士業日記 〜 交通事故編 … 業務のひとコマをご紹介

〇月〇日  ある本より抜書き (交通事故とは関係ありません)
とても悲しい出来事があったとき、ある患者さんが私に言ってくれた言葉が、今も身にしみている。
「先生、転んでも大丈夫です。一回余分に起き上がればいいんですから」

自分が支えていると思っていた存在によって、私は支えられている。

                (岡田尊司著「パーソナリティ障害」より)

〇月〇日 自賠責紛争処理機構
この財団に後遺障害の異議申立をしたが、今回は認定されなかった。
認定されなかったことは、しばしばあることで、仕方がない場合も勿論ある。今までの裁定はそれなりに納得できた。

今回、ものすごく腹立たしかったのは、この財団が認定しなかったことではない。
折角添付した、貴重な資料(入院じのカルテ、看護記録等々)を全く見なかったことである。見れば結論は変わってくるはずである。たぶん。
もっともらしくレポートを送ってよこしたが、カルテなどを見て判断したということがまるで見てとれない。
もう少しまともな組織だと思っていただけに、ほんとうに失望し、がっかりした。
一回しか申立ができないし、チェック機能がない。何とかして欲しいものである。


〇月〇日 高次脳機能障害のセミナー
高次脳機能障害の人の相談があるので、一生懸命勉強しています。
小児高次脳機能障害、社会復帰の諸問題、理学療法が有効なこと…
少しずつですが、お役にたてる知識が増えるのがうれしいです。

〇月〇日 紛争処理センター申込をした後、いきなり訴訟提起
事故の内容を大雑把に書きますと
後遺障害認定後、賠償額の提示があり、その後紛争処理センターに申込をしたら、いきなり訴訟提起(債務不存在確認訴訟)されました。

訴状で加害者の認める債務の額は約185万円、過失割合は7:3(加害者:被害者)でした。
被害者は弁護士に依頼して、反訴を提起しました。
被害者の請求額は約900万円、過失割合の主張は9:1です。

加害者の弁護士は期日に準備書面を被害者の弁護士に送付しない、その後あわてて送付した書面の内容もホントにお粗末、と弁護士らしからぬオシゴトでした。
結局、数回の期日の後、裁判官から和解勧告がありました。
裁判所の認定額は850万円(過失割合は9:1)でした。減額されたのは「○○(地方)基準」によるそうです。

加害者の損保は何のために訴訟を提起したのでしょうか? 今でもわかりません

「交通事故損害賠償の新潮流」には、センターに継続中の案件は、
損保からいきなり訴訟提起するのではなく、センターに訴訟移行要請の申立をして、
それが認められた場合に限るというような取り決めがされているそうです。

それが、いきなり訴訟提起。そして、加害者側の完敗です。
賠償額の多い少ないが、物事の全てではありません。
でも、今回の事例をよく考えてみると、賠償額の185万円が850万円になったのですから、
迷った時は、一度は専門家に相談した方がいいのではないかと思いました。

今回は被害者の弁護士さんが大いに活躍されました。
被害者のお手伝いができて、私はうれしかったです。

(事故は、こんなケースばかりではありません。
無理なものは無理なことがあります。それだけはご注意を!)

〇月〇日  異議申立
自賠責異議申立をした結果がでました。申立が認められて、2等級上になりました!!
結果を依頼者に報告すると 「ああ! 今日はいい日だ!!」 と本当にうれしそうです。
こんなによろこんでもらえるので、私もがんばれるのです。


〇月〇日  愛想のいい保険屋さん
自賠責の被害者請求をしています。今までお世話になっていた保険屋さんとも連絡を取り合います。
最初とても怖かった人なのに、今頃とても愛想よし。

対応に余りにも誠意がみえないと、私が本社に連絡したり、
損保協会や監督官庁(金融庁)に連絡をすることを知っているから?

〇月〇日 赤い本が分厚くなったわけ
赤い本というのは弁護士さん達が使う「損害賠償額算定基準」という名前の本です。
平成17年から2分冊になりました。
裁判官が裁判例をたくさん表にしてそのまま載せたから、内容が増えたのだそうです。

「裁判所が弁護士達に
ここを勉強して法廷でむだな主張をしないようにという意向を示している(以下略)」
というところで思わず笑ってしまいました。
「交通事故損害賠償の新潮流」(ぎょうせい)という本に書いてありました。

〇月〇日  無料相談
今日電話がありました。若い女性です。
「無料相談ではこう言われました」という内容が… うーん、間違っています。
そうではない、とは説明しましたが、どこまでわかっていただけたか心配です。

私が依頼人から依頼を受けるのはご縁だとは思ってはいます。
大人なんだだからそれから先、どこを相談先に選ぶかはあくまでも自己責任です。
でも、やはり心配。
安ければいいの?  気をつけてね。

〇月〇日  無料相談その2
その依頼人は、弁護士の無料相談を受けたそうです。
「で、何て言われましたか?」と私。
「○○って言われました。でも、それは違っていたらしく、帰り道に携帯がかかってきて、訂正されました」

