長崎先生講義録
基本的姿勢と基本的技法 2002.11/10

今どきの子ども?
 長崎先生は、先日富戸小学校で講演を行った。その際の話から。
 講演の中で。ある小学校の校長先生が「今どきの子ども傾向」をまとめたものを紹介した。
 それは
 1 我慢ができない
 2 規範意識が薄れている
 3 キレる子が多い
 4 いじめが多い
 5 身勝手な子が多い
 6 感謝しない子が多い
 7 謝罪しない子が多い
 8 責任を転嫁する
 9 性モラル低下している
10 生活経験不足


の10項目である。それぞれ当てはまると思う項目はいくつあるだろうか。

 さて、子どもたちのことを以上に挙げられたように教員・保護者が考えているとして、そう思われている子ども達はどう行動するだろうか。「お前は身勝手だ」という目で見られてやる気が出るだろうか。

 もちろん一般的な現状認識として間違ってはいないのかもしれない。だが、身の回りの人と接する時に、このような思いで接してうまくいくだろうか。
 また、この傾向は子どもだけだろうか。「性モラルが低下している」というが、性的な雑誌はコンビニの雑誌コーナーに氾濫している。昔はそういった本は書店の片隅にひっそりと置かれていたはずである。しかし今ではコンビニのトイレ前の棚には溢れるように置かれるようになった。
 こう考えると、「実は大人がそうさせている」といってよい。
 「キレる」などという言葉も、かつては「ぷっつん」などという言葉が使われた。1985年頃、石原真理子、藤谷美和子などが「ぷっつん女優」などと呼ばれた。これが「キレる」の先駆けである。決して最近の出来事でもないし、子どもだけの問題でもない。



日本人の宗教
 「日本人は無宗教である」などと言われるが、実は違う。日本人は「マスコミ教」の信者である。筑紫哲也、久米宏が言う言葉を、皆そのまま信じている。
 人は面倒なことはやりたがらない。そこへ食器洗い機、洗濯機などの機械やサービスが提供されるようになっている。そしてテレビは人が考えなくていいように「考え方」を提供しているといえる。

 人を苦しめているのは、実は事実ではなく考え方である。例えば、家族の誰かが病気になったとき、それをどう捉えるか。「どうして病気になんかなるんだ」とも考えられるし「大変だからみんなで協力しよう」とも考えられる。

 人間の悪いところを見つけるのは簡単である。「自分が正しい」と「相手が悪い」は表裏一体であり、「相手が悪い」とすることで自分を正当化できる。逆に「相手も正しく、自分も正しい」とするためには、自分の側の高い意識が必要となる。



ロールプレイの基本的姿勢
 芳展ちゃん誘拐事件で有名になった平塚八兵衛という刑事がいる。「落としの八兵衛」とも呼ばれ、現場叩き上げで警視正まで昇進した人でもある。
 八兵衛はこう言う。「刑事と犯罪者は首の皮一枚しか違わない」と。刑事ドラマの取り調べでは、机を叩いて自白を迫るシーンが見られるが、このようなやり方では決して本当のことを言ったりはしない。
 専門職になると、つい自分の専門の技術を押しつけることが増える。例えて言えば、和食の専門の料理人は、相手が何を食べたいと思っていても和食でもてなそうとする。だが本当に必要なのは、相手の好みに応じ、和食でも洋食でも何でも出せるオールラウンドな技術である。従って、自分の専門分野だけでなく、周辺領域も含めて学ばなければ対応することはできない。そうでないと、「LDの子に夢分析をしてもうまくいかない」などいうことが起きてしまう。



後半
基本的技法

 従来、カウンセリングでは「聞く」ことが重要視されてきた。ただ、それはあくまでリレーションをつくるためである。リレーションができた後、また問題が軽いときは指示することも大切である。その際は、具体的な指示をすることが重要である。ただ「愛しなさい」と言われてもどうしたらよいかわからない。「一緒に食事をしなさい」「家事をしなさい」と具体的に言わなければ伝わるものもつたわらない。


実技
 質問をしながら相手のことを聞き、他己紹介する。
 人のどんなところを聞くのか、で好みが出る。自分を理解することと他人を理解することは表裏一体である。

 最後に「ゆとり人間度チェック」。精神的なゆとりがなければ豊かさを本当には楽しめない。
 (文責:菊田)
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