インプラント埋入の為の腸骨採取とサイナスリフト
術前のCT画像です。既存骨は薄くこのままでは長いインプラントの植立はできません。
ブラキシズムとクレンチングが認められるので16ミリの長いインプラントを10本埋める予定です。
CT上ではまだ歯が存在しますが、歯牙は既に抜歯済みで手術時は無歯顎状態です。
右側上顎洞粘膜の肥厚は術前に穿針しましたが内容物は透明な液体で粘液膿胞と判断しました。
インプラントの埋入手術は骨移植後4ヶ月で行います。
インプラント埋入時には再度CTを撮影し骨量を確認にて行います。
インプラント埋入イメージをシンプラントでシュミレーションします。
腸骨陵にトレフィンバーで孔をあけ、そこから骨髄を鋭匙で採取します。
腸骨採取とサイナスグラフトの手術は同時に開始します。
左右の上顎洞前壁にウインドウが開けられ、シュナイダー膜を挙上したころに、骨採取が終了するタイミングになります。
欲しいのは骨髄と海綿骨なので通常は1つしかホールを開けませんが、今回は大量の骨が必要なので3つホールを開けました。
サイナスを開け扉は上部にヒンジ状にもちあげサイナスリフトをします。
左右のサイナスリフトを行い腸骨骨随を入れるところです。
腸骨の骨髄液をあらかじめ採取しておきます。15分くらいたつとゲル化してくるので糊目的でサイナスの開窓部に塗ります。
腸骨部は内部は吸収性の縫合糸で縫い、外部はナイロン糸で縫います。
傷跡はあまり目立ちません。
手術時間は2時間18分でした。
術後3ヶ月から4ヶ月で再度骨量をCTで確認しインプラントを埋入します。
腸骨移植は全身麻酔ですが、インプラント埋入は十分な骨量が確保されているので、局所麻酔でフラップレスで行います。
シンプラントデータを実寸でプリントし、プラスチックプレートにマジックでトレースします。
インプラント間距離は3ミリ空けます。
口腔内にプレートを4箇所方向指示棒で固定します。
インプラント埋入予定位置に2ミリのツイストドリルでドリリング終了
ステントを撤去し、インプラントの埋入方向に問題が無いか確認します。
インプラントの埋入方向に注意しながらドリルサイズをあげていきます。
3ミリのツイストが終了したところです。
インプラントを埋入終了
カバースクリューを装着したところです。
16ミリの長さのインプラントをフラップレスで埋入しました。