〇月〇日 無料相談その3
弁護士さんの無料相談に付添いました。
私にもよくわからないことがあったので、お話を聞きたかったからです。

弁護士さんは損害賠償請求は得意なのですが、事故直後の相談はどうやら苦手のようでした。
「治療が終わってからか、後遺障害の認定がおりてからいらっしゃい。」
「後遺障害の認定は、そう変わらないです」

いやいや弁護士さん、それは違います。
ビッタリの等級もあるし、低い認定もあります。
それを、適正な等級にしてもらうのが、私たち行政書士の仕事です♪

〇月〇日  気分はほこほこ
今日示談が終了した事故があります。
勿論依頼者が自分で示談して、私は示談書を作成しただけですが。
詳しい内容は話せませんが、かなり解決までモタモタしていました。

この事故では当初某機関から50:50とされていた過失が、最終的に70:30と依頼人の
有利なかたちで解決し、最終的には相手も含めてお互いに満足のいく解決が出来ました。
粘りに粘った甲斐がありました。
外は寒くなりましたが、今日の気分はホコホコしています。

〇月〇日  連絡してほしい…
被害者が自分の判断で動いて、悪い方に悪い方に行くことがあります。
被害者が通院を勝手にやめてしまったことがありました。
本当はまだ痛かったそうです。
当然もめます。

通院の間隔があまりにもあき過ぎると、その事故がケガの原因とは認めてもらえないのです。
私が気がついたのが、かなりあと。

「うっ」と思ったけど、手遅れの時期にまで来てしまっていました。
どうしようもないのですが、事態は悪い方へ悪い方へと進んで行ってしまっています。

頼むから、やめる前に言ってほしかった…

〇月〇日  長管骨とは?
事故は真夜中におきました。
誰もいないと安心して赤信号を突っ走ったタクシー。
そのタクシーに、仕事帰りの若者の自転車が衝突し、若者は飛ばされて全身を打ちました。

医者は一応レントゲンを見て、打撲だけと判断しました。実は腓骨を骨折していたのに。
しばらくしてそのケガも治り、賠償額がもめて裁判になりました。

長管骨を骨折してギスをしていたら、とても不便なので慰謝料の算定については、入院扱いになるハズです。
(この腓骨の骨折についての専門医の意見は、色々ありますが、
とりあえず、自賠責や赤い本では「入院扱いとする」ということですので、それに従います。)

裁判では「医者のミスでギブスもしてもらえず、回復も長引いたのでキチンと賠償して下さい」と原告。
すると被告のタクシー会社は「腓骨は長管骨ではない」と反論しました。

え? それでどうしたかって?
勿論「足の長管骨とは大腿骨、頚骨、腓骨である」という資料一式を裁判に使うようにと送りましたよ。
タクシー会社の最初の提示額は13万9100円。ひともめあって、次の提示額が30万円。
裁判では裁判官が「50万円で和解しませんか?」と提示したそうです。

この事故では、お母さんが大活躍されました。
自賠責の被害者請求も、裁判所の訴訟提起も、ご自分でされました。
私はサポート係で、アドバイスしたり、賠償額を計算したり、資料を送らせていただきました。
いい結果が出て、私もうれしかったです。

〇月〇日  放置?! 居留守?!
この交通事故の被害者はかなり保険会社にハテナ? の扱いを受けている。
数ヶ月放置されたり,居留守をつかわれたりしてあわや時効になりそう!

事故を起こした人は,万が一の時にちゃんとして下さいよ,という思いで保険に入っているハズ。
金融庁もちゃんと払ってくださいよ,と保険会社の監督をしているハズ。

なのにどうしてこうなのサ…
私にはよくわからない。 さあどうしよう。 困った困った…

結局、被害者請求をして、後遺障害の認定を受けました。結果は9級。
依頼人には紛争処理センターに行っていただきました。

〇月〇日 あらら?!
「事故証明書」という書類があります。事故の年月日、場所、当事者の名前、住所等が書かれています。
自動車運転センターというところが発行します。

先日事故証明書を見ていたら「被害者の住所 … 1丁目20番1号」とあります。
でも印鑑証明書の住所は「2丁目14番16-1120号」なのです。
本人に確かめてみたら,引越しをしたわけでもないし,「勤務先の住所は
1丁目2番1号なので,まちがえられたのかしら?」 と言っています。

急いでいたので、保険会社へ添付した書類にはポストイットをつけて
「誤記と思われる」なんて書いてはってしまいました。

※ 事故証明書の間違いは時々あります。
  事故証明書の原本を自動車運転センターに送ったら、ちゃんと正しいものを送ってくれます。

〇月〇日  ごあいさつ
久しぶりに友達に会いました。のっけから
(私)「この間のことでウラミを買ったかもしれないので,我が家が放火されたか
   ホームに突き落とされたら,犯人は×保険会社のNさんかYさんだからね」
と言えば,友達も言いました。
「私も言おうと思ってたの。私に何かあったら,この間の□□の人の奥さんだから」

