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コメントネタも乏しい正統派ステッカーなので、ここは一つ昭和52年の月刊OUTから抜粋記事を載せましょう。

 チーフ・ディレクター 石黒昇氏インタビュー
Q:全編通して見ると、特に古代進の性格が無茶苦茶だったり、人間関係が薄っぺらなところがあったような気がしますが。

石黒:うん、それはあったね、12話あたりまで。途中から山本映一さんがシナリオに参加して「人物をもっと色よく出したい」と人間ドラマを中心に書き始めたんです。

石黒:ただ1クールの終わり頃に、3クールの予定が2クールに決定しちゃって・・・理由は視聴率は低いし、制作費は高いし、ということだったんですが・・・デスラーとドメルの人間関係とかヒスの謀反など、はしょってしまったんです。残念ですね。

Q:設定にある真田の反乱がなかったり、ハーロックが出なかったりしたのはそのためですか?

石黒:山本さんが、真田と徳川を間違えていたんですよ。前半、第一艦橋にいた徳川が途中から機関室にいるようになったり----これは反乱を起こす人間が第一艦橋にいたんじゃまずいということで----藪がいろんなことを言って徳川をたきつけていたり・・・。

Q:あっ!あれは藪の反乱の伏線じゃなくて、徳川の伏線だったんですか。そういえば17話で、TVには無かったけど絵コンテに「俺は徳川さんを艦長に推薦する」というセリフがありました。

石黒:そうなんだよ。僕らもなんかおかしいなぁと思っていたら、後になって山本さんが「あっ、僕、勘違いしてた、真田だったっけなぁ」(笑)

ハーロックは、2クールに決まった時、特に誰がやめると言ったわけでなく自然に消えましたね。松本さんも中途半端では出したくなかったようです。

Q:ガミラス人の肌の色が変わったのには、何かわけがあったんでしょうか?

石黒:途中で、地球人と同じじゃ面白くない、とわりと単純な理由ですね。最初は抵抗ありましたけど、いろんな色を塗ってみて青になったんです。

Q:「ヤマト」での石黒さんの収穫は?

石黒:有能な人達と知り合いになれたことですね。スタジオぬえも松本さんに負けず劣らず、メカの設定には凝り性でね。他のアニメでは勝手に省略されてしまうんだけど、「ヤマト」ではそのまま動かしてくれるというので、ずいぶん気張ってやってくれました。最もアニメーターはたまんなかったけどね。