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Tibia Bone Harvest 脛骨移植

筆者情報

インプラントの為の脛骨移植

脛骨移植

インプラント治療において骨量が少ない場合に骨移植が行われます。インプラント手術において大量の採取骨が必要な場合、従来は腸骨から採取することが一般的でしたが、術後疼痛が軽微なことや入院期間の短縮につながるなどのメリットがあるため、腸骨移植から脛骨移植に移行する傾向があります。アメリカではインプラント手術の為の脛骨移植は日帰り手術が一般的となっています。

インプラント埋入の為の脛骨採取とサイナスリフト

インプラント治療の為の脛骨移植 インプラント治療の為のCTスキャン

脛骨はかなりのボリュームがあり、大量の骨採取が可能です。
患者の上顎にはまだ歯牙が残っていますが、臼歯部は根尖病巣と根分岐部病変、垂直的骨吸収により抜歯予定です。
左側は上顎洞底の厚みが2ミリ程度しかなく、このままではインプラント治療は不可能です。十分な長さのインプラントを埋入する為にはかなりの骨量が必要です。

従来であれば、抜歯後粘膜が治癒してからサイナスリフトを行う訳ですが、治療中の患者の快適性を考え、義歯のクラスプを引っ掛けるため、インプラント手術まで抜歯は遅らせることにしました。

インプラント手術脛骨移植手術前パノラマ

ターニケット インプランント手術消毒

採取部は右脛骨のみの予定ですが、骨があまりとれないことも予想し、両足の大腿部にターニケットを巻き、血流を遮断します。
また、術中に右足も触る可能性があるので両足とも消毒します。

ストッキング ドレープの固定

消毒のあと滅菌したストッキングを履かせ、ドレープを固定します。

骨採取部位の露出 インプラント手術の為の脛骨移植切開部

術野を明示し、傷が目立たないように皮膚の皺にそって切開します。

インプラント埋入の為の脛骨移植 インプラント埋入の為の脛骨移植

注水下でトレフィンバーで皮質骨に孔をあけ、鋭匙で海綿骨と骨髄を採取します。

インプラント埋入の為の脛骨移植 

20cc以上の骨を採取できました。口腔内からの採取量と比較するとざっと10倍の量が採取可能です。

インプラント埋入の為の脛骨移植 インプラント埋入の為の脛骨移植

採取部の内部を洗浄し、骨膜を吸収性糸で縫合します。

インプラント埋入の為の脛骨移植 インプラント埋入の為の脛骨移植

傷跡が目立たないようにステープラでとめ、包帯を巻きます。

インプラント埋入の為の脛骨移植 インプラント埋入の為の脛骨移植

インプラント埋入の為の脛骨移植

右側は5番は近心から舌側にかけて根尖に及ぶすり鉢状の骨欠損があり、7番は根尖病変と根分岐部病変が交通していますので抜歯になりますが、左側のインプラント手術が終わり左側で咬めるようになってから抜歯しインプラントを埋入する予定です。そういう訳で右側は抜歯前にサイナスリフトを行います。

インプラント埋入の為の脛骨移植 インプラント埋入の為の脛骨移植

右側も同様にサイナスリフトを行い骨移植をします。

右側も7番は抜歯になります。
抜歯時期はサイナスリフト後456番にインプラントを植立しインプラントにテンポラリーをセットしてからの予定。

インプラント埋入の為の脛骨移植 インプラント埋入の為の脛骨移植

左右の縫合をして終了です。

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