八十川先生講義録
しつけ・子育てのポイント(3)、不登校(1) 2000.6/28
7 思いやりのある子
・人間は動物であり、自己保存の本能がある。生まれつき思いやりのある子はいない。
・しかしボランティア活動など色々な体験をすることにより、相手の立場を考えるようになり、思いやりは育つ。
  例1 M高校福祉科では(いじめなどの)何か問題が起きたとき、「私にできることは何ですか」と他を思いやる気持ちを持つ生徒が多い。
  例2 お母さんがいないときにはみんなでお母さんの仕事を分担する。


8大人と子供の違うところ
・我慢できるかできないか
・大人は結果で、子供は課程で評価される。

W 中学生期の問題

1 男親の力が必要になることがある
・母子家庭ではやりたい放題の子になることが多い〜抑えが効かない    → 力ずくでも止めさせる「力」が必要

2 大人のものの考え方に興味を持つ
・親が毅然とした態度をとる
・親が正しい道を歩む「エラそうなことを言ったって、お前(親)もこーしてるじゃねーか」と言われないように。(言われないことが目的ではない)

  3 将来どういう仕事に就きたいか
・医者の子は医者になることが多い。それは日頃「お前は医者になるんだ」と言われ続けた結果ではないか。ことあるごとに話をすることが大切。
・時期的には中学生くらいから
・適性を理解する。
・N高専で生徒の相談を受けると、中学で「お前は理系ができるから高専へ行け」という指導をされたという。本当の適性を理解することが大切。
・「何をやって良いのかわからない。だからフリーター」という子供に対しては、わからないなりに……考えさせ、やってみる事が必要。何かとっかかっているうちにやりたいことが見つかることもある。また30才になってから「見つかった」と言っても間に合うのか?
・フリーターは職業教育の欠如。昔は仕事を選べなかった。「何でもできる」は「何をやったらいいかわからない」になりやすい。
・適性をアメリカの中高生向けカウンセラーは内面の問題よりもキャリア(職業)カウンセリング重視である。

4 子供を独立した人格としてみる
・オランダでは家族で外食すると「今日あなたにお母さんが出してあげるのは○○円までよ」と宣言し、その範囲内で注文をさせるという。

5 子供部屋に鍵をかけるな
・子供部屋には親が自由に出入りできて当然。
・ただし日記を読むのは行き過ぎ。  

X 不登校(登校拒否、学校恐怖schoolphobia)  

1 総論  
・「不登校」といった呼び方はすべて「症状(状態)名」である。
  ex.「頭痛」は症状名、「その痛みは『ガン』から来る」は診断名
・それでは不登校の診断名は何か。それは「発達障害」であり「未成熟」など何かが足りない。
・治療は、「育て直し」。足りないところをもう一度やり直すことで補ってやる。  

2 女性の社会進出
・母親とのスキンシップ、一緒にいる時間が(=母親に育てられた実感)少なくなっている
  → 挫折したときに立ち直れない。  

3 分類
@優等生の息切れ型 … 褒められていい子になりすぎて耐えられなくなる
A自己中心・未成熟型(分離不安を含む) … 幼児期のわがままをそのまま引きずってい
B精神障害
・その他    怠業・お金がない・身体的病気
 <小泉英二(東京都立研修所:当時)「登校拒否」「続登校拒否」学事出版より>  
・日本には世界的に見て、神経症が多い。それは我慢を美徳とし、努力・追いつけ追い越せをモットーにする社会のあり方から来るものと思われる。  

4 生育歴 ・生育歴を聞くことが極めて重要。
・どういう育て方をしたか。
・どういう風に考えて育てたか。
・どういう結婚だったか。恋愛? お見合い?
・子供が産まれたとき、望んだwantedか、望まないunwantedだったか?
・幼児期、お乳の飲み方はどうだったか。
・喘息・アトピーなどの病気はどうだったか。八十川先生はどちらも母親の精神状態が不安定なときに出ると考えている。   母親が不安 → 子供が不安 → ぜんそく(一種の自律神経失調症)
・不登校と喘息の相関関係はい。50%以上。
・幼稚園に行くときどうだったか。不安定な子=自分で行けない=離れられない=分離不安 → 不登校になりやすい
・本の好きな子はみんなが遊んでいるときに一緒に遊べない → 不登校になりやすい
・双子、反抗期のない子、薄い子 → 不登校になりやすい    

5 分離不安は不登校になりやすい
・「うちの子は甘ちゃんで」と時に母親は嬉しそうに話すが、これは子供にしてみれば「今別れたら二度と会えなくなるんじゃないか。離ればなれになるかも」と思っている。つまり母子の信頼関係ができていない、ということ。きちんとした母子関係ができていなければ、後から作り直すより仕方がない。
・分離不安の原因としては、母親が約束を守らなかった事が考えられる。  
   ex.子供が寝た後、枕元からいなくなる。 → 「あなたが寝たらお台所の片づけがあるから行くよ」とあらかじめ言っておく。  

6 双子は不登校になりやすい
・2人で遊べるため、他と遊ばない。また親も放っておくことが多い。 → 対人関係の学習ができない。子供同士の生活ができない。  

7 子供は何人がよいか?
・3人以上の奇数  

8 反抗期のない子は不登校になりやすい
@3才頃
A小学校高学年〜中学
・反抗は自己主張・積極性の表れ。できなければストレスがたまる。ストレスがたまれば動けなくなる。ハーローの実験では、お母さんがいる子猿はストレスを転嫁できるができないと最後は発狂して死ぬ。
・自己主張とわがままの区別をその都度してやることが大事。

   7・8月は不登校の続き。9月にはいじめの話をする予定。
 (文責:菊田)