過失相殺ってなに?

被害者が道で寝ていた、歩行者が赤信号で飛び出した…こんな時に加害者だけに損害賠償の責任を負わすのは不公平です。
そこで、加害者被害者の過失割合を決め、この割合に応じて損害額を負担させることになっているのです。

その割合は70:30とか、50:50とか類型化された基本割合があり、更に色々な条件(※)で加算されたり減算されたりします。

※ この色々な条件を修正要素といいます。例えば「昼間、路上に寝ていた人を車がはねた」場合はこんな風に計算します。

     
基本割合   人対車            30:70
     
修正要素   幹線道路         +10
              住宅街、商店街等     −5
              児童、高齢者       −10
              幼児、身体障害者等  −20
              車の著しい過失     −10
              車の重過失        −20
             
 
車の著しい過失とは…前方不注視の著しい場合、著しいハンドル・ブレーキ操作不適切、携帯電話の使用
               画像を注視しながらの運転、時速15キロ以上30キロ未満の速度違反、酒気帯び運転等
    その他の車両について
      
単車の著しい過失    …ヘルメット不着用
      
自転車特有の著しい過失…二人乗り、無灯火、傘をさすなどの片手運転

 
車の重過失とは…酒酔い運転、居眠り運転、無免許運転、30キロ以上の速度違反(高速道路を除く)
             過労、病気及び薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある場合

      
自転車特有の重過失…制動装置不良、明らかな高速度進入(坂道をノーブレーキで下る場合など)


仮に過失割合が加害者70%被害者30%とします。損害額が100万円とすると、被
害者は30%の過失割合分(30万円)を引かれて70万円しかもらえません。過失割
合によって損害賠償額は大きく変わるのでこれはとても大事なことがらです。

保険やさんは損害賠償額の各項目で金額を少しずつ減らすよりも,この過失割合
でまとめて大きく削るほうがハナシが早い。そこで加害者の言い分だけを聞いて不
当な過失割合を押し付けることもあるようです。過失割合は保険やさん任せにしな
いほうがいいようです。

典型的な過失相殺の表は判例タイムズ、赤い本、青い本に出ていますが、典型的
な事故でない場合も中にはあります。
事故はそれぞれみんな違いますので、個々の検討が必要となります。

当事務所は典型的でない事故の過失割合に関する判例、資料を揃えておりますので、
お悩みの方は一度ご相談下さい。


車対車の事故で、以下のような場合は、過失割合がほぼ100%とされます

・追突事故
・センターラインオーバー
・信号機のある交差点での衝突で、赤信号で進行した車

歩行者と自動車の事故で、100%の過失が認められることは少ないです
  
  でも、歩行者の過失が100%の判例がないわけでもありません。
  数少ない判例を紹介します。

交通頻繁な幹線道路で、前方をいく車両が急停車したため衝突を回避しようと左
側の車線に進路変更した被告車に、その車線に飛び出してきた歩行者が衝突事故
につき、歩行者の一方的過失とされた事例。


   東京高裁 平成7年7月26日判決
   事件番号 平成6年(ネ)3945号 損害賠償請求控訴事件
   (一審) 東京地裁 平成6年9月2日判決
        事件番号 平成5年(ワ)第15648号
   <出典> 交民集28巻4号993頁


折角実況見分調書を入手したのに、それが事実と違うことがたまにあります。

被害者が救急車で運ばれて、ケガをしていない一方からだけ事情を聞くからでしょうか。

○ 車両進入禁止の標識、立看板があるのに、現場見取図に書かれていなかったケース
  → 再捜査のお願いをしました。

○ 被害者が子供で入院してしまい、加害者の言い分を一方的に書かれてしまっていたケース
  → 本人、目撃者の証言をそれぞれ書面にして提出したことがあります。


刑事責任との関係について

過失相殺は民事の公平の法理に基づいています。
でも、刑事責任はこれとは異なり処罰が前提となっています。

「結果が重いか軽いか」「被害者が多いか少ないか」「事件で生じた財産上の損失が多いか少ないか」
「示談ができたか」「賠償義務を果たしたか」ということも、評価の対象となります。


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