住職のつぶやき2004/08
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2004年8月5日
●大分、ご無沙汰いたしておりました。実は大分へ寄生虫でした。いやいや、帰省中でした。ダイブとオオイタとは同じ発音だから紛らわしいですね。
あらかじめ、何日まで留守とみなさんに発表すると、私のプライベートがみなさんにバレてしまいますから、実に都合が悪い。そこで事後報告という形を常にとっております。悪しからず。
大分の里の父は、週刊朝日とサンデー毎日を創刊号から蒐集しております。その中の藤田嗣次の発言がスゲーンダよと義父に勧められて読みました。それは昭和28年の号でした。シャガールがどうしたこうした、ブラックがどうのこうの、ピカソはなんだとか、ともかく巨人たちの名前が、実に友人感覚で表われてきていました。
そうかその時代は、そうなんだろうなぁと思いました。
それから、28年号では売春問題が論じられてもいました。そうか赤線、青線も廃止される前夜だったんだなぁと思います。
それから、面白かったのは、もう結核はほとんど解決できる、これからは心筋梗塞と胃ガンが問題だと、大々的に語られていたことでした。昭和28年にもうすでにそんなことを言っていたんですね。その当時から、現代までほとんど変化していないんじゃないかと思うほどです。時代は流れていったのでしょうけど、まったく変わっていないという面がアリアリと表現されていました。
なんだか時代というやつは、流れているようでいて、人間というやつは、ほとんど変化していないということが分かりました。これは面白いという面と、ガッカリという面と、それでよかったという面と複雑な思いがしました。
便利という点では、便利になったんでしょうけど、人間はほとんど変わっていないんでしょうね。
人間が変わっていないということは、これは大事な視点じゃないでしょうか。人間は進歩なんかしないんですからね。原始人とほとんど変わっていないんですよね。何千年も前とね。かえって劣ってきているのかもしれませんね。
他人への気遣いやら、場の空気を読み取るとか、他人の顔色を見るという洞察力が劣ってきたように思います。もっと昔の人間は勘がよかったように思いますがどうでしょうか。
もっと勘度をあげてゆきたいと思います。感度ではなくて、勘度ですぞ。
まあ、暑い夏ですから、なるべく皆さん、死なないように注意して生きて下さい。お葬式も大変なんですからね。他人の迷惑も考えてくださいね。
2004年8月11日
●更新が停滞していて、それを指摘されました。消息不明なのか、病気なのか、旅行中なのかと詮索の妄想をかきたてているようです。ご心配かけてしまいました。
そんなことはないんです。ただ、更新できる時間はあるんですけど、更新できていなかったという事実があるだけです。いま、ちょっと大量の原稿の執筆に迫られていまして、なかなか更新の余裕が生まれてこないんです。執筆中には、そのことに関心がいってますので、その関心が心の中心を占めておりますと、他の関心へは移ってゆけないものなんです。不器用なんです。
それなので、ちょっと更新が滞ってます。原稿があがった、暁には、ちゃんとコンスタントにやってまいりたいと思っております。悪しからず。お許しください。
2004年8月14日
●オリンピックが、他国で開催されて、これほど日本国内が加熱しないのも初めてかもしれない。しかし、これは自分だけの感じ方なのかもしれないので、普遍化できません。
「あれ、サッカーの試合って、あれ、オリンピックだったの?」「確かそうだと思うよ…」「でも開会式ってさあ、もうやったっけ?」というような状態で、なんともハチャメチャな感じのオリンピックです。
マスコミは盛り上げようとしていますけど、なんだか、私たちは、「オリンピックっ?そうか、オリンピックなんだ、どっこいしょ…とテレビのスイッチをつける」という有り様じゃないでしょうか。
オリンピックなんかに、かまけていていいの?という声もありますね。
岡本太郎先生は、なんで、特殊な人間だけを集めてオリンピックなんかやるんだ!そんなの意味ないじゃないか。全国民が集まって、体操でもやったほうがよっぽどオリンピックじゃないかと言っていたのを思い出します。
速さと量と精密さを競うというのが、果たしてオリンピックなのか?という問題提起なんですね。
小生は、なんだか、テレビの情報が、色あせて感じられます。まあ、いろいろと観るんですけど、それでも、なんだか、もうひとつ心が動かないという感じです。
そうそう、今日、生まれて初めて眼鏡を買いました。近くの文字が鮮明に見えます。でも、遠くのものはぼやけます。初心者なので、眼鏡の鮮明さに驚嘆しています。でも、これって透明だから、眼鏡をしていることも忘れてしまうんですね。どうも人間は、透明な眼鏡をたくさんかけてきたのではないかと思います。なんでも、裸で見えているように思いますけど、知らず知らずのうちに透明の眼鏡をかけて諸事象を見ているんですね。
そういう冷めた眼鏡も大事だと思いました。