城南山人書作撰 C.古代文字書道3



C-1.永遠(書経)

 永遠(えいえん)

 とこしえ

金文

非売



C-2.千里行始於足下(老子)

 千里の行(こう)も足下(そっか)に始まる

 千里の旅も足もとから始まる。何ごとも一足飛びには出来ず、順序を踏んで努力してこそ成功する。

金文



C-3.心名大幻師 身爲大幻城(景徳伝灯録・巻二十八)

 心を大幻師(だいげんし)と名づけ 身を大幻城(だいげんじょう)となす

 心を魔法使いと名付け、身を蜃気楼と名付ける。心身共に常なく、あてにならない当体であることの意。

金文

茶掛け

20



C-4.回

 回(かい)

 まわる。めぐる。

金文

茶掛

坂本康氏蔵



C-5.懷山襄陵(書経・堯典)

 懐山襄陵(カイザンジョウリョウ)

 山を懐(おも)い陵(おか)に襄(のぼ)る。

金文

和額

40



C-6.千歳老児顔似玉 萬年童子髪如糸(投子語録)

 千歳の老児、かんばせ玉に似たり。萬年の童子、髪糸のごとし。

 千歳の老人の顔は玉に似て美しくすべすべとしている。萬歳のわらべの髪は年寄りのように抜けてまばらになっている。たとえ歳はとっても心は若々しく、またたとえ幼くあっても、心が老けていれば老人のごとくにもみられる。概念とか数字に騙されてはいけない。

金文

条幅

西川滋氏蔵



C-7.車服不維(韓愈文)

 車服(しゃふく)維(つな)がず

 官職のために束縛されて自由を失うことがない(ように生きる)。

金文

茶掛

疋田善平氏蔵



C-8.王者以民為天 民者以食為天(史記・リ食其伝)

 王は民を以て天と為し、民は食を以て天と為す

 王は人民を最も大切なものとし、人民は食物を最も大切なものとする。

金文



C-9.雖鞭之長 不及馬腹(春秋左氏伝・宣公五年)

 鞭(むち)は長しといえども馬腹(ばふく)に及ばず

 どんなに余力があっても、不要のところまで手が及ぶものではない。またその必要もない。

金文

茶掛

京料理「魚常」蔵



C-10.酒百薬之長(漢書・食貨志下)

 酒は百薬の長。

 酒に勝る薬はない(酒をほめた言葉)。

金文



C-11.二人同心 其利断金(易経・繋辞伝)

 二人(ににん)心を同じくすれば、其の利(り)金(きん)を断つ。

 心を同じくして事にあたれば、その鋭さは金属をも断ち切る。つまり、どんなことでもできる。

金文



C-12.千兵易得 一将難求(禅林類集・巻二)

 千兵は得易く、一将は求めがたし。

 雑兵は何時どこでも募ることができるが、三軍を指揮できる名将を一朝一夕に求めることはできない。

金文

茶掛

20



C-13.渉

 渉る。かかわる。

金文(殷金文)

色紙

3.5



C-14.幾事不密則害成(易経・繋辞伝)

 幾事(きじ)密ならざれば則ち成るを害す

 きざしの段階にあってまだ現れていないことを秘密にしておかないと、物事の成功の妨げになる。

金文



C-15.君子遊道(漢書・楊ウン伝)

 君子(くんし)は道を遊(たの)しむ

 君子は道を学び、道を楽しむのである。

金文

茶掛

疋田善平氏蔵



C-16.牆有耳 伏寇在側(管子・君臣)

 牆(かき)に耳あり 伏寇(ふっこう)側(かたわら)にあり

 かきねにも耳がある。うっかり大事は口に出来ない。かくれた賊はそばにもおるもの。油断してはならない。

金文



C-17.弋不射宿(虚堂録・巻上)

 弋(よく)すれども宿(やどり)を射(い)ず

 いぐるみで鳥を射ても、鳥の巣を射て根こそぎ奪ったりはしない。「小さな罰で許してやる」の意。

金文



C-18.楚人謡(史記・楚世家)

 楚人(そひと)の謡(よう=うた)

 楚雖三戸 亡秦必楚

 楚は三戸(さんこ)と雖(いえど)も

 秦を亡(ほろ)ぼすものは必ず楚ならん

 楚の国は六国の中でもっとも罪がないのに、秦に滅ぼされた。楚人がこれを怨んで歌う。楚国はたとえ三戸になっても、将来六国の中で秦を滅ぼすものは必ず楚である。

金文



C-19.人事有憂楽 山光無古今(司馬温公)

 人事憂楽あり 山光古今なし

 此の世の人に関することには心配も安楽もあるが、山の色には古今の別がなく、常に青々としている。

金文



C-20.人生識字憂患始(蘇軾詩)

 人生(じんせい)字を識(し)るは憂患(ゆうかん)の始まり

 人生の憂いとか迷いというものは、なまじっかの学問をすることに起因する。

金文


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