長崎先生講義録
ケーススタディ(2)
2001.6/14

 最近の話題と言えば、大阪大学付属池田小の事件でもちきりである。
 WHO(World Health Organization)では精神に病を持つ人を3種類規定している。それは
 1)精神病
 2)神経症
 3)精神発達遅滞(かつての精神薄弱)
の3つである。小田晋先生は、誤解を恐れずに言えば精神病とは「狂った人」であり、神経症とは「ヘンな人」であり、精神発達遅滞とは「バカな人」であるという。(誰にでもわかる俗な言葉で表現することが大切である、という文脈の中で理解していただきたい)さらに精神病、精神発達遅滞は自分のおかしさに自覚がない、という。

 ただし、学校Uの中に出てきたように、てんかんを持った男の子が「オレはバカだから」と言うシーンがある。精神発達遅滞でも中程度だと自覚できる。
 池田小の事件に絡んで言えば、欧米では精神病歴のある犯罪者を退院させるときには、医師が責任を持つ、という。
 またPTSDという言葉がさかんに言われるようになったが、多くの人はあまり理解せずに言葉を使っている。

 ストレスに耐えられないとき、人は自分を守るためにこのような反応を起こす。
 ただ、もしそうなのであれば50年前の戦争の時には、みんあPTSDになっていなければいけないことになる。ある意味、「知る」というのは怖いことである。PTSDなどと騒ぎ立て、人の心を分析し、知りすぎるとかえって物事が困難になることもある。
 また「このようなストレスがあれば、必ずこうなる」というものでもない。どういう人が心的外傷になるかと言えば、それは思考回路、受け止め方の問題である。


 さて、事例研究法について。
 インシデント法による事例研究では
  1)主訴
  2)生育歴
  3)家族
  4)社会的地位
  5)問題の経緯
という順で事例発表者が説明する。その後出席者がそれに対し質問をし、アドバイスをする。
 一人で考えると自分の好みで考えてしまい、解決策が見つからないことがある。このようなカタチで他人の意見を聞くことは重要である。

 大事なことは「守秘義務」。ここで聞いたことは絶対に口外しない。次回はこのカタチで事例検討を行う。


 後半の実習はまず「マインド握手」。全員が立った状態で、適当に二人組になり、握手をする。その際、ギュッと1回握るか、ギュッギュッと2回握るか、ギュッギュッギュッと三回握るかを、お互いに心の中で決めて握手する。もし握る回数が合えばその2人でペアになる。回数が合わなければ合う人が見つかるまで相手を替えながら行う。

 その後行ったのがソーシャルスキルトレーニングsocial skill trainningである。まず二人組になり、じゃんけんで勝った方から「私の好きなモノ(こと)は○○です」と自分の好きなモノ・事を相手に数多く伝える。それに対し、相手は話してが話しやすいように聞く。
話しやすいようにとは、具体的には1)相づち・うなずき 2)繰り返し 3)相手をみるの三点である。例えヘンなモノを「好きだ」と言っても、「えー?」などとイヤな顔はしない。

 以上を1分ずつ交代して行い、その後お互いに感じたことをシェアリングする。

 相手を見る、といっても常に凝視するとかえって不自然になる。体をそちらに向ける、のと同時に気持ちをそちらに向ける、と
いうことが大切。

 さらにその後、1)うなずかない 2)繰り返さない 3)相手の方を見ない・顔を背ける・無視するの3点を守って同じように好きなモノを伝える。

 このような否定的な聞き方だと、同じ1分間が長く感じ、また次第に話すのがイヤになってくる。

 よく「あの人はいい人だ」「あの人は〜だから好きだ」などと言うが、これはその人の行動をどのように感じるかということ。まず好意的な関わり方をする事が大切。

 (文責:菊田)