久しぶりに会ったのにこんな会話。法律関係の職場はつらいね。

〇月〇日  損害賠償計算書を書いてくれという依頼で…
保険会社の出してきた計算書を見てびっくり。
100日以上通院しているのに交通費なし。会社を何日か休んでいるのに,休業損害なし。
この二つの合計額は約13万円。

保険会社にそれを指摘すると「休業損害,通院交通費を算定しなかった点については,お詫びします。」と一行だけ書面でお詫びしてくれた。(苦笑)

で,その代わりというかなんというか,既払額(すでに保険会社が支払った額=この時は治療費)が増えていた!
保険会社の最初の計算書では「428,911円」だったはずがその次の計算書では「439,311円」になっているではないか。 
治療費が約1万円も増える?? 不可解。

〇月〇日  損害賠償計算書を書く
依頼者は追突の被害者。頚椎捻挫・腰椎捻挫で足は今もでしびれている。
12級の認定を受けている彼は,保険会社からは290万円の提示額。
逸失利益は30歳未満の人は特別やり方なので…と青本で計算すると,
なんと717万3553円となる。その差は427万3553円!?

〇月〇日  チワワの写真                    
依頼者Nさんからのメール。
なんだか重そうだな,と思ったら愛犬のチワワの写真が添付されていた。
ものすごくかわいい。名前はLovin。名前もいい。

ガマンできず,ウチの愛犬の写真も送る(笑)
なにをしてるんだかと,自分がちょっとおかしい。

うちのわんこはミニピンといってドーベルマンと姿カタチはそっくりのミニサイズ。
気性が荒い上にしつけが悪かったのか,けっこうなワンパク坊主。名前はゼッペル。
英国人に”Uncommon name !"(めったにない名前だね)と言われたことがあったっけ。

             

〇月〇日  現場へ
事故は当て逃げ。
もっとも当て逃げした人は渋滞で逃げきれなくて(!?)すごすごと車から出てきたという。
後日,相手方の保険会社からの連絡では「過失割合は7(依頼者):3(当てた車)」
依頼者も私も絶句!?
どうやら相手方が,保険会社にうその報告をしたらしい。

私は事故状況図を書くために現場を見に行った。
少々あわてたのは,ファミリーレストランが2軒あること。
「え?!どっちだっけ?」 依頼者との話を思い出し,メモを見直して状況を把握する。

〇月〇日  過失割合
事故はゆっくり走っていた四輪のわき腹に,スピードをかなり出していた自転車がぶつかったというもの。
なるほど事故証明書を見ても,責任の多い方が書かれることの多い「甲」の欄に自転車の持ち主の氏名が書いてある。

(事故証明書には「この証明は損害の種別とその程度,事故の原因,過失の有無とその程度をあきらかにするものではありません。」と一応書いてある。
必ずしも甲の欄に書いてある人が責任が多いケースばかりではなく,事実は逆のこともある)

で,一応本を読んで2人で検討したそうだ。その本には「5:5」と書いてあったらしい。
2人で「どうなんでしょうね」ではラチがあかないので当事務所に依頼することに。
基本割合に修正を加えて過失割合を考えました。

〇月〇日  異議申立書を書く
依頼者は「そのケガは事故によるものではない」(原文は「外傷性の異常所見は認められない」)との判断から14級とされた。
この判断には不服なので,異議申立書を書くことになった。

依頼者は事務長に医師への取次ぎを拒否されたという。
医師の意見書はどうしても必要なので,直接この医師に電話していお願いした。
事情を説明すると,快く意見書を書いてくれた。
この事故では医師の意見書をつけたおかげで,12級に認定されたと思っている。

後日お礼状を送ると,その医師から丁寧な返事が。
「…交通事故で受傷された方の場合,医師にも弁護士にもわかってもらえず
泣き寝入りしている方が多いと思います。」との言葉があり,いい人にめぐりえたと感激。

手紙の話を依頼者にしたところ,この先生にはファンが多くて,「M先生に
見てもらわないとイヤ」とダダをこねるおばあちゃんがいる,ということだった(笑)

〇月〇日  仲間に依頼
メールで事故の相談が。
「死亡したときの賠償金はいくらぐらいか」という内容。
漠然としすぎているので「事故の状況がわからないので,答えられない」と返事をする。

よく聞くと,この事故は原付と自動車の出会い頭の事故で,原付の人が死亡したのだという。
遠方の人なので,その地方の行政書士を紹介する。
普段の活躍をよく知っている人なので安心してまかせることができた。

この事故では加害者は自分の信号が青だったと言い,目撃者はそうではないと
言っているらしい。事実はどうだったのだろうか。

〇月〇日  気が散ったけど
依頼者の家に話を聞きに行く。人なつこいキャバリアがいた。話が一通り終わったあとは
飼い主と一緒にわんこのお相手。 でも話はちゃんと聞きました。   

               


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