長崎先生講義録
成人期初期の2つの課題 2000.7/5
 「選択」すなわち、選ぶとは他の何かを捨てることに他ならない。たとえば、A君と遊ぶ、ということはBさんとはあそばないということであり、Bさんを捨てるということである。

 その時自分の価値観を問われることになる。そういう中で自分とは何者かを見つけていくのである。
また、捨てるということは、あきらめるということでもある。一人の相手と結婚するということは他の全ての異性との結婚をあきらめるということである。その時いつまでも諦めた選択肢を引きずっていると問題が起きる。

 またそういう意味では美男美女の組み合わせより、誰からも相手にされない(!)者同士の組み合わせの方が長続きする。美男美女の組み合わせは、確かに誰もがうらやむカップルであろうが、一方で誘惑も多く不安定である。しかし、その反対であれば誘惑は少なく、従って不安定要因も少ない。それを自分自身が受け入れていればそれでOKということである。なによりも「自分を満足できる位置(ポジション)を確保することが大切。

 さて成人期初期には2つの大きな課題がある。まず一つが配偶者の選択であり、もう一つが職業の選択である。

 成人期初期とは男女を選ぶ時期である。自分にふさわしい異性を見つけ、配偶者を選択する。そのためにはまず同性の親しい仲間を見つけることが必要である。なぜなら同性と異性ではものの見方が違う、まず同性と話す中で他の体験を自分のものとし、客観的なものの見方を獲得できる。また自分についても理解をすることができるようになる。

 これがなければ異性間の恋愛にまで展開できまた(異性の)相手とは「相互作用」がある。
すなわち、「あの人は自分のことを好きでいてくれるのだろうか」といったことを肌で感じ、好意の感触をつかむのである。コミュニケーションは字面だけではない。さまざまな相手のニュアンスを感じ取り解釈するのである。まず同性間の親しい友人が必要というのはその下準備という面もある。

 一方これが上手に解釈できないと上手に恋愛を進めることはできない。
また好意を自分勝手に拡大解釈するひとがストーカーになる。さてお互い付き合うようになったり結婚すれば、今度は「調整」することが必要になる。人間が生きていく上で理想は大切である。しかし常に理想の状態を実現することは不可能である。

 そのためには調整が必要になる。上手に自分の希望を叶えつつ相手の希望も尊重する。じつはそれが生きる上での面白みであり、意味のあることである。自分の意見を持つことは大切だが、自己主張しさえすればいいという物ではない。相手があり、相手との関係を保つことは大切である。調整能力は「生きる力」といってもいい。

 職業選択に関していえば、就職先の仕事について精通している必要はない。内情を知らなくても見よう見まねのうちに適応していくものである。
先輩と時間を共有していく中でさまざまなものを勉強できる。新入社員の指導担当の先輩は決まっていることも多いが、こちらからいい先輩を見つけることも大切。そのためにはいい先輩を見分け、見抜く力も必要になる。こちらから見込んで選んだ先輩になら従う気にもなる。選べるからあきらめもつく、のである。ここでもやはり自分の力で比較し選択することが重要である。

 次回は男女間の心理について。 
 (文責:菊田)