城南山人書作撰 I.刻字作品2



I-1.長対尊中別有春(黄庶詩)

 長く尊中(そんちゅう)に対せば別に春あり

 一日酒瓶と向き合っていれば、世の中の春以上の春がある。

甲骨文

刻字額装

楠木裕子氏蔵

材・姫小松



I-2.伐木丁丁山更幽(杜甫詩)

 伐木(ばつぼく)丁丁(とうとう)山更に幽(ゆう)なり

 木を伐る音がトーン、トーンと響き、山の静けさが一段と深まる。

甲骨文

柱掛

20

材・水目桜



I-3.鶴舞亀遊

 鶴舞亀遊(かくぶきゆう)

 鶴舞い亀遊ぶ(長寿の象徴)

小篆

庭置石

村里泰由氏蔵

材・緑閃花崗岩



I-4.長生無極(臨「漢瓦当」)

 長生極まりなし(吉語)

 限りなく長生き。

小篆

置物

25

材・欅(井戸車古材)




I-5.泊秦淮(杜牧詩)

 秦淮(しんわい)に泊す

煙籠寒水月籠沙 夜泊秦淮近酒家  商女不知亡国恨 隔江猶唱後庭歌

 煙は寒水を籠め月は沙を籠む/夜秦淮に泊して酒家に近し/商女は知らず亡国の恨み/江を隔てて猶唱(とな)う後庭歌(こうていか)

 煙は寒い川水に立ちこめ、月光は沙地に立ちこめる。秦淮に泊まって一晩越したが、酒屋に近い所だった。川向こうから聞こえてくるのは玉樹後庭歌で、歌ってる娼女は作者亡国の悔恨も知らないだろう。

隷書

屏風

黒川洋一氏蔵

材・栃





I-6.真光不耀 大智若愚(従容録)

 真光(しんこう)耀(かがや)かず 大智(だいち)は愚(ぐ)のごとし

 真実の光明はきらきらと輝かない。なぜならば現象としての光を発しないから。広大無辺の知恵はあたかも愚かしいようである。なぜならば分別を絶しているから。

行書

扁額

坂本誠二氏蔵(王国重文)

材・欅




I-7.林間煖酒焼紅葉 石上題詩掃緑苔(白楽天詩)

 林間(りんかん)酒を煖(あたた)めるに紅葉(こうよう)を焼き、石上(せきじょう)に詩を題して緑苔(りょくたい)を掃(はら)う。

 林間に紅葉の落ち葉を焚いて酒を暖め、石の上に、緑の苔を払いのけて、詩を書き付けて遊ぶ。

行書

屏風・置物

35

材・樅(もみ)



I-8.妙響(粱簡文帝・七励)

 妙響(みょうきょう)

 すぐれた音の調べ。妙(たえ)なる音楽。

草書

置額

60

材・欅




I-9.亀竜寿

 亀竜(きりょう)の寿(じゅ)

 亀や竜のように長生き。人の長寿を祝って言う言葉。

行書

衝立

浅貝勝氏蔵

材・栃




I-10.有朋自遠方来 不亦楽乎(論語)

 朋(とも)遠方より来たる有り、亦(また)楽しからずや

 友が遠いところを私に会いに来てくれた。何と楽しいことだろう。

行書

衝立

坂本康氏蔵

材・姫小松



I-11.雲無心(陶淵明・帰去来辞)

 雲は心無し

 雲は自然の儘、あるがまま(物事にこだわらずのんびりしたさまの例え)。

行書

庭立石

非売

材・花崗岩




I-12.莫眼華(碧巌録)

 莫眼華(ばくげんか)

 眼華(げんか)する莫(な)かれ、の意。キョロキョロするな。うっかりと見るな。しっかり本質を見よ。

行書

置額

「比良山荘」伊藤武治氏蔵

材・栗




I-13.山水含芳意 風雲入壮懐(韓愈詩)

 山水は芳意(ほうい)を含み、風雲は壮懐(そうかい)に入る。

 山水風雲の景色は既に春を兆し、私の壮大な志の中に飛び込んでくる。

隸・楷・行破体

屏風・置物

御堂順暁氏蔵

材・樅



I-14.是空(般若心経)

 色即是空(しきそくぜくう)

 すべて有形の事物は、本来は空で実態のないものである。

行草

置額

25

材・欅




I-15.10.人尽楽(王珪)

 人尽楽(じんじんらく)

 人尽(ことごと)く楽しむ

 誰も彼もが楽しい。

行書

扁額

30

材・鼈甲松



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