インプラント埋入の為の脛骨採取とサイナスリフト
脛骨はかなりのボリュームがあり、大量の骨採取が可能です。
患者の上顎にはまだ歯牙が残っていますが、臼歯部は根尖病巣と根分岐部病変、垂直的骨吸収により抜歯予定です。
左側は上顎洞底の厚みが2ミリ程度しかなく、このままではインプラント治療は不可能です。十分な長さのインプラントを埋入する為にはかなりの骨量が必要です。
従来であれば、抜歯後粘膜が治癒してからサイナスリフトを行う訳ですが、治療中の患者の快適性を考え、義歯のクラスプを引っ掛けるため、インプラント手術まで抜歯は遅らせることにしました。
採取部は右脛骨のみの予定ですが、骨があまりとれないことも予想し、両足の大腿部にターニケットを巻き、血流を遮断します。
また、術中に右足も触る可能性があるので両足とも消毒します。
消毒のあと滅菌したストッキングを履かせ、ドレープを固定します。
術野を明示し、傷が目立たないように皮膚の皺にそって切開します。
注水下でトレフィンバーで皮質骨に孔をあけ、鋭匙で海綿骨と骨髄を採取します。
20cc以上の骨を採取できました。口腔内からの採取量と比較するとざっと10倍の量が採取可能です。
採取部の内部を洗浄し、骨膜を吸収性糸で縫合します。
傷跡が目立たないようにステープラでとめ、包帯を巻きます。
右側は5番は近心から舌側にかけて根尖に及ぶすり鉢状の骨欠損があり、7番は根尖病変と根分岐部病変が交通していますので抜歯になりますが、左側のインプラント手術が終わり左側で咬めるようになってから抜歯しインプラントを埋入する予定です。そういう訳で右側は抜歯前にサイナスリフトを行います。
右側も同様にサイナスリフトを行い骨移植をします。
右側も7番は抜歯になります。
抜歯時期はサイナスリフト後456番にインプラントを植立しインプラントにテンポラリーをセットしてからの予定。
左右の縫合をして終了です。