なぜ受傷後しばらくしてからのむち打ちの症状が出るでしょうか?

事故の時は何も感じなかったけれど、帰宅してから、または時間がたってからむち打ちの症状が出てくることはよくあります。
そんな時は、医師に診察してもらい、その診断書を警察に持参して、物損事故から人身事故に切り替えます。


井上久博士は「鞭打ち損傷と周辺疾患」(株式会社自動車保険ジャーナル)の中でこのように書かれています。

「受傷1週間くらいまでに、事故に直接起因して発生した(と損害賠償論上みなすべき)病態がすべて出揃うだろうというのが、臨床医療の現場にいる者の感覚です。
つまり原則的には(あくまでも原則で例外的ケースもあるはずです)、1週間後までに出たものが、すべて事故による病態と考えて良いのではないでしょうか。

そしてその理由として、このようにも書かれています。

「事故直後の患者さんは、交通事故に遭遇したという社会的・心理的環境の急変により、かなりの精神的ショックもしくは興奮状態であるのが普通です。
軽い追突事故なのに、救急車で病院に着いた時には顔面蒼白に冷汗といったショック症状を呈し、事実、一過性に血圧も低下している場合があります。

そのような患者さんは、初診時に、あそこが痛い、ここがしびれるなどと訴えることはあまりありません。
ところが、翌日あるいは数日後になって、精神的に落ち着いてみると、アチコチ痛いところが出てくるということはよくあります。

また、人体においては、外傷によって筋線維が断裂し、毛細血管が破れて出血が起こった場合、その結果発生する血腫や浮腫がある程度の大きさにまで増大し、神経を圧迫するようになって、初めて神経症状、すなわち疼痛やシビレなどの種々の症状を呈することになると考えられます。

あるいは、ある程度大きくなった血腫や浮腫の周囲にある筋線維の反応性痙縮が二次的に発生して、疼痛やツッパリ感が自覚されるようになるという過程も考えられます。

こう考えると、受傷すなわち組織損傷発生の瞬間から、患者さんが種々の症状を自覚するまでには、ある程度のタイムラグがあってもおかしくはないという理屈も成り立ってきます。」


さすがに、1、2月間、医者にも行かずに放置した末、「やはりむち打ちの症状があります」というのは、他の原因がある、ととられても仕方がありません。
受傷直後の受診、適切な治療被害者自身の責任と、私は考えます。


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