外に発信し、「ヒバクシャ国際署名」を発展させる大きな結節点として、重要な歴史的意義を持つ大会となる。禁止条約が採択されたいま、日本政府に対し、これまでの米「核の傘」への依存政策を見直し、核兵器禁止条約の署名と廃絶への積極的寄与を求める日本の非核・平和運動の決意を示す場ともなる。わが会は、今年の世界大会が核兵器禁止から完全廃絶へ行動する日本の実現へ、共同の新しいステップへ踏み出す場となるよう、その成功をめざす。

(4)被爆者支援・連帯の強化
 採択された核兵器禁止条約は、その前文で核兵器の非人道性を告発し続けてきた被爆者の役割を高く評価するとともに、第6条で条約締約国は被爆者に対し「支援を差別なく十分に提供し、かつ彼らが社会的かつ経済的に包容されるようにする」ことを義務づけた。この条約に照らしても、日本政府が広島・長崎の被爆から72年を経てなお、放射線の影響を極めて狭い範囲に限定し、原爆症認定申請を却下する姿勢を改めない被爆行政の冷淡さは異常である。原爆症認定集団訴訟に続く「ノーモア・ヒバクシャ訴訟」でも、司法は基本的に認定却下処分を続ける行政の過ちを断罪している。被爆者の国家補償を∞現行の認定制度の抜本的改正を=\―被爆者のこの切実な要求の速やかな実現のために、「ノーモア・ヒバクシャ訴訟」をはじめ被爆者運動への支援・連帯を強める。

(5)非核自治体運動、非核「神戸方式」の前進を
 ●非核自治体宣言運動、非核・平和自治体行政の発展を引き続き追求するとともに、「核兵器禁止条約を支持し、日本政府に署名を求める」意見書採択など、自治体から合意と共同を広げる。平和首長会議、日本非核宣言自治体協議会との連帯、共同を発展させる。
 ●神戸市議会が1975年3月18日に「核兵器積載艦艇の神戸港入港拒否に関する決議」を全会一致で採択し、非核「神戸方式」がスタートして今年で43年、この間、米軍艦は1隻も入港していない。核兵器禁止条約により核兵器が違法化されたいま、日米「核密約」破棄の課題とかかわってその存在意義を増している非核「神戸方式」の全国化にむけて、調査・検討を進める。

(6)会の組織的・財政的強化のために               
 ●非核政府の会活動の再建・再開をめざす地方の会への協力・援助をはかる。
 ●ブロック別交流会、中央賛同団体との懇談会等を推進する。
 ●「非核の政府を求める会ニュース」の普及に努めるとともに、同紙がいっそう情報発信力を増し、会の活動を伝える紙面となるよう、紙面改善をはかる。「地方の会ニュース」編集者の経験交流をはかる。
 ●ホームページの更新を改善し、内容の充実をはかる。              □
2018年6月30日    非核の政府を求める会第32回全国総会